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サンダーフォース - Wikipedia

サンダーフォース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『サンダーフォース』THUNDER FORCE)はテクノソフトの開発したシューティングゲーム。もしくはシリーズの総称。

目次

[編集] 概要

2008年現在、シリーズとして登場した作品はI~Vに大別される5つ。移植時に機種の性能、機能に合わせたアレンジが行なわれたケースが多い。

元はパソコン用オリジナルのシューティングゲームのシリーズだったが、X68000からメガドライブへの移植によって、ゲーム機へプラットホームを移し、性能を限界まで活用する高品質なシューティングゲーム製作技術が評価されている。

また、ゲーム機におけるプラットホームが、セガハードウェアであったため、メガドライブ、サターンを代表するシューティングゲームシリーズという位置づけで語られる事が多い。

シリーズ各作品によってゲームシステムは相当に異なっているが、背景にある壮大な物語性、複数の武器を使い分ける攻略要素、8方向・上下左右・多重スクロールといった卓越したスクロール技術が盛り込まれていることは共通している。

物語は、IからIVまでは銀河連邦とオーン帝国の永きにわたる闘争が描かれている。Vでは舞台を我々が住む太陽系に移し、そこに漂着した銀河連邦の残骸がもたらした戦いが描かれる。

[編集] ゲームシステム

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

一般的に『サンダーフォース』シリーズは、『サンダーフォースII』以降で採用されている横スクロールシューティングゲームのシリーズとされている。強制スクロールのステージをショットで敵を倒しながら進んでいき、ステージ最後に待ち受けるボスキャラクターを倒すとステージクリアとなる。『サンダーフォース』を特徴付ける独自のシステムとして、専用ボタンを押すことで発射するショットが随時変更ができる点がある。ショットは前方二連ショットと、前後ショットを初期装備しており、アイテムを入手することで最大5つほどの武器を装着・変更できる。各作品で装備は異なるが、ほぼ全作品恒例として登場している『サンダーフォース』を代表する武器に、敵機を追尾して大量の円形弾を発射するハンターがある。また、アイテムを入手することで自機の周囲を回転するオプション、クローを装備する。クローは自機と同じショットを発射し自機のパワーアップになる他、敵弾を防御するバリアとしての効果を兼ね備えている。また、自機のスピード変更などの追加システムも作品を経るごとに実装されている。

[編集] シリーズ変遷

[編集] サンダーフォース

(ここではシリーズ全般を扱うため、一作目を便宜的にIと呼ぶ)

8方向任意スクロール2ボタン(ショットは対空・対地の2種)。

ステージ内に点在する指定目標を破壊することでステージ後半(要塞)が開始。要塞中心部を破壊すると次のステージへ進む。

同じソフトウェアではあるが、各機種の機能を生かした移植が行われている。

メインBGMはPC-8801mkIISR版ではロッシーニウィリアム・テル序曲が用いられている。X1MZ-1500ではスタート時にPSGによる音声合成で「サンダーフォース」と喋る演出もあった。

X1と、MZ-1500はPCGをもち、グラフィックスプレーンと背景との合成が出来たこともあり、8色で高速スクロールするゲームとなっており、IVで見られるタイトルのスクロールは、X1版が元になっている。 それ以外の8ビット機種については、グラフィック画面内での合成が必要となり、CPUの処理速度が遅いこともあり、背景が4色とすることで、処理を軽減している。 またスクロールの速度が遅いことから敵弾が増加している。 PC-8801mkIISR版では、ゲームスタート時に、トップビューへ角度が変わりゲーム画面になる演出が追加された。

作者である吉村功成の作成した他のソフトウェアと名称、世界観などは共有している部分がある。

[編集] ストーリー

オーン太陽系での戦闘で不利な戦いを強いられる連邦は、小惑星を改造した敵の超巨大基地「ダイラデイザー」破壊のため「ファイヤー・レオ」を向かわせる。

[編集] 機体説明

FIRE LEO
「ダイラデイザー」を破壊するために設計された爆撃宇宙艇。

[編集] パイロット

エイドラ・ファーン

[編集] サンダーフォースII

  • 1988年 - X68000 が初出。
  • 1989年6月15日 - 『サンダーフォースII MD』 - メガドライブへの移植版(4MBitロム)。同機初のサードパーティ作品。容量の問題から、面数が半減している事、キャラクタサイズの違いがある事以外はほぼ忠実な移植。

