ジェノザウラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェノザウラー(GENO SAURER)は、タカラトミー(旧トミー)より発売されているゾイドシリーズのひとつであり、またその背景設定に登場する架空の兵器である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 機体解説
ジェノザウラー GENO SAURER |
|
---|---|
番号 | EZ-026 |
所属 | ガイロス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23m |
全高 | 11.7m |
重量 | 112t |
最高速度 | 260km/h |
乗員人数 | 1名 |
主な搭乗者 | リッツ・ルンシュテッド中尉(バトルストーリー) レイヴン(ゾイド -ZOIDS-・機獣新世紀・ZOIDS) チーム・フーマ(スラッシュゼロ) ブレード(フューザーズ) |
武装 | 集束荷電粒子砲 アンカー ロングレンジパルスレーザーライフル×2 レーザーセンサー ハイパーキラーファング ハイパーキラークロー×2 レーザーガン ハイパーストライククロー×2 |
ガイロス帝国軍のティラノサウルス型大型ゾイド。新シリーズ最初の新型電動ゾイドである。名称、デザインともデスザウラーの多大な影響が見られる。
初めてオーガノイドシステムを搭載した機体。
背部のレーザーライフルは大型ゾイドの主砲級の威力を誇るが、最大の武器は口腔内に装備した集束荷電粒子砲で、破壊力こそデスザウラーのそれには及ばないものの中型ゾイドを一撃で蒸発させるほどの威力を持つ。連射ができず、発射時には無防備になるのが欠点。
非常に高性能な機体で、従来の同クラスのゾイドでは本機に勝利する事はほぼ不可能。しかし非常に高性能かつ多機能の為に操縦が困難になった。後に出力を引き下げて安定性を高めた量産型が登場した。
[編集] キット
単四電池2本で稼動する。
歩行ギミックは、リンク機構により膝及び足首を駆動する形式である。連動ギミックとして、尻尾の左右振り、腕(前脚)の前後振り及びこれに連動した手の開閉、並びに下あごの開閉を行う。尻尾を引きずらない、いわゆる新解釈の獣脚類のスタイルを再現している。
眼と口腔内には赤色LEDによる電飾が施されている。また、歩行中に周期的なスピンアップ音を発生するが、これは意図されたものではなく、小電力の電源に負荷の変動が大きい歩行ギミックを組み合わせた結果である。
手動ギミックとして、各火器の旋回及びコクピット(胸部)の開閉に加えて、荷電粒子砲の発射態勢を再現する事ができるが、この状態では口は連動しなくなる。
HMM(ハイエンド・マスターモデル)シリーズ
2007年12月にシリーズ第四弾として発売。
第46回静岡ホビーショーにてブレードライガーと共に商品化が発表された。
脚部が大型化し、頭部から尾部にかけて一回りスリムになったことで、原型機であるデスザウラーにより近いフォルムとなっている。 また、頭部レーザーガンの換装でレイヴン仕様機と一般仕様機(本キットではAZ30mmレーザーガンと付けられた)を再現できる他、荷電粒子砲発射形態時の尾部冷却ユニットの全開放が可能である。
[編集] 作中での活躍
テストパイロット、リッツ・ルンシュテッド中尉が搭乗。ZAC2099年、次期主力ゾイドの採用をかけた模擬戦闘で、レッドホーンGCとセイバータイガーATを一瞬にして葬って高性能を見せつけ、初陣のエルガイル海岸上陸戦では、共和国軍守備大隊を壊滅状態に追い込んだ。
ガリル遺跡で後のデススティンガーの元となるコアを巡り、アーサー・ボーグマン少佐のブレードライガーと激突。劣勢を強いられるが、コアの回収に成功。
リッツ機は後にジェノブレイカーに改造される。
