ミゲル・カイロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミゲル・カイロ(Miguel Cairo, 1974年5月4日 - )は、メジャーリーグベースボール・アメリカンリーグ西部地区のシアトル・マリナーズ所属、右投右打の内野手。ベネズエラ出身。
[編集] 経歴
1990年、ロサンゼルス・ドジャースに入団。その後、マイナー時代にシアトル・マリナーズ、トロント・ブルージェイズを渡り歩き、1996年、ブルージェイズでメジャーデビュー。本格的にメジャーに定着し始めたのはタンパベイ・デビルレイズへ移籍してセカンドのレギュラーに定着した1998年から。その後、ヤンキースやニューヨーク・メッツでプレイしてテレビ中継などにも登場することが多かったため、日本人にも比較的知られている選手である。
2003年オフにFAとなり、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍。当初は内野のユーティリティプレーヤーとして期待される。しかし、正三塁手として考えられていたアーロン・ブーンが、トレーニングとして禁止されていたバスケットボールで左ヒザ靭帯断裂の重症を負い、開幕どころかシーズン中のプレーすら危ぶまれる緊急事態となった。そのため、カイロは三塁手としてプレーすると予想されていた。しかし、テキサス・レンジャースが、史上最高年俸選手でメジャー屈指のスラッガーであるアレックス・ロドリゲスを放出したがっていることを知ったヤンキースは、アルフォンゾ・ソリアーノと交換でロドリゲスを獲得するという超ウルトラCを敢行。だが、ロドリゲスはチームの象徴であるジーターと同じ遊撃手であったため、どちらかが二塁手もしくは三塁手にコンバートされると考えられていたが、結局、ロドリゲスが三塁手にコンバートされた。
2004年は上述のようなこともあり、ソリアーノ放出で空いた二塁手に同じユーティリティでよりパワーのあるエンリケ・ウィルソンとのツープラトンで起用された。開幕当初はチームで唯一不安視されていたポジションであったが、このツープラトン起用がうまくはまり、シーズントータルで打率.292をマーク。二塁以外にも一塁・三塁・遊撃を守り、攻守において地区優勝への原動力の一端となった。同年オフにFAとなり、ニューヨーク・メッツへ移籍。ここでもユーティリティとして期待された。
2008年1月にシアトル・マリナーズと1年契約を結んだ。ウィリー・ブルームクイストと共に、内野のユーティリティとして期待されている。
[編集] 選手としての特徴・エピソード
- 本職はセカンドだが、ファースト、サード、ショートも守れる。レフトとライトを守った経験もある。
- かなりの俊足。セントルイス・カージナルス時代は盗塁数が減っていたが、2004年から2006年までの3年間は2桁盗塁を記録している。
- ポストシーズンに相性が良く、通算打率は.328(61打数20安打)。特にカージナルスの一員として出場した2002年のポストシーズンでは打率.529(17打数9安打)の大当たりだった。
- 個性的なバッティングフォームで、高目の球に強い。
[編集] 年度別打撃成績
年度 | チーム | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 | 出塁率 | 長打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996 | TOR | 9 | 27 | 5 | 6 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 9 | .222 | .300 | .296 |
1997 | CHC | 16 | 29 | 7 | 7 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | .241 | .313 | .276 |
1998 | T B | 150 | 515 | 49 | 138 | 26 | 5 | 5 | 46 | 19 | 24 | 44 | .268 | .307 | .367 |
1999 | T B | 120 | 465 | 61 | 137 | 15 | 5 | 3 | 36 | 22 | 24 | 46 | .295 | .335 | .368 |
2000 | T B | 119 | 375 | 49 | 98 | 18 | 2 | 1 | 34 | 28 | 29 | 34 | .261 | .314 | .328 |
2001 | CHC STL |
93 | 156 | 25 | 46 | 8 | 1 | 3 | 16 | 2 | 18 | 23 | .295 | .366 | .417 |
2002 | STL | 108 | 184 | 28 | 46 | 9 | 2 | 2 | 23 | 1 | 13 | 36 | .250 | .307 | .353 |
2003 | STL | 92 | 261 | 41 | 64 | 15 | 2 | 5 | 32 | 4 | 13 | 30 | .245 | .289 | .375 |
2004 | NYY | 122 | 360 | 48 | 105 | 17 | 5 | 6 | 42 | 11 | 18 | 49 | .292 | .346 | .417 |
2005 | NYM | 100 | 327 | 31 | 82 | 18 | 0 | 2 | 19 | 13 | 19 | 31 | .251 | .296 | .324 |
2006 | NYY | 81 | 222 | 28 | 53 | 12 | 3 | 0 | 30 | 13 | 13 | 31 | .239 | .280 | .320 |
通算 | 11年 | 1010 | 2921 | 372 | 782 | 141 | 25 | 27 | 280 | 113 | 175 | 336 | .268 | .316 | .361 |
|
|
---|---|
投手 | 43 ミゲル・バティスタ / 45 エリック・ベダード / 48 ロイ・コーコラン / 41 R.A.ディッキー / 31 ライアン・フィラーベンド / 65 アンダーソン・ガルシア / 54 ショーン・グリーン / 34 フェリックス・ヘルナンデス / 38 ジョン・フーバー / 62 シーザー・ヒメネス / 57 マーク・ロウ / 35 ブランドン・モロー / 59 エリック・オフラハティ / 20 J.J.プッツ / 53 アーサー・ローズ / 18 ライアン・ローランドスミス / 52 カルロス・シルバ / -- トレーシー・ソープ / 56 ジャロッド・ウォッシュバーン / -- ジャレッド・ウェルズ / 46 ショーン・ホワイト / 60 ジョセフ・ウォアマン |
捕手 | 15 ジェイミー・バーク / 2 城島健司 / 32 ロブ・ジョンソン |
内野手 | 29 エイドリアン・ベルトレ / 5 ユニエスキー・ベタンコート / 13 ミゲル・カイロ / 17 陳鏞基 / 39 ブライアン・ラヘアー / 4 ホセ・ロペス / 12 マイク・モース / 44 リッチー・セクソン |
外野手 | 50 ウラディミール・バレンティン / 16 ウィリー・ブルームクイスト / 28 ラウル・イバニェス / 8 ジェレミー・リード / 51 イチロー |
指名打者 | 9 ジェフ・クレメント / 3 ホセ・ビドロ |
監督・コーチ | 47 ジム・リグルマン(監督) / -- ホセ・カストロ(打撃コーチ) / 37 ノーム・チャールトン(ブルペンコーチ) / 22 サム・パラーゾ(三塁コーチ)/ 55 リー・エリア(ベンチコーチ) / 1 エディ・ロドリゲス(一塁コーチ) / 30 メル・ストットルマイヤー(投手コーチ) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年6月19日更新 |