8方向移動と2ボタン(ショット、武器切り替え)。

X68000版では面前半が8方向任意スクロール・後半が強制横スクロール。メガドライブ版ではそれぞれを別の面とカウントし、奇数面が8方向任意スクロール・偶数面が強制横スクロール。

アイテム回収によるパワーアップ要素が追加された。

獲得した装備はボタンでいつでも切り替えることが可能だが、自機が撃墜された際に利用していたパワーアップは失う事になる。

X68000初期のソフトであったが、強力なグラフィック機能を活かした美しい画面と派手なサウンドが注目を浴びた。8方向スクロール面の難易度に対し、横スクロール面は高い難易度を誇る。

横スクロール面のゲームデザインは、エグザクトのナイアス等にも影響が見られる。

[編集] ストーリー

オーン帝国の戦闘要塞プレアレオースの攻撃により惑星レダが消滅。連邦軍は惑星ネピュラの空間ドックにいるプレアレオース破壊作戦、サンダーフォースIIを発動した。

[編集] 機体説明

  • FIRE LEO-02 "EXCELIZA"(エクセリーザ)

[編集] 武器説明

[編集] 標準装備
TWIN SHOT
BACK FIRE

[編集] トップビュー
LASER
WIDE SHOT
FIVEWAVE
DESTROY
MCM(Manual Control Missle)

[編集] サイドビュー
LASER
MEGA FLASH
WAVE SHOT
SIDE GLASTER
NOVA

[編集] トップ&サイドビュー
HUNTER
CLAW
ROLL
BREAKER

[編集] 登場人物

ライド・A・ジュピター
ずば抜けた戦闘力を持つ連邦軍のエース。惑星ネピュラ出身でオーンにより両親を失っている。
ディアナ・リーン
ライドの相棒となる女性。
カウ・ス
30年前、連邦に反乱を起こしたオーンの皇帝。

[編集] サンダーフォースIII

8方向移動、3ボタン(ショット、武器切り替え、移動スピード調節)。この操作系統はIV以降にも引き継がれる。

III以降は8方向スクロールのステージが廃止され、全編横スクロールとなった。また、IIでは固定だった自機の移動スピードを任意で4段階に切り替えられる。自機が撃墜されると、その時装備していた強化装備とクローは失われ(難易度がノーマルのみ、ほかの難易度では全て失う)、残機がある場合は新しい機体が続けて投入される。

難易度についてはNORMAL・HARD・MANIAの3段階。演出や敵パターンについて全体的に後継のIV、Vほどマニアックな味付けはされていない。NORMALレベルならばそこそこのゲーマーでも練習次第でオールクリアが可能な一方で、MANIAレベルではコアなシューティングゲームファン向けにも耐え得る設定にされており、ゲームバランスの秀逸さでは当時のシューティングゲームの中でも見るべきものがあった。

概ねIIの横スクロールステージに近いスタイルだが、ステージによっては上下や斜め、後ろ方向といった変則的なスクロールが登場する。また、SEIRENステージ(水中面)では気泡に接触すると浮力で水面に押し上げられたり、HAIDESステージ(洞窟面)では天井や地面が突然動いて進路をふさいでしまうなど、各ステージに特徴的な仕掛けが豊富に盛りこまれ、プレイヤーを飽きさせないよう配慮がなされている。しかしその反面、かなりダイナミックな仕掛けが多く、初プレイで通り抜けるのが至難の業となっている場面も少なくない。その事により「覚えゲー」と揶揄される場合もある。また、ミスにより全てパワーアップを失っても、全ての場所でハマらないような配慮がなされ、4面ボスや最終ボスなど敵が物量作戦で攻めて来る場所でも紙一重で突破口が開けるようなゲームバランスになっている。

