ハリル・パシャ

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ハリル・パシャ（Halil Paşa, 1882年 - 1957年）は、トルコの軍人。少将。エンヴェル・パシャの叔父。

士官として国家憲兵に勤務。親族の支援のおかげで出世し、第一次世界大戦前はバグダッド知事だった。

1915年1月、ソフィアノにおいて、トルコ軍はロシアのF.G.チェルノズボフ将軍により撃破され、1月30日にはテルブリズを占領された。この後、ヴァン湖地区において、ハリルを長とする遠征団（第3、第5混成師団）が編成された。同年3月、レヴァンドゥザイから攻勢を開始しウルミアを占領したが、間もなく、チェルノズボフにより撃退された。4月、第5混成師団はアルメニア自衛隊の討伐に投入され、ハリルは作戦を指揮した。5月、ソウジュブラクとヴァン、5月24日にはウルミアを奪取した。7月までに、ハリルの部隊はメリャズゲルト－アフラトの線まで進出した。

1916年1月、第6軍の作戦統制下に入るイラク軍集団司令官に任命され、イギリスのC.タウンスゲンド将軍の部隊をクト・エル・アマルで包囲。コルマール・フォン・デア・ゴルツの死後、ドイツ軍の反対にも拘らず、1916年4月、ペルシャ及びメソポタミアで行動する第6軍の司令官に任命。4月29日、タウンスゲンドは兵士1万3千人と共に降伏した。5月末、ロシア軍の退却に乗じて、アリー・イフサン・パシャの第13軍団によりケルマンシャフ－ハマダンに対して攻勢を開始。6月9日にカスリ・シリン、7月2日にケルマンシャフ、8月10日にハマダンを占領した。ハリルのこの行動は、イギリス軍とロシア軍の合流を阻止した。

1916年秋、攻勢は頓挫した。1917年2月、バグダッドへの脅威に対処するため、第13軍団がメソポタミアに配置転換され、ロシア軍はハマダン、シネ、ケルマンシャフを奪還した。2月25日、イギリス軍は、クト・エル・アマルを再び占領し、3月11日にはバグダッドを占領した。

1918年6月、カフカース及びメソポタミアで行動する第3軍（エサド・パシャ）、第6軍（アリー・イフサン・パシャ）、カラ軍集団（ヤクブ・シェフキ・パシャ）を統括する東部軍集団司令官に任命。第6軍（第2、第14歩兵師団）は攻勢転移したが、カラト・シェルガト付近で撃滅された。その後、軍集団には、ダゲスタンと北カフカース地区を奪取する任務が付与された。7月31日、カフカース・ムスリム軍（ヌリ・パシャ）は攻勢転移し、8月5日にはバクーまで突破したが撃退された。9月15日、バクーを再占領。ハリル・パシャは、シュシュでのアルメニア人虐殺の組織者とされる。1918年10月30日のムドロス休戦協定により、ザカフカースから部隊を撤収。1918年10月、退役。