ヴァン・ヘルシング (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴァン・ヘルシング Van Helsing |
|
監督 | スティーヴン・ソマーズ |
---|---|
製作 | スティーヴン・ソマーズ ボブ・ダクセイ |
脚本 | スティーヴン・ソマーズ |
出演者 | ヒュー・ジャックマン ケイト・ベッキンセイル リチャード・ロクスバーグ |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
撮影 | アレン・ダヴィオー |
編集 | ボブ・ダクセイ |
配給 | ユニバーサル映画 |
公開 | 2004年5月7日 2004年9月4日 |
上映時間 | 132分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $160,000,000 |
興行収入 | $120,000,000(アメリカ) |
allcinema | |
IMDb | |
ヴァン・ヘルシング (Van Helsing) は、2004年のアメリカ映画である。
目次 |
[編集] 概要
モンスター・ハンターであるヴァン・ヘルシングの活躍を描くモンスターアクション映画。欧州伝承の3大怪物であるドラキュラ・フランケンシュタイン・狼男が一堂に会することでも話題になった。
元来、ヴァン・ヘルシングとは、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』で、ドラキュラと戦う大学教授の名であるが、今作では大胆に設定を変更して「不死身のモンスターハンター」というヒーロー像を作り上げた。
なお、アメリカ映画であるが、作品舞台が古き時代の欧州という事もあり、アメリカ人俳優はほとんど出ていない。
アメリカでは2004年5月3日にプレミア上映されたのち、5月7日に3575館で公開され、週末興行成績で初登場1位になり、トップ10内には5週間いた。興行収入は1億2千万ドルを超え、アメリカでの2004年公開作品中16位である。日本では同年9月4日に日比谷スカラ座1系列ほかで公開され、全国週末興行成績で初登場1位となった。
日本語吹き替え版のエンディングテーマに氷室京介の楽曲「Wild Romance」を起用している。
ヴァン・ヘルシング本人の衣装デザインは、菊地秀行原作『吸血鬼ハンターD』のものを参考にしたとされている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
1880年代後半、過去の記憶を無くした男ヴァン・ヘルシングは、バチカンのカトリック教会が指揮する闇の組織の不死身のモンスターハンターとして各地の魔物を退治して回っていた。パリでジキル博士とハイド氏を葬ったヴァン・ヘルシングに待っていた次の指令はトランシルバニアを長きに渡り恐怖で統治しているドラキュラ伯爵の手から麓の村を救うこと。その行き先には彼の失った記憶を取り戻す手がかりが残されていた。
トランシルバニアに到着したヴァン・ヘルシングと相棒のカールは、ドラキュラを出した家の末裔であるアナ王女とともに、打倒ドラキュラに挑む。
[編集] 登場人物
- ヴァン・ヘルシング(ヒュー・ジャックマン/吹き替え山路和弘)
- バチカンのカトリック教会の裏組織に所属する凄腕のモンスターハンター。ある日教会の前で行き倒れになっているところを教会の者に救われ、その時には過去の記憶を一切失っていた。己の記憶を探すことも兼ねて組織のモンスターハンターとして世界各地に巣食う怪物を退治して回る日々を送っている。
- 黒ずくめのマント、長髪に鍔の広いテンガロンハットを被った長身でガッチリした体格。20代後半から30代前半に見える容姿だが、既に400年以上も生きている極めて長寿な、または不死の人間である。ドラキュラは彼を、親愛を込めて「ガブリエル」と呼ぶ。
- カール(デビッド・ウェナム/吹き替え高木渉)