全8ステージ構成。本作からはステージセレクトが実装され、前半5ステージ(HYDRA、GORGON、SEIREN、HAIDES、ELLIS)に限り、開始ステージを任意に選択できるようになった。例えばHAIDESステージから開始した場合は、HAIDES→ELLIS→HYDRA→GORGON→SEIRENの順に攻略したのち後半ステージに進むことになる。苦手なステージがあっても、そのステージを最初に選んで何度も練習することにより、攻略の糸口をつかむことが可能である。

サウンドトラックでは、容量不足により削られたパートが補完され収録されている。

アーケードに逆移植された『サンダーフォース AC』はIIIがベースになっているが、画面構成やBGMの編曲が変更されたり、4面はAC独自のもの、5面はII MDの8面(ただし、ボスはIIIの5面ボスモビルフォートのまま)になっているなど、細かいアレンジが施されている。また1UPアイテムが大量に出てくるIIIに対しACでは1UPアイテムが減っているなどアーケード向きのゲームバランスに再調整されている。

『サンダースピリッツ』はACからの移植版だが、6面と最終面はオリジナルとなっている。 音源の違い、ドライバの出来などにより、BGMの質は同機種の他のソフトウェアと比較しても高いとは言えない。 また、処理落ちの多発等、ゲーム内容にそのものついても高い評価を得られているとは言い難い。

[編集] ストーリー

100年にわたるオーン帝国との戦いで衰退した銀河連邦は、状況を打破するためにオーン帝星の攻略を図る。オーン帝星は5つの惑星に点在する亜空間転移システムと無人防衛システム(ケルベロス)に守られており、連邦は総力をあげ高機動戦闘機を開発した。

[編集] 機体説明

FIRE LEO-03 "STYX"(ステュクス)
ケルベロスに反応しないほど小型で、大型戦艦に匹敵するほどの火力を備えている。パイロットは連邦のマザーコンピューターによって選ばれた。

[編集] 武器説明

Twin shot -ツインショット-
標準装備の前方ショット。
Back shot -バックショット-
標準装備の前後方向単発ショット。
Saber -セーバー-
強力前方レーザー攻撃。
アイテムを取得することによりツインショットと入れ替わる。
Lancer -ランサー-
強化された前後方攻撃で後方攻撃の方が強くなっている。
アイテムを取得することによりバックショットと入れ替わる。
Wave -ウェーブ-
巨大な衝撃波を前方に飛ばす広範囲攻撃。
地形を貫通する特性がある。
Fire -ファイヤー-
上下に対し、絨毯攻撃を行う装備。
Hunter -ハンター-
地形を貫通する自動追尾攻撃。
使いやすいが威力が他の武器より弱い。
CLAW -クロー-
自機の周りを回り、敵弾を打ち消す(消せない攻撃もあり)。
外殻があり、自機の爆破時以外は破壊されない。
主攻撃ほどの威力はないが、攻撃の補助も行う。
SHIELD -シールド-
一定数の敵からのダメージを吸収し、赤く変色した後にダメージを受けると消失する。
障害物に対しても効果があり、遮蔽物を通り抜けることも可能。

[編集] パイロット

ジーン・R・ファーン大尉
銀河連邦軍第110宇宙航空師団所属。8才の頃より戦闘機に乗っていたといわれる。エイドラの孫。
シェリー・M・ジュピター少尉
銀河連邦軍第119宇宙防衛大隊所属。IQ300を超える16才の少女。12才で連邦軍士官学校を歴代トップの成績で卒業、3年の特別訓練を経てジーンのナビゲーターとなった。ライドとディアナの長女。

[編集] サンダーフォースIV

基本的には概ねIIIを踏襲し、その改良型といえるシステムを採用。ただし、本作の開発が始まる前に旧2作のスタッフの多くが退社したこともあり、ゲームとしての色はだいぶ変化している。

