ルイス・トロンダイム
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ルイス・トロンダイム(Lewis Trondheim、本名:Laurent Chabosy、1964年12月11日 - )は、フランスの多産な漫画家であり、独立系出版社L'Associationの設立者の1人である。彼の2つのサイレントコミック『La Mouche』と『Kaput and Zösky』はアニメーション化されている。彼はノルウェーの都市の名前から取られた自身のペンネーム「トロンダイム」についてこう説明している。「ラストネームは都市の名前を使いたかったのだけれど、「ルイス・ボルドー」や「ルイス・トゥールーズ」ではあまり響きがよくない。そのときトロンダイムの町のことを思いついたんだ。もしかしたらそのうち自分の匿名性を保つために本名で作品を出版することになるかもしれないな」[1]
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[編集] 経歴
ルイス・トロンダイムはまず『Les formidables aventures de Lapinot』の著者として名声を得た。彼は1980年代の終わりに作られたこのキャラクターを、漫画に習熟するために作り出した。その結果として、彼は500ページのグラフィック・ノベル『Lapinot et les carottes de Patagonie』を制作した。その傍ら、彼は風刺雑誌「Psikopat」にも短編作品を寄稿した。
『Slaloms』が1993年にアングレーム国際漫画祭でファーストコミックブック賞を受賞した後、彼は大手の出版社Dargaudに作品を提供し、その一方で自身の設立したL'AssociationやCornéliusなどの独立系の出版社でより作家性の強い作品を次々に制作していた。これらの活動によりトロンダイムは次第に人気作家となっていった。
続いてトロンダイムは様々な企画で作品を発表した。彼は『La Mouche ("The Fly") 』を日本の市場に向けて発表し、作品のキャラクターがアニメーションに採用されると、作品をフランス語版のために描き直した。
『Lapinot』の後のトロンダイムの代表的な作品は、ジョアン・スファールとの共同制作による『Donjon』である。この作品は内外で非常に人気を集めた。
[編集] トロンダイムの「引退」
彼はそれまで非常に早いペースで作品を量産していたが、2004年、自分の情熱を「仕事」にしたくないという理由で、漫画の世界から半ば引退することを表明した。それ以降彼はいくつかの作品を描いているが、それまでに比べるとかなり遅いペースで発表されている。
トロンダイムは長い間、この期間にWeb上に1年間発表された野心的な作品『Le blog de Frantico』の作者であると考えられていた。Franticoのペンネームで発表されているこの作品について、トロンダイムはインタビューや自身のブログなどで、自身が執筆したことを認めたり否定したりを替わる替わるに答えていたが、その後Sébastien Lesageが真の作者として名乗り出、それまでトロンダイムに秘密を守るように頼んでいたことを明かした。
近年、トロンダイムは出版社Delcourtの編集者として仕事をしており、若者向けの漫画集である「Shampooing」の編集を指揮している。
2006年、トロンダイムはアングレーム国際漫画祭でグランプリを受賞した。
[編集] 作品
トロンダイムは100以上のタイトルを描き著しており、作品のジャンルも多岐に渡っている。特に知られている作品は以下のものである。
- 『Les formidables aventures de Lapinot』(10巻)は、風刺とファンタジーを融合したもので、主要なキャラクターはすべて動物である。例えばシャイで気楽なウサギや、すぐ厄介ごとに巻き込まれる、大きな口の魅力的な猫などが登場する。舞台は現代のフランスと紋切り型の時代的な設定が交互に用いられる。繰り返し現れるキャラクターは一種の俳優として考えられるもので、ストーリーごとに違った役割を演じるが、割り振られる役割のタイプは毎回同じである。
- 『Donjon』(25巻以上)は、ジョアン・スファールとの共同制作であり、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に似た世界観を持つ年代記に挑んだ野心作である。3期に渡って続けられた。作品のトーンはヒロイックな雰囲気からコミカルなものへ、またダークなものへと様々に変化する。
- いくつかの子供向けの作品のうち、Fabrice Parmeによって描かれた『Le roi catastrophe』は少年の王様のシリーズである。『Monstrueux』は、トロンダイムのそれに似た家族と、彼らのペットであるモンスターJean-Christopheを描いている。『Kaput and Zösky』はエイリアンを扱ったもので、近年テレビ番組でも用いられた。さらに最近の作品『A.L.I.E.E.E.N.』は、「トロンダイムが休暇中に田舎で発見した」エイリアンの子供の本である。
- ジャガイモのような形態のシンプルなキャラクターの話を集めた作品集の大部分はL'Associationから出版されている(『Genèses apocalyptiques』、『Non, non, non』、『Le pays des trois sourires』 etc.)
- 『Approximate Continuum Comics』などの自伝的な作品は、後に『Carnet de bord』シリーズとともに『Approximativement』に収められた。彼のより最近の自伝的な作品は、『Les petits riens』のタイトルで彼のブログに発表されている。
- さまざまなコンセプチュアルな作品のうち、『Le dormeur』と『Psychanalyse』は写真複写用のパネルが使われている。また『Bleu』と『La nouvelle pornographie』は「抽象漫画」として売り出された。
[編集] 日本での出版
- Mister O(ミスター・オー)(講談社、2003年11月、ISBN 4062121476)
[編集] 参照
- ^ Translated from Trondheim's presentation page (in German) on the website of his German publisher
[編集] 外部リンク
- Lewis Trondheim official site (フランス語)
- Lewis Trondheim biography on Lambiek Comiclopedia
- Lewis Trondheim biography at Fantagraphics.com
- Dungeon catalogue NBM Publishing
- The Comics Journal: Interview with Lewis Trondheim (Long excerpt from TCJ #283)