シュミット商会
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シュミット商会（しゅみっとしょうかい）とは、明治から昭和に、日本で営業したドイツ系商社。正式名は、株式会社シュミット。 明治二十九年（1896年）光学機器代理店設立後、独立したドイツ人パウル・シュミット（Paul Schmitt：1872年～1936年）が、カメラのライツ社、医薬品のメルク社の輸入代理店として設立した。レントゲンを初めて日本に輸入したのもシュミット商会であると言われている。
シュミットは明治三十九年（1906年）外国人としては初めて芦ノ湖湖畔に別荘を建て、跡地は、箱根駅伝の往路ゴール地点脇の箱根駅伝ミュージアムとなっている。
シチズン創設者の鈴木良一と中島与三郎は、一時、シュミット商会の社員であった。
シュミットが1936年出張先の上海にて死去後、井上鐘（いのうえあつむ）が社長を引継ぐ。
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[編集] ライカの販売とカメラマンの育成
シュミットのライカへの情熱を受け継いだ井上は、就任早々、距離計連動コンタックスの愛好者が、ライカ愛好者とどちらが優れたカメラであるかを論争した「ライカ・コンタックス論争（1935年～）」に対して、有名なパンフレット「降りかかった火の粉は払わねばならない」を書いて対抗した。このパンフレットは、相手側を批判するのでなく、ライカの優秀性を滔滔と書き上げた格調の高い文書と評されている。その後、写真部長として明石正巳が就任して井上を助け、木村伊兵衛 等多くの名カメラマンを育てた。
[編集] ドイツワインの啓蒙
また、井上は当時メルク社の本社があったダルムシュタット出張の際、近辺のワイン名醸地を廻ってドイツのワインを蒐集しており、松涛の自宅にワインセラーを完備して、坂口謹一郎博士、近衛通隆、国税庁醸造試験所所長の鈴木明治博士、ゴルフ仲間、医師、写真家、ドイツ留学経験者 等を集めて、当時の上流社会にドイツワインの啓蒙を行っている。 また、戦後、古賀守をワイン部長に起用して、ドイツワインの販売促進を行った。
[編集] ライカビル
日本橋室町にあったシュミット商会の本社ビルは通称ライカビルと呼ばれ、有名であった。 このビルには、戦後一時期、米軍諜報機関であるキャノン機関と繋がりがあり、下山事件に係った可能性のある亜細亜産業が間借りしており、蛇腹付のエレベーターや金庫室が残った歴史的建造物とされていたが、2004年6月取り壊された。
[編集] 廃業
1980年代に日本シイベルヘグナーにライカの代理店商権を譲り、程なく閉鎖した。
