ハンター・キャッツ
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『ハンター・キャッツ』はあろひろしの漫画作品。同作における主人公たちの賞金稼ぎチーム名でもある。
目次 |
[編集] 概要
作品は月刊少年キャプテンに1992年頃より連載開始。同誌の屋台骨を支える作品の一つになる。同誌休刊(事実上の廃刊)寸前の1996年8月号まで連載された。少年キャプテンコミックスより単行本が発刊。全5巻。なお、これらの作品はコミックス上では「第一部」というくくりになっており、ファンの間では今も続編が待ち望まれている。
同作者による漫画作品『シェリフ』の続編に当たる。ただ、連載誌・読者層が異なるために主人公交代が行われており、また描かれる内容も、『シェリフ』よりも広い舞台でのものとなった。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
- 世界観については『シェリフ』を参照のこと。
ハンター・キャッツは荒事の多い賞金稼ぎ業界にしては珍しい、若い女性3人構成という変り種の賞金稼ぎ(ハンター)チーム。だが、彼女たちは普通のちょいと腕の立つ女性……などではなかった。彼女たちはそれぞれにとんでもない特技を持つプロフェッショナルなのである。
- 名人と呼ばれた江戸っ子巾着きり(スリ)の技を持つリーダ神速の輝(ヒカル)。
- 偉大なる闇の暗殺者の武技をその身に仕込まれた鉄拳の晃(アキラ)。
- 全てのコンピュータを跪かせる名ハッカー電脳女王(サイバー・クィーン)明(メイ)。
三人はその特技を活かし、今日も悪党退治に精を出す。凶悪化したこの世界で犯罪に立ち向かう賞金稼ぎチームハンター・キャッツ。日常の小さな事件から国際犯罪組織が絡む大事件まで、彼女たちに解決できない事件はない!
[編集] 登場人物
四龍(スーロン)の構成員については四龍の項目を参照する事
[編集] ハンター・キャッツ
- 早房 輝(はやぶさ ひかる)
- 賞金稼ぎ(ハンター)チームハンター・キャッツのリーダーでメンバー全員の母親役。幼い頃に両親を亡くし、名人と呼ばれた巾着きり(スリ)であった祖父に育てられた。その際に祖父のスリ技の全てを仕込まれている。その格別の腕は拳銃に装填された銃弾を抜き取るほどで、プロのスリや怪盗すら舌を巻くほど。チームメンバーの最年長で20歳。しかし童顔で、小学生ぐらいの女の子に間違われることも。メンバー唯一の賞金稼ぎ営業許可証保有者。家事が大好きで天気の良い日などは主婦の血が騒ぐらしい。かつて彼女のスリの腕を狙った犯罪組織四龍に囚われるが、ある人物に助けられるという過去を持つ(『シェリフ』最終話『享悪の宴』の事件)。
- 早房 晃(はやぶさ あきら)
- キャッツでは肉体派の格闘担当。体中に壮絶な古傷を持つ。かすっただけで相手を死に至らしめる手毒手掌を持つ。赤子の頃に犯罪組織四龍に買われ、使い捨ての暗殺者針人形(ニードル・ドール)とするために武術の老師に預けられた。老師は彼女に天賦の才を見出し、自らの後継者として育てる。その際に老師は彼女に「生きること」を教え、そのために現在の彼女は殆ど野生児状態の生き様を呈している。だが組織が彼女を針人形として使うことを強行したために老師は組織を出奔。逃避行の上に老師は殺され、弟子である彼女は組織に囚われたが、輝の事件のドサクサに紛れて脱出、現在に至る。そうした経緯があるために密入国・不法就労者の扱いだったが、ある事件によって永住許可を得る事になった。本名は晃々(ほぁんほぁん)。便宜上、輝の姓である「早房」を名乗っている。暗殺者としての教育を受けたために主要数ヶ国語の全てを話すことができる。また、なぜか猫語なども理解でき、時折猫の集会に顔を出したりしてノミをもらったりすることも。思考法は小学校低学年レベルらしい。18歳。
- 早房 明(はやぶさ めい)
- コンピュータの天才少女。南米の農園主の娘だったが、その才能を狙われて犯罪組織四龍にさらわれる。やはり輝の事件で助けられる事になる。彼女も日本に戸籍・身寄りがないために便宜上、輝の姓である「早房」を名乗っている。
- 彼女の両腕は「チャクラ」と呼ばれるコンピュータ内蔵義肢で、人間の精神をそのまま電脳世界にフィードバックする機能を持っている。しかし、「チャクラ」は装着者の精神と肉体に多大なる負担を与えるため、コンピュータ端末としての限界稼働時間は5分とされている。コンピュータに親しみすぎているために自らを器械と混同するきらいがあり、そのために風呂を極端に嫌う。実はヤセの大食いで30人近くの食料をあっという間に平らげる。チーム最年少の17歳。
[編集] 見習い
- 鬼堂兄弟(きどうきょうだい)
- キャッツの父親代わりである氷室幽也(後述)の親友であるハンター鬼堂支那虎の遺児。氷室の紹介を受けてキャッツが見習いとして面倒を見る事になった双子。二人とも非常に可愛い顔をして、見るからに女性だが、実は男(要はオカマ)である(しかもブルマー姿を披露したこともあり、予備のブルマーまで持っている。)。父譲りの才能から超能力(テレパシー)と幻術を得意とし、また明ほどではないがコンピュータもそこそこに使える。なおテレパシー能力は血縁者間にしか作用しない。
- 鬼堂ひとみ(きどうひとみ)
- 鬼堂兄弟の兄。見るからにフリル系の服を好み、髪型もふわっとしたパーマをかけている。見た目はアイドル系の女の子。水系の幻術を得意とする。
- 鬼堂かおる(きどうかおる)
- 鬼堂兄弟の弟。ぴっちりしたスーツ系の格好を好む。髪型はワンレン。見た目はキャリアウーマン的な女の子。炎系の幻術を得意とする。
[編集] キャッツの理解者たち
- 岩下警部(いわした けいぶ)
- キャッツの受け持つ事件には必ずといっていいほど顔を合わせる警官。年若く破天荒なキャッツだが、そのウデが確かであることを認め、それなりの信頼を寄せて面倒を見ている。コワモテだが気のいいオヤジ。ちなみに仕事に生きるダンディーな独身である。
- 氷室幽也(ひむろ ゆうや)
- 古参にして一匹狼の賞金稼ぎでキャッツの後見人。折に触れてキャッツの三人娘を気にかけてくれる、三人にとっては父親代わりの大先輩。無類の武装マニアで「人を撃ちたくて賞金稼ぎになった」と豪語してはばからない男だが、現在は加療入院中のためか落ち着いている。『シェリフ』から引き続き登場するキャラクター。
- 政(まさ)
- 岩下警部の行きつけの寿司屋「寿司政」の板前であり店長。昔は裏街道に名の知られた男であったらしいが、その過去は謎とされている。その間に岩下警部の世話になり足を洗って寿司屋となった。昔ゆえのトラブルに巻き込まれることも多く、時折、店に銃弾を撃ち込まれたり、世界各国の何百人もの女性が押しかけてきて強烈な修羅場になったりすることがある。しかし今でも裏街道の一部には顔が利くこともあり、キャッツに馴染みの情報屋を紹介することも。