パット・メセニー
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パット・メセニー | |
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基本情報 | |
出生名 | Patrick Bruce Metheny |
出生日 | 1954年8月12日(53歳) アメリカ合衆国ミズーリ州リーズ・サミット |
ジャンル | プログレッシヴ・ジャズ フュージョン ポストボップ ジャズ |
共同作業者 | パット・メセニー・グループ |
公式サイト | Official Website |
パット・メセニー(Pat Metheny、1954年8月12日 - )はアメリカ人ジャズギタリストでパット・メセニー・グループのリーダーである。ミズーリ州リーズサミット出身。
目次 |
[編集] 歴史
1954年8月12日、カンサス・シティ、リーズ・サミット生まれ。13歳でギターを独学で始める。1972年ゲイリー・バートンのコンサートの際、メセニーは彼の楽屋に行き、自身の演奏を披露しバートンのグループの加入を願う。バートンはメセニーの実力を認め、彼の推薦で18歳でバークリー音楽大学の講師を務めた。1974年、ゲイリー・バートンの『リング』でレコーディング・デビュー。1975年にジャコ・パストリアスを迎えて発表した初リーダー作『ブライト・サイズ・ライフ』をECMで発表しソロ・キャリアをスタートさせた。
1977年にバートンのグループを離れセカンド・アルバム『ウォーターカラーズ』を発表。1978年、キーボディストのライル・メイズらと"パット・メセニー・グループ"を結成、『想い出のサン・ロレンツォ』を発表後。オリジナルメンバーはライルに加え、マーク・イーガン、ダン・ゴッドリープ。以後『アメリカン・ガレージ』(1979年)、『オフランプ(旧邦題:愛のカフェ・オーレ)』(1981年)、『ファースト・サークル』(1984年)を発表する。
1985年にゲフィン・レコードに移る。この頃はトニーニョ・オルタ等の影響から楽曲にブラジル音楽の要素を取り入れている。『スティル・ライフ』(1987年)、『レター・フロム・ホーム』(1989年)といったヒット作を次々と生み出す。
1997年にワーナー・ブラザーズ・レコードに移る。2004年にはワーナー・ミュージック・グループの大幅な改編に伴いワーナー・ブラザーズ・レコードはジャズ部門を閉鎖、同グループのノンサッチ・レコードに移る。ゲフィン期のディスコグラフィをリイシューし始める。
[編集] 使用機材
- ES-175
- ベトナムに出征したまま帰らなかった兵士の愛器を譲り受けたというギター。本来フロント・ピックアップのみの仕様のはずだが、リアにハムバッカーを装着した痕跡がある(現在はガムテープで穴が塞がれている)。ボディ向かって右のFホールの右側にもポットを装着した跡が2カ所あり、同様に右のカッタウェイ部分にもピックアップ・セレクタ跡とおぼしき穴がある(これは木材で埋められている)。
- ヘッドストック部も本来は無いはずのセルバインディングがあるなど、通常のES-175とはかなり異なる個体である。ボディエンドのストラップ・ピンが欠落している為、テイルピースに靴磨きブラシのようなものを介してストラップが結びつけられている。
- ブリッジは本来の仕様であるローズウッドから、60年代前半のチューン・O・マチックに変更されている。トラスロッド・カバーも本来のものではなく「CUSTOM」と書かれた別機種のものが装着されている。
- ブリッジ付近にギターシンセサイザー用MIDIピックアップが装着されていることも多い。
- ローランドG303
- ローランドのギターシンセサイザー。3本所有。ボディにシンクラヴィアのギターシンセサイザー・コントローラーを無理矢理くっつけた個体、トレモロユニットを装着され、ネックも換装された個体など、いずれも大幅な改修を受けている。
- サドウスキー・エレガット
- サドウスキー製のソリッド・エレクトリック・ガットギター。テレキャスター型ボディにメイプルネック、ローズウッド指板、22フレット。「シークレット・ストーリー」ツアーなどで使用。
- リンダ・マンザー作アコースティック・ギター
- カナダのビルダー、リンダ・マンザーが製作したスティール弦アコースティック・ギター。パットは複数台所有しているが、オーソドックスな「ザ・マンザー」モデルは「モア・トラヴェルズ」などでライル・メイズとデュオ演奏をした際に使用された。4本のネックを持つ(6弦×1、12弦×3)「ピカソ・ギター」なる特注品も存在しており、パット本人曰く、この個体1本で「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」を演奏出来るのだという。
- オヴェイション・1763クラシック
- 70年代後半から80年代前半の個体。
- コーラル・エレクトリック・シタール
- 「ラスト・トレイン・ホーム」のメロディを弾くには不可欠。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] ソロワークス
- Bright Size Life (1975年) - Jaco Pastorius and Bob Moses
- Watercolors (1977年)
- New Chautauqua (1978年)
- 80/81 (1980年)
- Rejoicing (1983年)
- Song X (1985年)
- Question and Answer (1989年) - with Dave Holland and Roy Haynes
- Secret Story (1991年)
- Zero Tolerance for Silence (1992年)
- Passaggio Per Il Paradiso (1996年) サントラ
- A Map of the World (1999年) サントラ
- Jim Hall and Pat Metheny (1999年)
- Trio 99->00 (2000年) - with Larry Grenadier and Bill Stewart