移動速度(最低25%、最高100%)をスピードアップのボタンをポンと1回押すと25%ずつ(4段階)、押しっぱなしだと1%単位で変更可能。武器を自在に切り替えて使用するシステムは健在で、自機が破壊されると、その時装備していた強化装備とクローは失われ、残機がある場合は新しい機体が続けて投入される。シールドを獲得することで一定回数破壊を回避することが可能。

難易度設定はEASY、NORMAL、HARD、MANIACの4段階。うちMANIACは、NORMAL以上でゲームをクリアしている必要がある。難易度に応じてメッセージなどには変化は無い物の、エンディングで流れる曲が変化する。 また、何れかの難易度でゲームをクリアすることで、BGMテストにおまけ曲が追加される。この中の一つに、サンダーフォースACの4面の曲が収録されている。

全10ステージ構成。前半4ステージは攻略順を自由に設定可能。一部のステージ、ボス戦に縦方向に画面を自由に移動できるシステムを採用している。敵の動作パターンが複雑で攻略パターンが無数にあり、独特の高い攻略性を実現している。ラスタースクロールを巧みに制御した演出も秀逸で、その完成度の高さから、マニアの間ではメガドライブシューティングの最高峰と称える声も高い。また、本作の物語は2部構成となっており、第1部(ステージ1~5)ではオーン帝国との最終決戦が描かれ、第2部(ステージ6~10)では新たな敵「ファウスト」との熾烈な戦いが繰り広げられる。この作品から画面奥からの攻撃などが見られるようになり、第1部終了時のドッキングシーンなど、物語性を感じさせる演出が挿入されるようになったこと等も、Vへ影響を与えている。

ゲームバランスについては、IIIで「パターン性が強すぎる」と批判を受けたことを踏まえ、各ステージの仕掛けの出現タイミングはIIIほど唐突ではなくなっている。その代わり、純粋に反射神経や操作技術を要求する局面が増えており、攻略パターンを覚えても容易には先へ進めなくなった。そのため、シューティングゲーム初心者には難易度が高すぎると、敬遠される部分もあった。 また、サンダーソードによる強力な攻撃が可能になった反面、それにより敵の硬さと自機の攻撃力のインフレが起こった事もあり、ミスで装備を失っても紙一重で突破口ができるようなゲームバランスでは無くなってしまった。

それに加え、一部の武器の使用時や状態によっては常時ゲームテンポが狂う、激しい処理落ちが発生し、ファンの間で大きく問題視された。メガドライブソニック・ザ・ヘッジホッグに代表される、(ライバル機種と比較して)処理速度の速いアップテンポなゲームを誇りとするマシンであり、それを支える技術屋の筆頭としてテクノソフトが認知されていた為である。過去作になかった大々的プロモーションと共に、この激しい処理落ちまで店頭のデモ画面などで流されてしまった結果、メガドライバー達の思わぬ買い控えを招き、当時のワゴンセールの常連ソフトとなってしまった(処理落ちの問題はサターン移植版で改善されている)。その一方で、家庭用ゲーム機でハードが「枯れてくる」と必ず見られる問題である、進化し続けるプログラム技術と表現技法の前にハードウェア側が追随できなくなる性能的な限界について、メガドライブでこれを露呈させたのも本作であるといえ、プレイヤーに次世代機(セガサターン)の登場を待望させる事になってゆく。

イングヴェイ・マルムスティーンの楽曲と全く同じリフの曲がある等、インスパイアの一言では片付けられない程の類似曲があるのも事実ではあるものの、特にギターの音色に現れる内蔵音源の能力をフルに駆使したHR/HM系のBGMは非常に重厚で、ゲーム内容と共にメガドライブ全タイトルを見渡してもトップレベルの水準にある。プレイヤーの音楽的な嗜好などによっても見方は分かれるが、Vを差し置いて本作が音楽面でシリーズ中の最高傑作であると評する者も少なくない。