- 組織に勤める修道僧であると同時に、武器製作もこなす科学者。ヴァン・ヘルシングが怪物退治に用いる武器の数々は、主に彼が作成している。嫌々ながらヴァン・ヘルシングのパートナーとしてトランシルバニアに向かう。
- 教会に籍を置く身でありながら半欲半僧であるため、女性を抱くことを厭わない。そのため世俗に強く、普段から様々な文献に目を通していることもあり、非常に博識。その反面、敵の襲撃に気の弱さを見せることが多いが、頭脳を駆使しヘルシングをサポートする。存命中の家族などは不明だが、おばあさんは魔術師らしい。
- アナ・ヴァレリアス(ケイト・ベッキンセイル/吹き替え三石琴乃)
- ヴァレリアス長老、最後の子孫。美しき容姿を持った女性だが、男勝りの行動力を持ち、身軽で運動神経も良い。しかしそれが時として己に危険を呼び込んでしまうことになる。その美しさゆえドラキュラ伯爵もアナを己の眷属に加えようとしている。出身地であるトランシルバニアのある村をドラキュラの手から守ろうとして、サポートに訪れたヘルシングとも反目するが、その身を何度も救われたことで、ヘルシングの持つ懐の大きさと寡黙な優しさ、そして彼の心の中にある孤独に気付き、1人の女性として愛するようになる。
- ヴェルカン・ヴァレリアス(ウィル・ケンプ/吹き替え小山力也)
- アナの兄。アナと共にドラキュラの手下である狼男を捕獲しようとしたところ失敗し、アナを庇って狼男と谷底の川へ転落。その際、狼男に噛まれたことで自身も狼男へと変貌してしまう。途中、アナにドラキュラの弱点を享受すべく麓の村に現れるが、すんでのところで狼男に変身してしまい、逃れたところをドラキュラに捕らえられ、ある実験に使われる。
- 作中、狼男への変身は呪いが原因であるという台詞があるが、噛まれる事により相手も狼男に変貌する事や、それを治療する薬が存在することから、何らかの特定ウィルスが原因と思われる描写がされている。
- ドラキュラ伯爵(リチャード・ロクスバーグ/吹き替え大塚芳忠)
- 太古よりルーマニアのトランシルバニア地方を治める残忍な領主にして始祖の吸血鬼。本作では元々カトリック教会に属するヴァレリアス一族から生まれ出たとされている。戦闘体型では巨大な翼を持った悪魔の姿に変身する。
- 己の眷属であるアリーラ、ヴェローナ、マリーシュカの3人の花嫁と、せむし男のイゴール、狼男などの忠実な下部たちを従えている。過去にヴァン・ヘルシングと因縁があり、彼を「ガブリエル」と呼ぶ。
- ヴィクトール・フランケンシュタイン博士
- 優れた医師にして生命科学者。己の研究を進めるためにドラキュラの支援を受けて死体を継ぎ接ぎにした人造人間「フランケンシュタインの怪物」を作り上げた。しかしそれが、予めある目的を持っていたドラキュラの策略の一端と気づいた時、彼に死が訪れる。
- フランケンシュタインの怪物(シュラー・ヘンズリー フランケンシュタイン/吹き替え屋良有作)
- ヴィクトール・フランケンシュタイン博士によって生み出された人造人間。生みの親である博士と共に風車小屋の残骸の中で燃え尽きて死亡したと思われていたが、その地下に広がる鍾乳洞のような空間に隠れて生き永らえていた。2メートルを越える継ぎ接ぎだらけの巨体は、充分に人を驚かせるに足るが、決して暴力的ではなく内面は心優しい。己の命を助けてくれたヴァン・ヘルシングたちに感謝し、身を呈して助けたりする義理堅い性格。また若干のユーモアセンスまで持っているところなど、同じモンスターを扱った過去作で描かれてきたおどろおどろしく知能の低い姿とはまた一味違った描写をされている。
- イゴール(ケヴィン・J・オコナー/吹き替え岩崎ひろし)
- せむし男。ドラキュラの最も忠実な部下。いちいちやることが姑息な小悪党。小人のドヴェルグ達を使いドラキュラの実験を実質的に指揮している。
- ドラキュラの花嫁
[編集] スタッフ
- 脚本・監督:スティーヴン・ソマーズ
- 視覚効果:インダストリアル・ライト&マジック、WETAデジタル
- クリーチャーデザイン:パトリック・タトプロス
[編集] 外部リンク
- Van Helsing - 公式サイト(英語)