パワースポット
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[編集] 概要
パワースポットとは、エネルギースポット、気場などともいい、この地球上にあるすべての生命や物質の存在及び活動の源となるエネルギーが集中しているとされる場所のことである。このエネルギーは、古代インド哲学ではプラーナ、中国に発する風水では気といい、大地や大気中、動物の体内を流れ、物の中にも存在している波動であると考えられている。その波動の源は、宇宙に満たされているエネルギー(天の気)と、地球で生成されるエネルギー(地の気)であるとされる。前者を天から取り入れるための装置として、ピラミッドのような天を突く形状の建造物や尖塔、柱、屹立する岩組みなどがあり、その他小規模な社寺や祠などでもエネルギー(神)が降りてくる場所は多い。これらが宇宙エネルギーのパワースポットである。後者は、風水によれば、地中で生成され、そのエネルギーが山脈(龍脈)を通じ、平地まで流れていくが、ある特定の場所(龍穴または穴)で噴出するとされ、その場所がパワースポットである。
古来、中国や韓国、日本では、「気」は幸福・繁栄を呼ぶエネルギーとされ、京都に代表されるような、都を建設する位置を定めたり、建造物の設置場所を決めるための重要な拠り所とされており、現代の中国や台湾などでも、住居や企業の建物を建設する際に広く活用されている。実際、京都は地形が最も風水の理にかなった地の一つで、千年もの長年月にわたり都として繁栄し、その後も廃墟となることなく現在まで維持発展してきた背景には、この地の利が最も大きな要因であったとする説が、風水関係者の間では有力である。
一般に、社寺などの宗教施設は、パワースポットに建造されていることが多い。また、宗教系のパワースポットは宇宙のエネルギーを取り入れるために、宇宙の波動とシンクロ(同調)するアンテナの役割を果たしていると考えられる。自然の気が発生する場所としては、地中の強いエネルギーが生成され噴出する、ゼロ磁場や火山地帯、湧水地などに多く存在するとされる。「奇跡の聖水」が湧き出すフランスのルルドもその一つである。
[編集] パワースポットの効用
パワースポットに滞在すれば、誰でもその波動エネルギーを吸収することができるとされる。
このエネルギーは、人間の中にある7つの「チャクラ」という気の出入り口を通じて取り入れられ、体内や体表をめぐっている(チャクラの数については、8つの説等もある。また、広義には東洋医学の経穴(ツボ)も含む)。
パワースポットで得られるエネルギーの人間への効用としては、次のようなものがあるとされる。
- 生命エネルギーの強化
- 病気に対する自己回復力の向上
- 肉体・精神の浄化
- 物質のマイナスエネルギーの除去、浄化
- 癒し、リラックス
- 潜在能力、霊性の開発
このため、健康の回復・増進、ヒーリングなどを期待してパワースポットを訪れる人も多い。
パワースポットにいると、エネルギー(気)に対する感受性の強いとされる人は、ピリピリとした、または温かい感覚が得られるという。また、香りを感じる場合もあるという。そうした感覚が得られない人も、パワースポットに滞在すると、気持ちがいい、リラックスできる、心が洗われたような気がするといった感覚をもつとされ、それも気の効果の現れであるとされる。
[編集] エネルギーの発生メカニズム
エネルギー(「気」)の発生メカニズムについて、現在有力な説の一つに、「ゼロ磁場」がある。これは、電磁誘導の法則によって、2つの同じ大きさの電磁力の磁界の方向を正反対に向けたとき、見かけ上力が拮抗して、磁界が消え、ゼロになるポイントのことをいうが、実際にはエネルギーが双方から常に加えられており、なくなったわけではなく、その拮抗した2つのエネルギーから「気」という波動が生成されているのではないかという説である。
この説の証拠とされているのが、長野県伊那市にある分杭峠である。ここは、中国の著名な気の研究家で元極学の創始者、張志祥氏が日本に招かれた時、分杭峠周辺が強力な気場であることを発見したことにより、世界有数のパワースポットとして著名となった。
この分杭峠は、日本を縦断する巨大断層地帯の中央構造線の真上にあたり、2つの地層の巨大なエネルギーが拮抗しており、ゼロ磁場であることが調査によって判明したという。
元極学の本拠地である中国の蓮花山も、ゼロ磁場といわれる。
なお、「気」にはプラスのエネルギーとマイナスエネルギーがある。これまで述べたパワースポットとは、プラスのエネルギーに満ちた場所をいい、日本では従来から「イヤシロ地」と言われているものである。これに対し、マイナスエネルギーの溜まっている場所を「ケガレ地」といい、この場所にいると、逆に人間の心身や自然に悪影響を及ぼす。
[編集] 日本のパワースポット
日本国内にはパワースポットが数多く存在し、自然系では上の分杭峠のほか、富士山、阿蘇山、石鎚山など、活火山帯や巨大断層地帯などに多い。 宗教系では、伊勢神宮、熱田神宮、箱根神社、高野山など、多くのパワースポットが知られており、その他に皇居、鎌倉、大宰府政庁跡などがある。これらは自然系と重なっていたり、風水により「気」の噴出する場所(龍穴)として定められた所も多い。
このほか、国内で多くの場所がパワースポットとして紹介されているが、実際にエネルギーのあるスポットかどうか信憑性に疑問のある場所もあり、すべてが本物のパワースポットとは限らない。
また、気の流れは時々刻々と変化しており、自然系のパワースポットは地形の改変や風向きなど天候によっても流れが変わる。宗教系については、その時にそもそもエネルギーが降りてきていないこともある。このため、有名なパワースポットに行っても、たまたまエネルギーを全く感じられない場合もある。
また、パワースポットの中でも、特に気の強い場所、出ていない場所がある。
このため、目的をもってパワースポットに行き、効果を得るためには、エネルギーを感じ取ることのできる者のアドバイスや、確かな情報にもとづいて行くことが望ましい。
[編集] 世界のパワースポット
国内だけでなく、世界中いたるところに、パワースポットは存在する。 世界遺産があるようなところは、だいたいがパワースポットと思ってもいい。古来から、エネルギーが感じられる土地は、人々を惹きつけ、寺院が建立されたり、都市ができたりした。もちろん、大自然としての絶景という場合もある。 ペルーのマチュピチュ、北米のセドナ、シャスタ山、ハワイ、ヒマラヤ、バリ島、ピラミッド、オーストラリア中心のウルルなど、数え切れない。
しかし、その場所に出向いたからといって、なにか不思議な体験をするとは限らない。 まずは、その場所の美しさや、荘厳さを素直に感じることが大切。美に対する意識を拡大してゆくと、パワーを感じやすくなるとも言われる。
[編集] 外部リンク
- 分杭峠(「気」とは、ゼロ磁場と「気」、分杭峠の「気」の効果、波動水の実験、アクセスなど)
- POWERSPOTS(ユーザーの写真投稿によってつくられる、パワースポット情報の共有)
- ゼロ磁場の秘水(パワースポット、ゼロ磁場の地中深くに湛えられた天然水について)
- 日本のパワースポットで有名な神社(パワースポットとして、風水的にも評価が高い日本各地の神社を紹介します。)