[編集] ストーリー

カウ・スは打ち倒されたが、オーン帝国の勢いは衰えなかった。連邦軍は惑星アクエリアに潜伏するカウ・スのサブシステム、ヴィオスの破壊作戦を試みたが失敗に終わり、開発中であったライネックスの投入を決定する。

[編集] 機体説明

FIRE LEO-04 "RYNEX"(ライネックス)
連邦軍が開発していた次期主力超高性能小型戦闘機。
量産型STYX

[編集] 武器説明

Twin shot -ツインショット-
標準装備の前方ショット。
Back shot -バックショット-
標準装備の前後方向単発ショット。
Blade -ブレード-
強化された刃状の前方攻撃で、当たり判定が大きく敵を当てやすくなっている。
アイテムを取得する事によりツインショットと入れ替わる。
ボス「ガーゴイルダイバー」の弱点が当てづらくなる。
Rail Gun -レールガン-
バックショットの後方攻撃が2本のレーザーとなる。
アイテムを取得する事によりバックショットと入れ替わる。
Snake -スネーク-
上下に対し、絨毯攻撃を行う装備。
Free Way -フリーウェイ-
自機移動方向の逆へ扇状に5方向の攻撃を行う兵器。
Hunter -ハンター-
地形を貫通する自動追尾攻撃。
CLAW(Thunder CLAW) -クロー(サンダークロー)-
自機の周りを回り、敵弾を打ち消す(消せない攻撃もある)。
外殻があり、自機の爆破時以外は破壊されない。
主攻撃ほどの威力はないが、攻撃の補助も行う。
ゲーム後半の本体の増強と共にサンダークローへアップグレードされる。
サンダークロー装備時には、後述のサンダーソードが利用可能になる。
SHIELD -シールド-
一定数の敵からのダメージを吸収する。
赤く変色した後にダメージを受けると、消失する。
障害物に対しても効果があり、遮蔽物を通り抜けることも可能。
Thunder Sword -サンダーソード-
ゲーム後半にユニット接合のデモが有り、同時にクローの強化が成される。
サンダークローを装着した状態でショットボタンを押さずにいると、エネルギーが蓄積されていく。そして、エネルギーが一定以上溜まった状態でショットボタンを押せば攻撃が実行される。
形状は前方広範囲に突き出すプラズマの様な物であり、ボスキャラのユニットも一撃で破壊できるほどの威力を持つ。

[編集] パイロット

ロイ・S・マーキュリー中尉
銀河連邦軍104宇宙航空師団所属。ジーン大尉の親友であり、連邦軍士官学校の同級生。
キャロル・T・マース少佐
銀河連邦軍117技術情報局所属。ライネックスの開発に従事し、オーンにも詳しい。

[編集] サンダーフォースV

システムは概ねIVを踏襲。

プレイステーションセガサターンといった新世代機の時代において今ひとつ覇気のなかったテクノソフトが、『ハイパーデュエル』などいくつかのシューティングの移植作を経て、満を持してセガサターンに投入した、まさに真打といえる期待作であった。時代の流れに従い、従来のシステムを踏襲した横スクロールを基準にしたシューティングゲームでありながら、全編ポリゴンによる描画が行なわれ、ロボットアニメさながらの大型機との合体シーンや、敵艦隊、前作の機体と交戦する場面など、随所に派手な演出を採り入れている。これにより『レイストーム』、『Gダライアス』といった当時最新のアーケードゲームにも見劣りしないとの高い評価を得た。そして、セガサターン専門誌セガサターンマガジンの発売中の全サターンソフトのユーザーランキングで、当時低迷しつつあったシューティングというジャンルにも関わらず、他のジャンルの秀作を差し置いて6週連続1位に輝く栄誉を手に入れた。これは後にプレイステーション移植版を発売する時の、大きな宣伝文句となった。

ゲームシステムの面では、全ての武器において、特定のボタンを押すことでクロー(自機を補助する光球)の耐久力を消耗し強力な攻撃を行なえる「オーバーウェポン」が導入された。また、敵を早く倒すことで獲得スコアが最大16倍まで上がる「ハイテンポボーナス」と、敵、敵弾、障害物を寸前で避けることでスコアが加算される「スクラッチボーナス」を採用。これにより「敵弾をギリギリで避けつつオーバーウェポンで素早く敵を倒し、ハイスコアを狙う」というプレイスタイルが生まれ、爽快感と緊張感を増幅させることに成功している。

