デビルマンレディー
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『デビルマンレディー』は、「モーニング」に連載されていた永井豪の漫画作品。または、それを原作としたテレビアニメ。基本的には『デビルマン』の設定を男女逆転させた形を取っているが、漫画版とアニメ版では設定・ストーリーが大きく異なり、漫画版では『デビルマン』の世界のパラレルワールドという位置づけで不動明も登場するが、アニメ版は完全に独立した作品として完成している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 漫画版
1997年7号~2000年30号までモーニングで連載された。単行本は全17巻、文庫版は全9巻。文庫版には単行本に収録された内容にさらに加筆してあるため、真のエンディングを知るためには文庫版が必要。終盤ではデビルマンとの絡みの場面もある。
[編集] ストーリー
高校教師の不動ジュンは水泳の元オリンピック選手でテニス部顧問。日ごろから「戦いたい」という体の疼きにさいなまれている。ある日、合宿中にビースト化した大学生に襲われ、生徒達が次々とビーストの餌食になっていく。とうとうジュンも襲われて死を覚悟した瞬間「デビルマンレディー」として覚醒、ビーストを皆殺しにする。この事件はアスカ蘭がジュンをデビルマンレディとして覚醒させるため裏で仕掛けたものであり、ジュンはアスカに反発しつつも自らの「戦いたいという欲望」を満たすためビーストとの戦いを続ける。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 不動ジュン/デビルマンレディー(ふどう ジュン)
- 本作の主人公。幼少の頃から強い闘争心を持ち、それを抑える為に様々なスポーツに打ち込んでいた。
- 水泳部の合宿の際にアスカ蘭の策略でデビルマンレディーに覚醒するが、それを受け入れ闘争心の欲求を満たす為にビーストに挑む。
- アスカ蘭(アスカ らん)
- ジュンがデビルマンレディーに覚醒するよう裏で仕込んだ張本人だが、次第にジュンと打ち解け親友となる。
- また、変身したジュンの姿に作中世界の人気漫画「デビルマン」から取って、「デビルマンレディー」の名を付けたのもアスカである。
- 不動明(ふどう あきら)
- 作中世界に存在する人気漫画デビルマンの主人公。
- 宇津木涼/ダンテ(うつぎ りょう)
- 永井の別作品『魔王ダンテ』の主人公。詳細は当該項目を参照。
[編集] H・A関係者
- 不動真人(ふどう まさと)
- 不動ジュンの父。デビルマン研究の権威。
- 早見青二(はやみ せいじ)
- ジム・ランガー/デビルマンライガー
- 海外からやって来た、もう1人のH・A所属のデビルマン。ライガーの名の通り、ライガーがモデルのデビルマンに変身する。
- 黒崎あおい/デビルマンノワール(くろさき あおい)
- もう1人の女性デビルマン。ノワールの名の通り、黒い猫をモデルとしたデビルマンに変身する。
[編集] その他の人間
- 不動光(ふどう ひかる)
- 不動ジュンの弟。姉がデビルマンレディーに覚醒した事は知らないが、覚醒後のジュンの変化に戸惑う。
[編集] ダンテ教団
- ユダ平岡(ユダ ひらおか)
[編集] デーモン
- ジンメン
- シレーヌ
- カイム
- 魔王ダンテ
- 魔王ゼノン
[編集] サタンとミカエル
[編集] アニメ版
1998年10月10日~1999年5月8日まで毎日放送(MBS)制作で『あにめシャワ〜』枠内で放送された。全26話。『あにめシャワ〜』枠史上最高の視聴率(5%余り)を叩き出し、今でもそれは破られていない。関東地区では独立U局でネットされた為、UHFアニメにも分類される。
[編集] ストーリー
ファッションモデルの不動ジュンは、ある日アスカ蘭と名乗る女性の訪問を受ける。そしてジュンは、人が獣(ビースト)になる恐ろしい光景を目の当たりにする。ビーストに襲われそうになったとき、ジュンもまた獣へと変貌を遂げる。ビーストの姿でありながら人の意識を持ち続ける「デビルマンレディー」に。その事実にショックを受けながらも、ジュンは身近な友人たちを守るため不本意ながら、アスカに促されるまま「ビーストハンター」としてビーストとの戦いに身を投じていく。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 不動ジュン(ふどう ジュン)