その後も、量産型が各地の戦線に参戦するも、暴走したデススティンガーやバーサークフューラーに破壊されたり、野生体新型機の台頭により旧式化しつつある。
- アニメ
セイバータイガーに代わるレイヴンの乗機として第21話「荷電粒子砲」で初登場。デスザウラー復活計画の過程で偶発的に誕生したという設定。
ヴィオーラのレドラーとロッソのアイアンコングを戦闘不能にし、バンのシールドライガーを荷電粒子砲で撃破する。
その後はデスザウラー復活計画のためにゾイドコアを回収し続けるが、第33話「宿命の対決」で新たにブレードライガーを駆るバンと再戦、激闘の末敗れた。
第43話「皇帝の休日」にてカラーリングが変更され再登場し、トーマのディバイソンを中破させた。その後、同機はレイヴンのオーガノイド・シャドーによってジェノブレイカーへと進化した。
第66話「滅びの刻」にて3機の搭乗者不明の状態で登場するが、3機ともジェノブレイカーに破壊されている。
また、レイヴン機をはじめとしたアニメ機と従来機では頭部パルスレーザー砲塔の形状が異なっている(レイヴン機の方が砲身が長い。玩具でもコンパチ式となっている。)
第25話「サバイバル」にてチームフーマの3人が搭乗するが、バーサークフューラーに敗れている。
バスターフューラーに乗る以前のブレードの専用機だったが、機体不良(実はマッハストームに恨みを持つサベージハンマーのサンドラの工作だった)の為にRDのライガーゼロに敗れ、以後、ブレードは因縁の相手としてRDをつけ狙うようになる。
ブレード以外のZiファイターも使用していた。
アニメ版では両腕がロケットアンカーとなっており、設定にはない放電攻撃も可能。一部ゲームにもこの特性が受け継がれている。
- 漫画
アニメ版同様、レイヴンが搭乗する。 シャドーとの合体を前提とした構造で、内部にゾイドバイオコアを9個搭載している。
荷電粒子砲でシールドライガー・シーザーに致命傷を与え、ウェンディーヌをも破壊しようとポルトに迫る。シュバルツ少佐のアイアンコングを退け、シャドーキーで蘇生したシーザーを追い詰めるが、フィーネが作り出したジークハートの力で誕生したブレードライガーに敗れる。
[編集] 機体バリエーション
- プロトブレイカー
- ジェノブレイカーの先行試作機として作られた改造ジェノザウラー。フリーラウンドシールドが無く、代わりに左右一基ずつのエクスブレイカーと、背部にCP-11マニューバースラスターユニットを装備している。機動力はブレードライガーとほぼ同等。西方大陸戦争において北ルートを通って撤退する撤退部隊を救出するため、ジェノトルーパーと共に特殊部隊に編成されて派遣された。
- ジェノトルーパー
- マグネッサーシステムを搭載した翼を装備し、飛行能力を得たジェノザウラー。とは言え、飛行ゾイドのように空中を自由に飛ぶと言うよりグライダーのように空中を滑空するものだと思われる。デススティンガーの暴走に巻き込まれ、プロトブレイカー共々破壊される。
- ジェノザウラーホロテック
- ビームなど光学兵器反射用の特殊クリアコーティング装甲を施したジェノザウラー。ガイロス帝国の高い技術力をもってしても実用段階に至らない実験機だが、暗黒大陸の戦いに投入された。この技術は凱龍輝の装備として日の目を見ることになる。元々はジェノザウラー・スペシャルカラーバージョンクリアブラックの名称で2003年に発売されたトイザらス限定のゾイド。
- サイコジェノザウラー
- 『ゾイド -ZOIDS-』に登場。ジェノブレイカーのゾイド因子を複製して作り上げたリーゼ専用の青いジェノザウラー。戦闘能力はレイヴンのジェノザウラーとほぼ同等かそれ以上。頭部には、フレキシブルレーザーと呼ばれる小型の2連装ビーム砲を装備し、脚部には幻影発生装置が搭載されているがゲームなどではこの装備は通常の8連装ミサイルポッドとされる。最後は、ヒルツのデススティンガーに破壊されてしまった。