このほか、当たり判定がある地形がほとんど出現しなくなったのも大きな変更点といえる。そのため、前作までと比較すると、地形を利用した仕掛けはかなり少なくなってしまった。ただし、敵の種類や攻撃パターンを豊富に用意したり、背景グラフィックの演出に力を入れるといった工夫がなされ、極力単調さを感じさせない構成になっている。

本作では、大幅な見た目の変化に対し、演出、BGM等に旧作由来の物を多く取り入れ、シリーズとの関連をイメージさせる事に成功している。 また、旧作に限らない、アニメ、ゲーム、映画作品からのオマージュと思しき表現が多数見られる。 特に顕著なのが、最後のガーディアンの遺した一言であり、他にも、キャラクターの動き、デザイン、演出等にも反映されている部分が多々ある。最後の敵とタイトル、移植ターゲットとサブタイトル等の遊びも隠されている。

尚、旧作の曲のうち、本作で使われている、曲、フレーズは下記の通りである。

「Legendary Wings」(1面)
「III」の1面BGM「Back to the fire」のテーマ部を曲の終半に挿入
「Attack Point 2」(『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』で追加)
「II」の1面BGM「Knights of legend」を編曲
「Duel of Top」(5面ボス)
内容にふさわしく「IV」のオープニングBGM「Lightning strikes again」のテーマ部を繰り返し
「Record of Fight」(番符の名前入力(1位))
「III」の7面BGM「Hunger made them desperate」のテーマ部を繰り返し
「Tan.tan.ta.ta.ta.tan」(番符の名前入力(1位以外))
「II」では開始時、「IV」ではオプション画面のBGMで、ほぼそのままで少し編曲した程度
「Dead End」(ゲームオーバー)
「III」と「IV」でもゲームオーバー曲で、ほとんどそのまま

旧曲を再活用した曲も新しい曲もサンダーフォースシリーズ史上1、2を争う名曲群と言われ、アレンジされたサウンドトラックなども登場している。 Vの高く評価される点として、九十九百太郎による爽快なこれらの楽曲が挙げられる。

起動時間3時間につきコンティニューが1回追加される。

エンディングはマルチエンディングになっており、最終ボスをハイテンポボーナス期間内に撃破できるかどうかで分岐し、制限時間内での撃破が真のエンディングに当たる。 難易度にかかわらず、真のエンディングでクリアすると、FREE CONTINUEがオプションでメニューに追加される。 HARDを真のエンディングでクリアすると、難易度にMASTERが追加される。

他方、この時代のシューティングゲーム全般に見られた、難易度が青天井さながらに上昇している状況はこの作品にも及んでおり、IVと比較して難易度は大幅に上昇、それまでの作品をクリアしてきた者の中にも途中で挫折してしまう者が多く見られた。また、自機が使用できる武器のうち「FREE RANGE」の性能が突出して高く、ほとんどの敵をこれ1つで撃破できてしまうことから、武器性能のバランスについても疑問視する声が多いが、シーンごとに武器の使い場所は用意されている。ボスキャラクターにも多彩な攻撃が実装されているが、同兵器の存在により見る機会は減っているといえる。 また、FREE RANGEの強力さは多くの人が遊びやすいレベルまで難易度を下げるほかに、ハイテンポボーナスと合わせ、敵を撃破する楽しさを生んでいるとも言える。これらによりゲームとしての難易度を物足りないと感じるユーザーにはFREE RANGEを封印するなどしてプレイする者もいる。