- 声:岩男潤子
- ファッションモデルをしている22歳の女性。内向的な性格で友人は少なく、マンションでの一人暮らしをしている(後に和美が押しかけてくることになる)。
- アスカとの邂逅によって、デビルマンレディーへと覚醒することになる。その闘争本能の赴くままにビーストを殺めていく自分に苦悩しながらも、自分なりの意義を見つけようとする。
- アスカ蘭(アスカ らん)
- 声:嶋村薫
- HAの日本支部支部長。日本人の父と米国人の母を持つハーフ。冷静沈着で、自分の弱さを表面に出すことは滅多にない。
- ジュンに対しては自分の飼い犬であるかのように扱い、彼女の都合を全く考えようとしない。だが時折彼女を気遣うような一面もあり、自らビーストの出現現場へ銃を持って乗り込むこともある。
- 人類で唯一「オーキッド因子」と呼ばれる因子を保有し、その正体にはある秘密が隠されている。
- 滝浦和美(たきうら かずみ)
- 声:村井かずさ
- ジュンにあこがれるモデルの卵で、18歳の女子高生。ジュンのことを「ジュンちゃん」と呼んで姉のように慕い、ジュンのように大人向けの仕事を目指している。肝心な時に方向音痴になる(オーディション会場とその隣のビルを間違えた際に、ジュンとの出会いを果たす)。
- ビーストの引き起こした事件で両親を亡くし、その後ジュンのマンションに押しかけて強引に同居するようになる。しかしジュンの言動によって困惑し、彼女とすれ違っていくこととなる。
- 『デビルマン』の牧村美樹をイメージして作られたオリジナルキャラクターであり、製作スタッフの思い入れの強いキャラクターでもあった。
[編集] HA・サミュエルソン研究所関係者
- ジェイソン・ベイツ
- 声:中尾隆聖
- サミュエルソン研究所の研究員で、デビルマン。ジュンとは対照的にデビルマンとしての肉体に誇りを持っており、ジュンに恋心を抱くと同時にライバル視する。原作マンガのジム・ランガー/デビルマンライガーがモデルとされている。
- 前田清(まえだ きよし)
- 声:山崎たくみ
- アスカの秘書。ジュンに好意を抱いており、人間としてジュンに接する。
- 瀬田克美(せた かつみ)
- 声:石塚運昇
- 陸上自衛隊の参謀。
- 山崎正義(やまざき まさよし)
- 声:斉藤茂一
- HA特務部隊長。ビーストを毛嫌いしている。
- キムボール
- 声:郷里大輔
- 前田にアスカの情報を教えたデビルマン。ジュンを「デビルマンの希望」と呼んだ。
[編集] その他の人間
- 湯浅辰也(ゆあさ たつや)
- 声:内田直哉
- ジュンのマネージャー。妻子のある身でありながら、ジュンに恋心を抱く。
- 湯浅里実(ゆあさ さとみ)
- 声:藤貴子
- 湯浅の妻。夫とは冷えきっている。
- 湯浅真由(ゆあさ まゆ)
- 声:高野朱華
- 湯浅の娘。
- 坂沢史郎(さかざわ しろう)
- 声:鈴木英一郎
- ビーストを追い、ジュンの身辺を嗅ぎ回るルポライター。妻の恵美子(声 - 高森奈緒)、娘のユリカ(最上莉奈)をビーストに殺害されている。
- 二宮知枝
- 声:小笠原亜里沙
- 園部音也のファンの16歳高校生。
- 園部真名子
- 声:藤木聖子
- 園部音也の義理の姉。媚薬を得るために、ビースト化した義弟を飼っていた。
- 浅川恵理
- 声:大原さやか
- 監禁されたジュンの身辺の世話を担当したナース。抑制できなくなったジュンに襲われる。
- 大統領補佐官
- 声:幹本雄之
- 米大使
- 声:稲葉実
- 大統領
- 声:アンディ・フォリーフィールド、同時通訳は斎賀みつき
- アメリカ合衆国の大統領。アスカのもたらす千年王国の到来を祝福していた。
[編集] デビルマン
- 千佳(ちか)
- 声:小林愛
- デビルマンの一人。猫のような耳と尾が生えている。和美の友人となるが、人間から和美を庇ってビーストの姿に変身、射殺される。
- 実咲(みさき)
- 声:手塚ちはる
- デビルマンの一人。昆虫のような目を持ち、触角が生えている。
- 多香絵(たかえ)
- 声:高野直子
- デビルマンの一人。頭に羊のような角が生えている。収容所の中で猛と結ばれ、最終話で猛の子を宿していることが判明する。