- ジェノフレイム
- TVゲームの一部に登場。ジェノブレイカーとは異なる強化プランで開発された機体と言われている。背部に展開式ビーム砲、口部に拡散荷電粒子砲、さらにハイパーEシールド発生器を装備している。
- ジェノブレーダー
- ブレードライガーに対抗するために全身に凶器のレーザーブレードを装備した改造機。『白銀の獣機神ライガーゼロ』ではスーパージェノザウラーというネーミングで登場。ゾイドサーガにもスーパージェノザウラーというゾイドが登場しているが、こちらはジェノブレイカーに4連キャノン砲を装備した機体のようである。
[編集] ジェノブレイカー
ジェノブレイカー GENO BREAKER |
|
---|---|
番号 | EZ-034 |
所属 | ガイロス帝国 |
分類 | ティラノサウルス型 |
全長 | 23m |
全高 | 13.7m |
重量 | 137.5t |
最高速度 | 345km/h |
乗員人数 | 1名 |
主な搭乗者 | リッツ・ルンシュテッド中尉(バトルストーリー) レイヴン(ゾイド -ZOIDS-) ハンナ・ハンナ少尉(機獣新世紀・ZOIDS) |
武装 | 集束荷電粒子砲 レーザーチャージングブレード NZR複合センサー エクスブレイカー×2 荷電粒子コンバーター(ウイングスラスターパック基部) フリーラウンドシールド×2 ウイングスラスター×2 ウエポンバインダー(AZ140mmショックガン AZ80mmビームガン マイクロポイズンミサイルポッド)×2 アンカー×2 /ハイパーキラーファング ハイパーキラークロー×2 ハイパーストライククロー×2 |
先行型ジェノザウラーとブレードライガーの交戦データを参考に、ジェノザウラーを強化した機体。カラーリングは赤。
ジェノザウラーの基本性能を更に向上させ、フリーラウンドシールド+エクスブレイカー・頭部のレーザーチャージングブレード・脚部にウェポンバインダーを追加装備。背部の大型可変式スラスターで飛行も可能になった。また、背部の荷電粒子コンバーターにより荷電粒子砲の出力が30%向上し、連続発射・移動中の射撃が可能になる等、劇的なパワーアップが施され、その結果攻撃力・防御力・機動性はブレードライガーを凌駕するものとなった。
現行機にも劣らない極めて高い戦闘能力を誇るが、余りに性能を重視しすぎたため操縦性はさらに悪化、現存するゾイドの中で最も扱いの難しいゾイドの一つとなった。エースパイロットでも乗りこなせるものは一握りと言われるほどピーキーな機体と言われ、生産数が極端に少ない。
[編集] キット
大まかな構造はジェノザウラーと同じ。カラーリングに加え、追加装備を付けるためのハードポイントや、細部が異なっている。
頭部のレーザーチャージングブレードは、付属パーツのレーザーガンかビームガン(長銃身)に換装可能。(ただし頭部を分解する必要がある。)
背部のウイングスラスターパックも付属の砲塔(ジェノザウラーのレーザーパルスライフル)に換装できる。 電動ギミックはジェノザウラーと同じ。手動ギミックはジェノザウラーと共通のものに加え、頭部レーザーチャージングブレード・ウェポンバインダー(ミサイルランチャー開閉もできる)・フリーラウンドシールド・エクスブレイカー・ウイングスラスターが追加。
同サイズのゾイドと比べて、背中の装備パーツが多いために全備重量が重く、歩行させた後は足のキャップを確認し、ゆるんでいる場合は付け直すように、という注意書きが説明書に付属されている。また、重いためにジェノザウラーより多少歩行が曲がる。
また、説明書には「ジェノザウラー」と誤記されている部分がある。
余談だが、本キットにはレイヴンのパイロットフィギュアとオーガノイド・シャドーが付属しているのだが、2008年3月の再販ではなぜか付属しておらず、パッケージも一部変更されている。
[編集] 作中の活躍
- バトルストーリー
