ユンカー
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ユンカー(Junker)は、東部ドイツの地主貴族に対する呼称。 元々は「貴族の子」という意味。爵位を継承できぬ貴族の子弟(一般には次男以下)が土地を貰い、地主となった貴族。階層としては貴族と平民の中間に位置する。爵位が無いため、姓の前に貴族の子孫であることを意味する「フォン」(von)が付く。神聖ローマ帝国時代の最下級貴族である「帝国騎士」(ライヒスリッター)に相当する。近代以降は資本主義経済の波の中で、貴族的な農場経営が崩壊し、その多くは経済的に没落した。ただし政治的には、官僚や軍人になった場合に平民出身者より優遇されたため、大多数のユンカー出身者たちが官界や軍隊に入り、国家による終身雇用で生計を立てた。近代ドイツ軍では一大勢力となり、ナチス時代には平民出身の親衛隊と対立関係にあった。
[編集] 著名なユンカー
[編集] 姓の前にvon(フォン)が付く名前の例
- カール・フォン・クラウゼヴィッツ
- ヘルムート・フォン・モルトケ
- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
- フリードリヒ・フォン・シラー
- フーゴ・フォン・ホーフマンスタール
- マンフレート・フォン・リヒトホーフェン
- エルンスト・フォン・ザロモン
- コンスタンティン・フォン・ノイラート
- フランツ・フォン・パーペン
- ゲルト・フォン・ルントシュテット
- エーリッヒ・フォン・マンシュタイン
- ヨアヒム・フォン・リッベントロップ
- クラウス・フォン・シュタウフェンベルク
- ヴェルナー・フォン・ブラウン
- ヘルベルト・フォン・カラヤン
- グレタ・フォン・ヤインゼン(エルンスト・ユンガーの妻)
- リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー
- ジョン・フォン・ノイマン
- ゲオルク・フォン・トラップ
- マリア・フォン・トラップ
- ヴェルナー・フォン・ジーメンス
- ウォルフガング・フォン・トリップス