- Trio->Live (2000年) - with Larry Grenadier and Bill Stewart
- One Quiet Night (2003年)
- Day Trip (2008年) - with Antonio Sanchez and Christian McBride
[編集] コラボレーション
- As Falls Wichita,So Falls Wichita Falls (1980年) - Pat Metheny &Lyle Mays
- I Can See Your House From Here (1993年) - John Scofield & Pat Methenty
- Sign of 4 (1986年) - Derek Bailey, Pat Metheny, Gregg Bendian, Paul Wertico
- Beyond the Missouri Sky (Short Stories) (1986年) - Charlie Haden & Pat Metheny
- Metheny Mehldau (2006年) - Pat Metheny & Brad Mehldau
- Quartet (2007年) - Pat Metheny & Brad Mehldau
[編集] パット・メセニー・グループ
- Pat Metheny Group (1978年)
- American Garage (1979年)
- Offramp (1981年)
- Travels (1982年)
- The Falcon and the Snowman (1984年) サントラ
- First Circle (1984年)
- Still Life (Talking) (1987年)
- Letter from Home (1989年)
- The Road to You (1991年)
- We Live Here (1995年)
- Quartet (1996年)
- Imaginary Day (1997年)
- Speaking of Now (2002年)
- The Way Up (2005年)
[編集] ゲスト演奏
- Shadows and Light (1979年) - Joni Mitchell
- Toninho Horta (1980年) - トニーニョ・オルタ
- Encontros e Despedidas (1985年) - Milton Nascimento
- Electric Counterpoint (1987年) - スティーヴ・ライヒ
- LOVE LIFE (1987年) - 矢野顕子
- Harbor Lights (1993)-ブルース・ホーンズビー
- Bruce Hornsby and Friends(2004)-ブルース・ホーンズビー
他多数。
[編集] 功績
[編集] グラミー賞
[編集] 個人
タイトル | 年度 | 部門 | |
---|---|---|---|
"Offramp" | 1983 | Best Jazz Fusion Performance | |
"Travels" | 1984 | Best Jazz Fusion Performance | |
"Change of Heart" | 1991 | Best Instrumental Composition | |
"Secret Story" | 1993 | Contemporary Jazz Album | |
"Missouri Sky" | 2000 | Best Jazz Instrumental Album, Individual or Group | |
"Like Minds" | 2000 | Best Jazz Instrumental Album, Individual or Group | |
"(Go) Get It" | 2001 | Best Jazz Instrumental Solo |
[編集] パット・メセニー・グループ
タイトル | 年度 | 部門 | |
---|---|---|---|
"Travels" | 1984 | Best Jazz Fusion Performance | |
"First Circle" | 1985 | Best Jazz Fusion Performance | |
"Still Life (Talking)" | 1988 | Best Jazz Fusion Performance | |
"Letter From Home" | 1990 | Best Jazz Fusion Performance | |
"The Road to You" | 1994 | Best Contemporary Jazz Album | |
"We Live Here" | 1996 | Best Contemporary Jazz Album | |
"Imaginary Day" | 1999 | Best Contemporary Jazz Album | |
""The Roots of Coincidence"" | 1999 | Best Rock Instrumental Performance | |
"Speaking of Now" | 2003 | Best Contemporary Jazz Album | |
"The Way Up" | 2006 | Best Contemporary Jazz Album |
[編集] 来日歴
[編集] パット・メセニー・グループ
- 1985年 ファースト・サークル・ツアー(五反田簡保ホール他)
- 1987年 スティルライフ(トーキング)・ツアー(大阪サンケイホール他)
- 1992年 ライブ・アンダー・ザ・スカイ(よみうりランドイースト他)
- 1996年 ウィ・リヴ・ヒア・ツアー(五反田簡保ホール他)
- 1998年 イマジナリー・デイ・ツアー(中野サンプラザ他)
- 2002年 スピーキング・オブ・ナウ・ツアー(NHKホール他)
- 2005年 ザ・ウェイ・アップ・ツアー(東京国際フォーラム他)
[編集] ソロその他
- 2007年 Pat Metheny / Brad Mehldau カルテット・ツアー(NHKホール他)