シーモア・パパート
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シーモア・パパート(Seymour Papert、1928年3月1日 - )は、南アフリカ出身のアメリカの数学者、計算機科学者、発達心理学者。
南アフリカのプレトリアで生まれ、アメリカに移住した。マサチューセッツ工科大学に勤務する。 マーヴィン・ミンスキーとともに、単層パーセプトロンは線形分離できないパターンを識別できないことを指摘した。
心理学者のジャン・ピアジェと交流があり、プログラミング言語のLOGOを開発した。
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[編集] 業績
- ジャン・ピアジェの構成主義の研究をもとにした、構築主義という独創的な学習法の考案者。学校がこれらの教育理論をどのように運用していくか、ということを再考した。また、新しい技術が、一般的な学習や、特に教育機関としての学校に与える影響を研究した。
- ピアジェの成果を利用して、プログラミング言語LOGOを開発した。LOGOを作った目的は、子どもが問題をよりよく考えたり解いたりできるツールを作ることであった。子どもが問題の解けるよう、「LOGOタートル」という小型ロボットが作られた(これはLOGOプログラミング言語上で再現された)。Logo財団研究グループ[1]の主な目的は、知識を学習する能力を伸ばすことである。パパートは、子どもが学習できる言語やプログラムは、熟練者に機能的に劣る事はない、と主張している。また子どものプログラミング教育をためらう教師には「バグの体験こそコンピュータリテラシーには必要」と説いた。
- 100ドルパソコンThe Children's Machineを開発し発展途上国に配布する計画One Laptop Per Childイニシアティブの代表者の一人である。
- 著名な人工知能研究者マーヴィン・ミンスキーから、「生きている内で最も偉大な数学教育者」と呼ばれた(レゴ・マインドストームのカバーより)。
- 1960年代にジャン・ピアジェと共同研究し、ピアジェの弟子の中で最も活躍・成功した人物と認知されている。ピアジェはかつて「パパートほど私の考えを理解してくれる者いない」と言ったことがある。
- PCの父アラン・ケイとそのダイナブック構想に影響を与えた。様々なプロジェクトでケイと活動を共に続けている。
- MITメディアラボ認識学習研究グループを創設した。
- レゴと共同で、LOGOプログラミングで動くロボットおもちゃマインドストームを開発した。
- 1950年代、ロンドンに住んでいたときは、Social Review誌など革命的社会主義者サークルの中心人物であったこともある。
[編集] 邦訳されている著作
- 『マインドストーム—子供、コンピューター、そして強力なアイデア』、奥村貴世子訳、未来社、1995、ISBN 4-624-40043-7
- マーヴィン・ミンスキー共著『パーセプトロン』中野馨、阪口豊訳、パーソナルメディア、1993、ISBN 4893621106
[編集] 事故関連
2006年12月初旬、ハノイでバイクにはねられ意識不明の重体と報じられた。同16日までに意識が回復したことが報じられているが、依然リハビリ中とのことである(ITmedia記事)。MITメディアラボ筋が2007年1月10日付けで発表したところに拠れば、同5日より自宅近くのリハビリセンターに移り、長い回復の途上にあるが、状態は安定して良くなっているという(経過ページ)。
[編集] 外部リンク
- パパートのホームページ
- Planet Papertは、パパートが書いた/に関する記事のコレクション
- 交通事故記事
※全て英語