[編集] 機種間の相違点

プレイステーション版『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』には、以下の変更点が存在する。

・オープニングムービーの変更。
・5~6面間にムービーの追加。
・エンディングの演出の変更。
・コントローラーの振動機能対応。
・全体的な処理落ちの改善。
・ボスのデータ、CG、ストーリーテキストが見られるデジタルビューアモードの追加。(内容の一部はサターン版のCD-ROMにも収録されており、PC等で直接ファイルを参照することにより見ることが出来る。)
・各ステージのボスの撃破タイムを競うタイムアタックモードの追加。
・ランキングにタイムアタックモードの表示を追加。
・自機に隠し機体の追加。
・スコアの最大桁数の増加。

そのほか、

・ReffiのVersionが、1.02から1.03へ(デジタルビューアでは1.04)。
・各ステージの背景エフェクトの省略/変更。
・Waveが半透明機能で実装されている。

等もある。

セガハードユーザーの本シリーズへの思い入れもあってか、評判としては両バージョンを知るものにはセガサターン版の方が完成度が高いと語られる傾向にある。

[編集] ストーリー

人類外によって建造された戦闘兵器、“Vasteel”を発見した人類は、その技術を用いて機械郡が開発を行う大型無人人工島「バベル」と人工知能「ガーディアン」を建設した。西暦2150年、突如「ガーディアン」は人類からの独立と宣戦を布告。「ガーディアン」破壊のため特殊戦闘機部隊“Thunder Force”が結成された。

[編集] 機体説明

RVR-01 "GAUNTLET"
“Vasteel”の設計を模倣する形で開発された超高機動小型戦闘機。RVRとは「Refined Vasteel Replica」を意味する。カラーリングは青。
RVR-02 "VAMBRACE"
現人類が持つ技術と“Vasteel”を融合させて設計、開発された機体。
RVR-02B "BRIGANDINE"
RVRシリーズの機体に支援強化ユニット“Brigandine”を接合したもの。巨大重力圏の突破やオーバーウェポンの恒常的使用が可能。
RVR-01E
『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』でのみ使用できる機体。量産型モデルのため攻撃力が低いが、獲得スコアが通常より多い。カラーリングは緑。
RVR-01HiS
『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』でのみ使用できる機体。機動性を重視したモデルで、移動スピードが速い代わりにクローの耐久力の回復が遅い。カラーリングは赤。
RVR-01Ex
『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』でのみ使用できる機体。量産性を犠牲にし機体性能を高めたモデル。圧倒的な攻撃力を持つがクローを2つまでしか装備できず、移動スピードも遅い。カラーリングは黒。

[編集] 武器説明

TWIN SHOT
GAUNTLET標準装備の前方ショット。
BACK SHOT
GAUNTLET標準装備の後方ショット。
BLADE
VAMBRACE標準装備の前方ショット。旧作RYNEXの装備を継承。
RAIL GUN
VAMBRACE標準装備の後方レーザー。旧作RYNEXの装備を継承。
WAVE
広範囲レーザー。威力は弱い物の、遮蔽物を貫通するため、遮蔽物の裏も攻撃することが可能。
FREE RANGE
指定範囲に破壊可能物が入った場合、ホーミングするレーザー装備。
範囲は360度回転させることが出来、ショットボタンで向きを固定できる。
攻撃可能枠にはさらに仕切りがあり、自機との距離が近いほど攻撃力は増加する。
HUNTER
誘導弾。ファイアーレオシリーズとは違い貫通しない。
CRAW(Constituted Ray Art Weapon-Unit)
旧作と異なり、外装は存在しない。
敵弾を相殺することが可能な自機の周りを回転するユニット。
本作ではユニットの耐久力をオーバーウェポンとして攻撃力へ変換出来るようになっている。
オーバーウェポンを使用すると色が青→緑→赤と変化する。
赤く変化した状態で敵弾を受けると消滅する。
SHIELD
バリア。敵からの攻撃を防御する。

[編集] パイロット

セネス・CTN・クロフォード
特殊戦闘機部隊“Thunder Force”の隊長。

[編集] サンダーフォースVI

サンダーフォースの元スタッフが集まり、雑音工房にてサンダーフォースVIを製作・開発していたが、途中で頓挫してしまう(ドリームキャスト用にオープニングムービーは製作、発表されていた。これにはテクノソフトの記載もあり、正式なVIと思われる。)。

