フェイロン
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フェイロン プロフィール
- 初出作品: スーパーストリートファイターII
- 出身地: 香港
- 生年月日: 1969年4月23日
- 身長: 172cm
- 体重: 60kg
- スリーサイズ: B108 W76 H80
- 血液型: O型
- 好きなもの: カンフー、自己主張
- 嫌いなもの: 無気力、無感動、無関心
- 特技: アクションシーンの独自演出
フェイロン(Fēi Lóng, 飛龍)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。
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[編集] キャラクターの設定
香港出身のカンフー使いで、『スーパーストリートファイターII』(以下『スパII』と表記)で追加された4人のキャラクターの内の1人。6歳の頃からカンフーの道を志し、その腕前を活かしてアクション映画俳優としてデビューした。順調にスターとして成長していくが、ある日世界格闘選手権の開催を知り、技と演技力を磨くために大会に出場する。
『ストリートファイターII』(以下『II』)シリーズのエンディングでは、演技ではなく闘いに本分を見いだし、映画出演の依頼も断って「飛天流カンフー」を創始する。20年後には世界中に300万人もの弟子を抱える一大流派にのし上がる様子が見られる。
時代設定が『II』シリーズの過去となる『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』)では、まだ駆け出しの俳優として登場している。自らを鍛え上げるために世界を駆けめぐり、その活躍を元にした映画が大ヒットしたことで一躍スターへの道を歩み始めることになる。
キャラクターデザインはブルース・リーに強い影響を受けており、髪型や顔立ち・服装、筋肉の付け方や「アチョー」というかけ声に至るまで、ほぼブルース・リーそのままである。『II』シリーズの勝利ポーズでは得意のヌンチャクを振り回して決めポーズを取ることもある。このようにブルース・リーの影響を受けたキャラクターは、他社の格闘ゲームでも登場している(『ワールドヒーローズ』のドラゴン、『鉄拳』シリーズのマーシャル・ロウなど)。
[編集] 人物
自他共に認める熱血漢で無鉄砲、思い込みが激しく直情的な性格。感動屋でもあり、涙脆い。ヌンチャクの使い手ではあるが、ゲーム中にそれを用いることは無く、素手で闘う。要点だけをはっきり言うため、勝利台詞は他のキャラクターより短い。
『ZERO3』ではフェイロンの所属している芸能事務所がシャドルーの麻薬取引の場(もちろんフェイロンは関与していない)になっていて、本人も知らない間に「麻薬取引に絡んでいる」という噂を流されたことがある。ユンはその噂を聞きつけてフェイロンを追うが、後に疑惑が晴れ、対シャドルー共同戦線を張り、両者の間に友情が芽生えた。
[編集] ゲーム上の特徴
必殺技の「烈火拳」に象徴される、連続攻撃と高い攻撃力で一気に勝負を決めるタイプのキャラクター。相手の攻撃に打ち勝ちやすい斜めジャンプ強キックや、非常にリーチの長い遠距離立ち強パンチ、しゃがみ強パンチ、反撃を受けづらい「烈火拳」を駆使して始終ペースを握り、一方的に攻めきることができる。無敵時間を持つ「熾炎脚」や、アッパーカットを出す近距離立ち強パンチなど、対空に使用できる技も持つ。飛び道具こそ持っていないが、持ち前の機動力と攻撃性能の高さで、強さを発揮する。
『スーパーストリートファイターIIX』(以下『スパIIX』と表記)では、強力だった斜めジャンプ強キックが弱体化したが、空中から飛び掛かる蹴り技「裂空脚」が追加され、強パンチ→「裂空脚」でラッシュをかけるという攻めができるようになった。スーパーコンボとして追加された「烈火真拳」も、無敵時間を利用して相手の攻撃をすり抜けつつ攻撃したり、連続技に組み込むなど、有効な使い方が可能。
[編集] 技の解説
[編集] 特殊技
- 直下落踵(ちょっからくしょう)
- その場で小さく飛び上がりつつ、踵落としを繰り出す。やや離れた間合いで、相手が出した足払いを回避しつつ攻撃するという芸当も可能。
- 遠撃蹴(えんげきしゅう)
- 前方へステップを踏みながら上段蹴りを繰り出す。相手との間合いが近ければ2ヒットし、攻撃の気絶値が高い分、直後に強攻撃を加えることで相手を気絶に追い込むことも可能。
[編集] 投げ技
- 岩塊抱(がんかいほう)
- 相手をすばやく担ぎ上げて前方へ投げ飛ばす。
- 襲首刈(しゅうしゅがい)
- 相手の肩を掴んでから、自分の体を大車輪のように回転させて前方へ投げ飛ばす。
[編集] 必殺技
- 烈火拳(れっかけん)
- 突進しつつ連続で拳をたたき込む技。普通に「烈火拳」のコマンドを入力すると1発目の上段突きだけが発生し、発生中に続けて同じコマンドを入力することで2発目のボディブローが発生、同様にして3発目の裏拳まで連続入力できる。連続技として使うほか、1発目をガードされても2発目以降をタイミングをずらして出すなどのフェイントも可能。弱・中・強の順に突進の距離が長くなる。3発目まで出し切ると拳を震わせるが、一瞬無防備状態になる。
