モアレ検査
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モアレ検査(もあれけんさ)とは、主として学校健康診断において、脊柱の疾病および異常の有無を診察および各種の検査を通して疾患の予防・早期発見に役立てるものである。脊柱検査・モアレ撮影など、各学校によって検査名が異なる場合がある。
学校保健法により、毎学年定期に健康診断を行うことが定められている項目のうち、
- 脊柱の疾病および異常の有無(モアレ検査含む)
- 脊椎側彎(モアレ検査ならびにX線撮影)
が該当する。 前者は主に内科検診時に医師が診断することが多く(上半身裸で立位にさせ、前かがみにさせる視診)、モアレ検査(撮影)自体は、主として小学5年時(もしくは6年時)と中学1年時に行われる。 (ただし、私立学校においては、当検査が行われない所も少なくない。)
目次 |
[編集] 検査の方法
- 体全体の凹凸などを、モアレ測定法により検査するため、本来的には衣服を身に着けないことが望ましいが、各学校において当検査を行う場合は、上半身裸・下半身は下着もしくは体操用パンツ(ジャージ・短パンなど)を身に着ける。
- 撮影台に上り、撮影板にもたれ掛る格好、もしくは両手を横に「気をつけ」の姿勢で撮影に臨む。
- 脊柱の状態を全て把握するため、髪が長い人は括る必要がある。また、下は尾骨まで伸びるため、下着を下ろす必要がある。
- 自然な状況を求めるため、力を抜き、楽にする必要がある。
[編集] メリットと問題点
[編集] モアレ撮影・測定法のメリット
- X線を使用しないということもあり、平易に診断が出来るメリットがある。
- モアレ測定法による撮影は、腰痛診断や歯の矯正など、各医院でも取り入れられており、当該疾患の予防・改善に寄与しているケースがある。
[編集] 受診時の問題点、検診の有効性の保証
- 上半身は衣服を身に着けない、そして背骨全体、下は尾骨まで把握する必要があるため、時として下着を下ろす場合が少なくない。特に検査する時の年齢が思春期という多感な時期ということもあり、特に女子に対する配慮が必要である。(実際、下着を下ろす係を男性教員や男性医師が行ったことにより問題になったケースも報告されている。)
- 実際、下着を下ろすことにより、逆に力が入り、正常な診断が困難な場合もあるため、学校における全体診断(いわゆる広い場所で全員が見ている状況での診断)としては、やや課題が残る診断法である。
- 上記に関して、腰痛治療や歯の矯正で、当検査を採用している医院があるが、特に成人女性に配慮して、ストッキングやレオタードなどを身に着けさせて撮影を行うケースもあるようである。時には上半身においても、ブラジャーなど下着を取らずに撮影が行われる場合もある。検査時の羞恥がないものの、衣服を身に着けた状態での撮影が、撮影・検診の有効性が保証され得るか、やや疑問が残る。