- 今日子(きょうこ)
- 声:小島幸子
- デビルマンの一人。腕に猿のような毛が生えている。
- 真紀猛(まき たけし)
- 声:田中亮一
- 正義感が強く、多香絵たちを助けるデビルマン。アニメ版『デビルマン』の主人公・不動明のパロディ。声も初代『デビルマン』で明を演じた田中亮一が担当している。
- 千代子(ちよこ)
- 声:こおろぎさとみ
- 祖父母と共に山村に住む少女。一緒に暮らすようになったジュンを好きになり懐くようになる。ジュンの影響でデビルマンとなる。額に第三の目を持ち、サイコキネシスやテレパシーの能力を有する。
[編集] デビルビースト
略称は「ビースト」。「クルセイダーズ四天王」という呼称や、各ビーストの名称は設定のみで、本編では一度も登場していない。
[編集] サトルとクルセイダーズ四天王
- サトル
- 声:小山茉美
- デビルビーストの王というべき少年。チョウのような翅を持つ。最後はクルセイダーズ四天王と合体、「ゼノン」となって戦った。
- 比嘉昇/アンドラス(ひが のぼる)
- 声:高田祐司
- クルセイダーズ四天王の一人で、ワシ型のビースト。炎を操る能力を持ち、激しやすい性格。リーダー格であるが、劇中ではほとんど言葉を発していない。
- 霞頂太/マルファス(かすみ ちょうた)
- 声:田中総一郎
- クルセイダーズ四天王の一人で、ハゲワシ型のビースト。電撃を操る能力を持つ。また、目から眼光を放ちビースト因子所有者の因子を活性化させる能力も持つ。元自衛隊員。
- 小暮泉/ナペリウス(こぐれ いずみ)
- 声:香月弥生
- クルセイダーズ四天王の一人で、ハクチョウ型のビースト。氷を操る能力と、第三の目で死んだビーストを蘇らせ操る能力を持つ。アスカの秘書に成りすましていた。
- 北野祐一/ストラス(きたの ゆういち)
- 声:佐々木望
- クルセイダーズ四天王の一人で、フクロウ型のビースト。風を操る能力を持つ。元予備校生。両親を惨殺した。
[編集] 各話登場ビースト
- ウルヴァー
- 声:鈴木英一郎
- HAに囚われていた男が変身したオオカミ型ビースト。初めてジュンが戦ったビースト。
- カザール
- 昆虫類型ビースト。目のついたハサミとツメが武器。体を百足のように伸ばすことも可能。
- レグザイモ
- ネズミ型ビースト。百足のような蟲を操って相手を殺す。背中の髑髏が不気味な声で笑う。
- ハーピー
- 声:唐沢潤
- 鳥類型ビースト。サトルの配下として暗躍する。知能が高く、人語を話せる。
- 織田律子/ジェルム(おだ りつこ)
- 声:日野由利加
- OLが変身した植物型ビースト。子孫を増やすために無差別に男性を取り込む。
- 黒崎あおい/マーミガ(くろさき あおい)
- 声:緒方恵美
- 水泳のインストラクターが変身したサメ型ビースト。ジュンの高校時代の同級生で、ジュンに想いを寄せていた。
- 紺野ひとみ/フェイレース(こんの ひとみ)
- 声:皆口裕子
- ジュンと同業のファッションモデルが変身したネコ型ビースト。ジュンに想いを寄せている。
- エアリアル
- 腕が鎌になっているイタチ型のビースト。
- スパーゲル
- 声:千葉一伸
- スポーツキャスターが変身した、双頭の肉食恐竜型ビースト。
- アルゴス
- 声:大塚芳忠
- 遊園地の警備員が変身した、多数の眼球を持つビースト。
- 高島レミ/フレイム(たかしま レミ)
- 声:須藤祐実
- 4歳の少女が変身した、炎のビースト。
- 立花/キルナー(たちばな)
- 声:藤本譲
- 無実の罪を着せられ百貨店を解雇された男が変身したカメレオン型ビースト。
- フェイセズ
- 死んだ人間の顔を奪うビースト。原作版『デビルマン』に登場した「ジンメン」のパロディ。
- 園部音也/蛇淫(そのべ おとや)
- 声:宮本充
- 画家が変身したヘビ型ビースト。女性の血を吸うことで分泌される体液は媚薬となる。
- アギト
- 声:浜田賢二
- 坂沢に囚われていたアルコール依存症の浮浪者が変身した、巨大な口のビースト。
- クラーン
- タコ型ビースト。
- ガーディアン・クロウ
- カラス型ビースト。人間を使った「モズの早贄」のような行為で仲間を増やす。
- タングロフ
- ヒキガエル型ビースト。上半身と下半身に顔がある。
- イミテイル