ヘスペリデス大橋の撤退戦において、常識外れの3000キロを半日で走破してのけた直後に、量産型とは言えブレードライガーを目論見どおり一蹴。空中からの粒子砲で橋桁を粉砕して追撃部隊を阻止した。 共和国デストロイヤー兵団攻撃に向かう際に宿敵アーサー・ボーグマンのブレードライガーABと再戦、一騎打ちを展開したが、その最中に暴走したデススティンガーの乱入に遭う。 デススティンガーの脅威に対し、アーサーと共闘。アーサーとブレードライガーを犠牲を代償にしながらもデススティンガーを撃破し、ファンブック2を締め括っているが、それ以降バトルストーリーには登場しない。
- アニメ
第47話「魔獣新生」にて初登場。
光の繭「エヴォリューション・コクーン」によりジェノザウラーから進化した。帝国・共和国軍の繭への集中攻撃をものともせずに誕生し、追撃に出た帝国軍を一掃。アーバインのコマンドウルフを破壊する。 オーガノイド・シャドーとの合体でフルパワーを発揮できる時間はわずか3分間。しかしその戦闘能力は強力で、師団単位の戦力を瞬く間に壊滅に追い込んでいる。 しかし、第57話「悪夢」でのバンのブレードライガーとの戦闘中デススティンガーの無差別攻撃を受け、シャドーが機能を停止してしまう。そして第59話 「首都崩壊」にて、バンとの戦闘の傷が癒えないまま、単機でデススティンガーに挑むが返り討ちとなる。その後はリーゼと共にダークカイザー・ヒルツに離反する。
そして最終話でヒルツの操る完全体デスザウラーに突撃を敢行するバンに対し、デスザウラーのEシールドを破って防御力を半減させる好アシストを見せた。
リーゼによると、ジェノブレイカーの色が赤いのには理由があるらしいが、劇中で言及されることはなかった。
バトルストーリーの機体とのスペック以外の相違点として、Eシールド展開機能を有している。(ゲーム『ヘリック共和国vsガイロス帝国』ではこの機能が再現されている)
- 漫画
機獣新世紀・ZOIDSでは、親衛隊所属のハンナ・ハンナ少尉が、レイヴンのバーサークフューラーの演習相手として搭乗するが、瞬く間に破壊されている。
- ゲーム
ゾイド邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜では、最終ボス戦前にバン達の前に立ちはだかる。
[編集] 機体バリエーション
- ジェノブレイカージェット
- ZOIDS妄想戦記「双子の魔女」で、格闘力と運動性能を強化し、黒色のステルスコーティングを施した特殊任務用として登場。霧深い山岳地帯のゲリラ戦で現地人勢力に運用され、地の利を活かして活躍し共和国軍に恐れられたが、ゴジュラスギガの前に敢えなく倒れた。
- 通常と同型機と、簡易生産型の頭部と副腕に展開式大型ブレードを持つ二種が存在。前者は双子の姉のアイダベルが搭乗し、後者は双子の妹のフローラベルが搭乗した。ちなみにジェットとは黒玉の意。(OSが抑制されてるのか民間のゲリラ兵でも運用可能となっている)
- ジェノシザース
- 公式ムック等に登場する改造バリエーションのひとつであり、青を基調とした配色が特徴。
- 大型のエクスブレイカーを左右に一基ずつ装備し、背部のスラスターの代わりにパルスレーザーライフルとパイルバンカーユニットがそれぞれ取り付けられている。
- ZBCG(ゾイドバトルカードゲーム)のカードでは全長41.7m、全高12.9m、重量139tとされ、バーサークフューラーに先駆けて拡散荷電粒子砲を装備している。
- ジェノブレイカーGS
- ゲーム「ゾイドサーガ」に登場。皇帝軍四天王ゲイル専用機。
- 白い機体色が特徴で、エクスブレイカーが二連装のキャノン砲に換装されている。
- 青いジェノブレイカー
- ゲーム「ゾイドフルメタルクラッシュ」の特定ルートに登場。洗脳された共和国軍のシュネル・クラージュ少佐が操縦する。
- 青い機体色以外は、ノーマル機との違いは見受けられない。