レイアウト (鉄道模型)

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固定式レイアウトの一例

集合式レイアウトの一例

移動式レイアウトの一例

特に小さい円形のものは別名ピザレイアウトと呼ばれる。

鉄道模型におけるレイアウトとは、模型列車を走行させるための情景の模型を指す。

レイアウトと同種の情景模型としてジオラマがあるが、鉄道模型においては車両の走行が出来るものをレイアウト、車両も情景の一部として固定もしくは静置されたものをジオラマ／シーナリーセクションと呼び区別している。

[編集] 概要

レイアウトの形態は設置場所や鉄道模型の縮尺により様々であるが、プランに基づいて作られていること、ある程度の情景が備わること、模型車両の運転が可能な線路が敷設（固定）されていることなどは共通している。屋内に作られるものと屋外に作られるものに大別される。

屋内に作られるレイアウトはその設置形態や収納方法により「固定式」「移動式」「折りたたみ式」「分割式」など様々な種類があり、中には「組み立て式」のように固定された線路配置は持つものの、固定された情景（シーナリー）を基本的に作らないもの、「集合式」のように「モジュール」と呼ばれる、連結することを前提に統一された規格で作られた部分レイアウトをつなげて任意の大きさ、配置のレイアウトを構成することができるものなど原則から外れるような形態のものもある。

屋外に作られるレイアウトは周囲の風景を借景とする場合も多い。これらも、庭園鉄道とも呼ばれる「常設式」のほか、収納が可能な「分割式」、「可搬式」がある。

以前は愛好家が自分で製作するものが主流であったが、車両サイズの小さいNゲージの普及や、工作離れに伴い、最近はKATOの「デスクトップレイアウト」やDDFから販売されている物など、完成品の販売も徐々に増えつつある。

旧交通博物館や鉄道博物館をはじめ、舞浜にある天賞堂のオメガセントラル鉄道や、群馬県安中市の碓氷峠鉄道文化むらのレイアウトのように、専門の業者の手により、オーダーメイドで製作されるものもある。

使用されるレールでもっとも多いのは道床が無く、自在に曲線が作れるフレキシブルレールである。フレキシブルレールはコルク道床上に敷設する。しかしNゲージの場合、圧倒的なラインナップや入手性の良さもあり、道床付のレールをベースに敷設する事が多い。ただ市販のカーブレールは半径の小さな物しか発売されておらず実感に乏しいため、大型のものや、「集合式」などではフレキシブルレールを使い、スケールに近いカーブを実現している。

日本では住宅事情により、Oゲージや16番の時代から、組み立て式のお座敷レイアウトが主流であったが、ライフスタイルの変化から、近年は徐々にGゲージや5インチゲージの庭園鉄道も増えつつある。

海外では古くから愛好家の手で作られており、ドイツのハンブルグには巨大なレイアウトミニチュアワンダーランドが建設されている。

Nゲージにおいてはブラインド式で供給される安価なストラクチャーが販売される等、近年、小規模ではあるが継続した趣味になりつつある。

これまでに造られたNゲージの国内での最大のレイアウトは、ゲームガタンゴトンの製作の為、JR東日本大宮工場で造られたものである。

鉄道模型での「情景模型」を指す用語には、「レイアウト」の他に「シーナリーセクション」（Scenery section）という言葉もある。情景が備わり、車両の走行が主目的のものが「レイアウト」と呼ばれるのに対し、それよりも小規模で車両も情景の一部として固定、もしくは静置するか、あるいは線路さえ持たない鑑賞が主目的のものが「シーナリーセクション」と呼ばれている。

プラモデルで「ジオラマ」という言葉が一般的なものとなる以前から、鉄道模型ではこれらの用語が使われて来た。戦後創刊された鉄道趣味誌である「鉄道模型趣味」の主筆であった山崎喜陽が、国内に情景模型を普及させるにあたり、提携関係にあったアメリカの「モデルレイルローダー」誌の内容を紹介したことがこれらの始まりとなっている。1970年代、プラモデルの世界ではミリタリーものを中心とした情景作りが盛んとなった。以降「ジオラマ」という用語が情景模型を指す言葉として一般化し、現在では鉄道模型においても「シーナリーセクション」を「ジオラマ」と呼ぶ場合も多くなってきている。