ブルン定数
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ブルン定数 (Brun's constant) は数学定数の一つで B2 と表記されることが多い。この数は、双子素数の逆数の和の極限として定義される。すなわち、
である。これが有限和か無限和かは知られていないが、ヴィーゴ・ブルンは1919年にこの和が収束することを示した。この事実は、素数の逆数の和が発散することと好対照である。もし双子素数の逆数の和が発散するならば、双子素数が無限に存在することが容易に従うが、この値が収束することが分かった為、双子素数の個数が有限か無限かは明らかになっていない。またこの数が有理数であるか無理数であるかも分かっていない。
Thomas R. Nicely は 10 の14乗以下の双子素数までの部分和を計算し、B2 は約 1.902160578 だと推計した。なお、その過程で彼は有名な Pentium FDIV バグを発見した。今日まで最も精度の良い値は、2002年に Pascal Sebah と Patrick Demichel の2人によって 10 の16乗までの部分和が計算された
- B2 ≈ 1.902160583104
である。これらの計算により 1.9 < B2 であることは分かるが、B2 < N となるような実数 N の値は知られていない。
また、同様の数が四つ子素数についても定義される。これは四つ子素数に対するブルン数と呼ばれ、しばしば B4 と表記される。四つ子素数とは値が 4 離れた2つの双子素数のペアで、小さいほうから (5, 7, 11, 13), (11, 13, 17, 19), (101, 103, 107, 109) となる。すなわち B4 は次の式で与えられる。
この値はおよそ
- B4 = 0.87058 83800 ± 0.00000 00005
と推計されている。