- イモリ型ビースト。他人に変身する能力を持ち、和美に化けてジュンを襲った。
- メガワーム
- 霞(マルファス)に目をつけられた男が変身した、ゲジ型ビースト。
[編集] 用語
- デビルビースト
- デビルビーストプログレス(DBP)
- デビルマン
- ギガイフェクト
- ヒューマン・アライアンス(HA)
- サミュエルソン研究所
- オーキッド因子
[編集] スタッフ
- 原作:永井豪
- 監督:平野俊貴
- シリーズ構成:小中千昭
- 企画協力:団龍彦、徳原八州、ダイナミック企画
- 音楽:渡辺俊幸
- 音楽プロデューサー:藤井秀行
- キャラクターデザイン:西岡忍
- メカニックデザイン:石野聡
- モンスターデザイン協力:丸山浩
- モンスターデザイン:依田正彦
- 美術監督:古賀徹
- 色彩設計:中山久美子
- 撮影監督:池上元秋
- 音響監督:小林克良
- 編集:鶴渕允寿
- 制作担当:大石祐道
- プロデューサー:尾崎穏通、諸冨洋史、堀尾裕樹
- 脚本:小中千昭、古怒田健志、村井さだゆき、長谷川圭一、赤星政尚
- コンテ・演出:平野俊貴、元永慶太郎、榎本明広、牧野滋人、大庭秀昭、横田和善、まついひとゆき、高瀬節夫、太田博光、殿勝秀樹、下司泰弘
- 作画監督:小林利充、をがわいちろを、中村あきら、小川夏美、丸英男、苫政三、丸山泰英、寺沢伸介、山口永輔、柳沢テツヤ、トコロトモカズ、西岡忍
- ゲストキャラクターデザイン:小林利充
- 動画検査:藤岡正宣
- 色指定:飯島孝枝、中村千恵子、瀧澤幸代、小林弘美、田中直人
- 仕上検査:小林弘美
- 背景:スタジオユニ、スタジオWHO、シースルー・スタジオ
- 撮影:スタジオコスモス
- 文芸:野田直彦
- 文芸進行:飯沢洋子
- 番組宣伝:渡辺優子、山崎朋子
- 編成:柴田三穂子
- 音響効果:横山正和
- 録音スタジオ:APUスタジオ
- ミキサー:田中章喜
- 音響制作:オーディオプランニングユー
- タイトル・リスワーク:マキ・プロ
- 筆文字:印玄
- ネガ編集:鶴渕和子
- 特殊効果:林好美、新井正春、菅原利香
- 設定制作進行:坂上貴彦
- 制作進行:浄園祐、蒔田泰弘、岩見幸芳、佐々木寛、高橋勝志、乙川将志、長井龍幸
- 音楽制作:ポリグラム
- 音楽協力:ミュー
- 取材協力:デイライトスタジオ ヴュー
- 現像所:東京現像所
- 製作:デビルマンレディー製作委員会
- アニメーション制作:キョクイチ東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)
[編集] 主題歌
- OP「デビルマンレディーメインテーマ」(作曲:渡辺俊幸 編曲:渡辺俊幸 歌:東京混声合唱団)
- 前期ED「REBIRTH 〜女神転生〜」(作詞:三枝翔 作曲:山口一久 編曲:山口一久 歌:田村ゆかり)(第1~17、25、26話)
- 後期ED「Lose Heart」(作詞:有森聡美 作曲:山口一久 編曲:山口一久&ルゴルジェ 歌:ルゴルジェ)(第18~24話)
[編集] 放映リスト
- 獣
- 血
- 翼
- 胚
- 鮫
- 猫
- 霧
- 敵
- 眼
- 炎
- 箱
- 顔
- 縄
- 家
- 鴉
- 聲
- 飢
- 軀
- 枷
- 骸
- 印
- 願
- 命
- 心
- 神
- 人
[編集] 放送局
放送地域 | 放送局 | 放送区分 |
---|---|---|
近畿広域圏 | 毎日放送(幹事局) | JNN系 |
北海道 | 北海道放送 | |
愛媛県 | あいテレビ | |
中京広域圏 | 中部日本放送※ | |
神奈川県 | TVK※ | UHF系 |
千葉県 | 千葉テレビ※ | |
福岡県 | 福岡放送※ | NNN系 |
全国 | KIDS STATION | CS放送 |
※はMBSでの本放送終了後にネット開始。その他の局は週遅れネット。
MBS制作のテレビアニメ作品がJNN系列外のFBSでネットされたのは極めて珍しい例である(同局にとっても、未だ唯一のUHFアニメでもある)。
毎日放送 アニメシャワー第1部 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
デビルマンレディー
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