三信鉄道
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三信鉄道(さんしんてつどう)は、現在の東海旅客鉄道(JR東海)飯田線の前身となる路線を運営していた鉄道会社。三河川合駅から天竜峡駅までの区間を運営していたが、1943年(昭和18年)に国鉄に買収(戦時買収)された。
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[編集] 概要
天竜峡以南の区間は地形が急峻にして地盤が非常に弱く、鉄道建設が極めて困難であるとされていた。三信鉄道は北海道の多くの鉄道で測量技師を勤めた川村カ子トに測量を依頼。川村はアイヌ測量隊を率いて断崖絶壁での測量作業をやり遂げ、アイヌに現場監督されることを嫌う日本人工夫たちの反発を克服し、難工事の末に完成させた。
しかしその建設費の高さから運賃が高騰化し、沿線住民からは早くも国有化の請願がなされていた(国有化されれば全国一律運賃になるため)という。
なお社名は「三河国」と「信濃国」を結ぶ事から、それぞれの頭文字を一文字づつとったものである。
[編集] 車両
- 国鉄ED20形電気機関車(デキ501)
- 三信鉄道の電車
[編集] 駅一覧
国有化直前(1943年7月31日)現在の駅一覧。<駅名>は、国有化時に廃止となった駅。
三河川合駅 - <池場停留場> - 三信三輪駅 - 出馬駅 - <三信上市場停留場> - 浦川駅 - <早瀬停留場> - 下川合駅 - 中部天竜駅 - 佐久間駅 - 豊根口停留場 - 天龍山室駅 - 白神停留場 - 大嵐駅 - 小和田駅 - 中井侍停留場 - 伊那小沢駅 - 鶯巣停留場 - 満島駅 - 遠山口停留場 - 為栗停留場 - <我科停留場> - 温田駅 - 田本停留場 - 門島駅 - 唐笠停留場 - 金野停留場 - 千代停留場 - 天竜峡駅
[編集] 運行概要
1940年7月15日改正当時
- 運行本数:三河川合 - 天竜峡間日10往復(全列車が豊川鉄道・鳳来寺鉄道と直通、7往復半は伊那電気鉄道とも直通)
- 所要時間:全線32 - 34分