- 熾炎脚(しえんきゃく)
- 真上に炎をまとった蹴りを放ちつつ、螺旋を描いて垂直上昇する。「昇龍拳」系の対空必殺技であるが、コマンドが「昇龍拳」の左右反転したものであるため、他のキャラクターに慣れたプレイヤーほど使いづらい。
- 裂空脚(れっくうきゃく)
- 『IIX』で追加された必殺技で、横に長いジャンプをしながら3発の連続蹴りをたたき込む。通常のジャンプ攻撃と同様にしゃがみガードできず、ヒットすれば着地後に更に連続技に繋げるほか、強パンチ→「裂空脚」を繰り返しガードさせるだけで一部キャラクターには脱出困難となる強力な技。『ZERO3』ではZ-IZM以外で使用可能。
[編集] スーパーコンボ
- 烈火真拳(れっかしんけん)
- 弱の「烈火拳」の1発目・2発目を交互に2回出して、5発目の裏拳で締めるスーパーコンボ。全身無敵の時間が非常に長いのが特徴で、5発目が出るまで相手の一切の攻撃を受けず、またガードされた後の隙も小さく、5発目が空振らなければ反撃を受けることがない。反面、突進距離が短いため、5発全てを当てるためには相手にかなり接近した状態で出さねばならず、中途半端な間合いから出すと途中からガードされることも多い。
- 熾炎連脚(しえんれんきゃく)
- 『ZERO3』で追加された、より回転数の増えた「熾炎脚」を繰り出すスーパーコンボ。ボタン連打とレバー入力でヒット数が増やせる点はケンの「神龍拳」などと同じ。Z-IZMでのみ使用可能。
- 龍八砕(りゅうはっさい)
- 『ZERO3』で追加されたLV3専用スーパーコンボ。その場で炎を纏った崩拳を突き出し、ヒットすると懐に飛び込んでのアッパーでふっ飛ばし、止めに飛び蹴りを決める。若干威力が低めだが、崩拳をほんの先端で当てるようにするとアッパーの前に激しい連撃が加わって威力が増す。「熾炎連脚」と同じく、Z-IZMでのみ使用可能。
[編集] その他
- 1994年のハリウッド実写映画『ストリートファイター』で、当初ジャッキー・チェンがフェイロンを演じる予定だったという説があるが、真相は定かではない。なお、同作にフェイロンは登場していない。
- 上記の映画をゲーム化したアーケード版『ストリートファイター ザ・ムービー』及び家庭用版『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』ではキャプテン・サワダ役を演じた澤田謙也がフェイロン役も兼ねて登場する予定だった(撮影も既に終了していた)が、最終的にはプレイヤーキャラとして登場する事は無かった。しかし『ストリートファイター ザ・ムービー』ではとあるステージの背景で捕まってる姿として見ることが出来る(登場確率はランダムである)。
- アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』ではパンクラスの船木誠勝が声優を務めており、劇中でリュウと対決するなど、かなり扱いの大きなキャラとして描かれている。リュウの後ろ姿に「また会おうぜ」と呟く劇中最後の登場場面は、名シーンとして語り種となっている。
- 『ストリートファイターZERO2』のダンステージ「香港・テンプルストリート」の背景にさりげなく立っている。
- 『ZERO3』のユンのストーリーでは、かつてディージェイと一緒に仕事をした事があり、彼らが親友同士であると明らかになった。
- アニメ『ストリートファイターII V』では春麗の友人であり、銅昴(春麗の父)の弟子という設定でかなり出番が多い。ゲーム登場版とは髪型が少し違う。声優は矢尾一樹。
- 『スパII』発売前、ゲーム雑誌などで「飛龍」と書かれたため、「ストライダー飛竜が参戦するのか?」と勘違いしたファンもいた(なお後の『MARVEL VS. CAPCOM』にてストライダー飛竜も格闘ゲームへの登場は果たしている)。
- キャラデザインが『ワールドヒーローズ』のキム・ドラゴンと酷似していたために、『スパII』発売後はファンの間でその事が話題になってしまい、キャラ性能面で注目される事があまり無かった。
[編集] 登場作品
- スーパーストリートファイターII
- スーパーストリートファイターIIX
- ハイパーストリートファイターII
- ストリートファイターZERO3(家庭用のみ)
- ストリートファイターZERO3↑(アッパー)
- ストリートファイターZERO3↑↑(ダブルアッパー)
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ全シリーズ(トレーディングカードゲーム版も含む)
[編集] 参考文献
- スタジオベントスタッフ『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』電波新聞社、2000年9月15日、ISBN 4-88554-676-1。
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