ステディカム
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ステディカム (Steadicam) は、カメラを持つカメラマンの体の振動や、カメラを搭載した車両などの振動をバネを利用して吸収し、撮影映像のブレを防止するためのカメラ支持機材である。"Steadicam" の名称は、 "Steady" と "Camera" の合成である。本来は、アメリカの Tiffen 社の登録商標であるため、他社はこの言葉の使用を避けて防振激減装置などとよんでいるが、「ステディカム」の名称が広く知れ渡ったこともあり、この名称が一般的となった。
ステディカムによって、それまではレールにカメラを載せて移動させる方法でしか撮影できなかった滑らかな移動映像を、走っているカメラマンの手持ちカメラや、振動の激しい車両や航空機に搭載したカメラによっても容易に撮影できるようになった。現在では映画やドラマ、スポーツなどのテレビ番組の撮影現場で広く使用されている。
[編集] 開発の歴史
ステディカムは、1973年、カメラ技術者であるギャレット・ブラウンによって開発された。映画ではハル・アシュビー監督の『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』(1976年)の撮影で初めて使用され、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(1977年)のホテル内や迷路の移動シーンで大々的に使用されたことによって、その技術が広く知られることとなる。開発者のギャレット・ブラウンは、ステディカム開発の功績により、1978年度のアカデミー科学技術賞を受賞した。
[編集] その後の進歩
ベストでアームに固定するのではなく重量2-3Kg程度のハンディカメラを手持ちで使用する軽量版も作られ、「ステディカムJR」、「DVステディカム」、最近では「ステディカム・マーリン」へと進歩している。またザハトラー製「アルテミスDV」やABC製の「ハンディマン」、「 Clip&Go 」など、類似した製品がある。
[編集] 外部リンク
- TIFFEN - ステディカム開発メーカー
- ステディカム - 輸入代理店による紹介
- ステディカムジャパン - 輸入代理店