ヴァレリオ・ズルリーニ
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ヴァレリオ・ズルリーニ(Valerio Zurlini、1926年3月19日 ボローニャ - 1982年10月28日 ヴェローナ)は、イタリアの映画監督、脚本家である。
[編集] 来歴・人物
1926年3月19日、イタリア・エミリア・ロマーニャ州ボローニャに生まれる。1957年、アルベルト・ラットゥアーダ監督の『芽ばえ』の原ストーリーを書き、ナストロ・ダルジェント賞脚本賞を受賞した。
2作ののち、クラウディア・カルディナーレを主演に最初の成功を収めた。『鞄を持った女』はカルディナーレを一躍イタリアのスターにした。
次作、『家族日誌』(1962年)では、ズルリーニは第23回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。
映画スターでありプロデューサーでもあるアラン・ドロンは、ズルリーニとトラブルを起こした。その作品は『高校教師』(1972年)で、ともにつくった映画の編集と監督のカットとで行き違いが起きたのだった。
遺作は、ディーノ・ブッツァーティの有名な小説『タタール人の砂漠』を原作にした同名の映画で、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞最優秀作品賞を受賞した。
1982年10月28日、ヴェネト州ヴェローナ県ヴェローナで死去。56歳没。もっとも知られている作品はいくつかDVD化され、アメリカとフランスの両方でリリースされている。
[編集] フィルモグラフィ
- サンフレディアーノの娘たち Le ragazze di San Frediano 1954年 監督 原作ヴァスコ・プラトリーニ、脚本レオナルド・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディ、音楽マリオ・ザフレード、主演ロッサナ・ポデスタ
- 芽ばえ 1957年 原作 監督・脚本アルベルト・ラットゥアーダ、共同脚本レオナルド・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディ、ジャン・ブロンデル、音楽ピエロ・モルガン、主演ジャクリーヌ・ササール、シルヴァ・コシナ、ラフ・ヴァローネ
- 激しい季節 Estate violenta 1959年 監督・脚本 共同脚本スーゾ・チェッキ・ダミーコ、ジョルジョ・プロスペリ、音楽マリオ・ナシンベーネ、主演ジャン=ルイ・トランティニャン、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ、ジャクリーヌ・ササール
- 鞄を持った女 La ragazza con la valigia 1961年 監督・脚本 共同脚本レオナルド・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディ、音楽マリオ・ナシンベーネ、主演クラウディア・カルディナーレ、ジャック・ペラン
- 家族日誌 Cronaca familiare 1962年 監督・脚本 原作ヴァスコ・プラトリーニ、共同脚本マリオ・ミッシローリ、撮影ジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽ゴッフレード・ペトラッシ、主演マルチェロ・マストロヤンニ、ジャック・ペラン
- 国境は燃えている Le soldatesse 1965年 監督 原作ウーゴ・ピッロ、共同脚本レオナルド・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディ、音楽マリオ・ナシンベーネ、主演トマス・ミリアン、マリー・ラフォレ、アンナ・カリーナ
- 右曲がりの土曜日 Seduto alla sua destra 1968年 監督・脚本 共同脚本フランコ・ブルサーティ、音楽イヴァン・ヴァンドール、主演ウディ・ストロード
- I gabbiani d'inverno o l'inverno sull'Adriatico 1972年 監督
- 高校教師 La prima notte di quiete 1972年 監督・脚本 共同脚本エンリコ・メディオーリ、音楽マリオ・ナシンベーネ、主演アラン・ドロン
- タタール人の砂漠 Il deserto dei tartari 1976年 監督 原作ディーノ・ブッツァーティ、脚本アンドレ・G・ブルネラン、ジャン=ルイ・ベルトゥチェリ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演ジャック・ペラン、ジュリアーノ・ジェンマ、ヴィットリオ・ガスマン ※遺作