[編集] 復刻版

  • 1996年8月27日 - 『サンダーフォースゴールドパック1』 セガサターン
  • 1996年12月6日 - 『サンダーフォースゴールドパック2』 セガサターン
  • ゴールドパック1はII MDとIII、ゴールドパック2はACとIVを収録。
  • 難易度をより下げて遊べるモードや、アレンジサウンド、オリジナルムービーも収録されている。またMD版IVの欠点であった激しい処理落ちは、ゴールドパック2収録のものではほぼ解消されている。さらにゴールドパック2ではACの機体でIVをプレイできる裏技がある。この場合、サンダーソードは利用できない。
  • 全体的に音関連での再現度が今ひとつであった。ゴールドパック1では音楽をCDDAを使用して再現していたが、曲がループするときに途切れてしまう点と、効果音が大量に削除されている点(特にII)がユーザーの不興を被った。ゴールドパック2では音楽は内蔵音源での再現となり、ループ時に途切れることはなくなったものの、ボス警告音などのSEに迫力が無くなった。なお、MD版IVにあったおまけ曲(ゲームクリア後にサウンドテストで聴ける)は削除されている。
  • ゴールドパック1に収録されているIIIは、なぜか敵ボスの耐久力が半分程度になっている。

[編集] 二次創作品

[編集] BROKEN THUNDER

サンダーフォースV以降の物語をFactory Noise&AGが独自に創作した二次創作ゲーム。


[編集] 詳細

サンダーフォースVIの開発が断念された後、サンダーフォースVIで使われるはずだったBGMが「サンダーフォースVI BROKEN THUNDER」というタイトルでFactory Noise&AGから同人流通音楽CDとして発売された。後にFactory Noise&AGはブロークン・サンダー・プロジェクト・サンダーフォースVIと言う名前の企画を発表、2007年5月3日にwindows用のゲームが発売された。

しかし、製品に「元々パッチによるアップデートによる更新を想定したもので、今後はアップデートを予定している」という旨のテキストが同封されており、公式ブログで「未完成」と告知するなど内容が不充分なまま発売したため、誤解と混乱を招いた。購入者の「未完成と知っていたら購入しなかった」という訴えから、希望者への返金作業が行われ、販売委託をしていたとらのあなは販売を停止した。(関連:『BROKEN THUNDER』一時販売停止に関するお知らせ。)。

BROKEN THUNDER発売直後はFactory Noise&AGが郵送により返金受付けを行っていたが、アップデートの中止発表に伴い、とらのあな全店で2007年7月から一ヶ月間の返金が行われた。

[編集] 良く間違えやすい誤解

BROKEN THUNDERは、サンダーフォースの設定を引き継いでいるが、製品には著作元であるテクノソフトや著作物であるサンダーフォースの表示がされていない。

「サンダーフォースVI BROKEN THUNDER」というタイトルの音楽CD、Factory Noise&AGの「ブロークン・サンダー・プロジェクト・サンダーフォースVI」のプロジェクト名や、委託販売していたとらのあなの宣伝で、BROKEN THUNDERはテクノソフトによるシリーズの続編と誤解を持つ人が多い。

[編集] 小説

2006年9月末にとらのあなで配布されているフリーペーパーに、連動企画である「BROKEN THUNDER CONSTRUCTION」の題が付いた小説が4月26日まで連載されていた(関連:執筆者の貴島吉志のブログ)。

[編集] 設定

FIRE LEO-05 SYREX VC
サンダーフォースIVの機体に基づいている。IVの最終兵器サンダーソード(改造型)が通常武器として装備。
RVR-03G1 BRACER
サンダーフォースVの機体に基づいている。Vの特殊兵器オーバーウェポンが使用可能。
RVR-03G2 BROKEN THUNDER
ステージ5で強制的に機体変更され使用可能。武装は上記二機の武装が全て使える。

[編集] 制作スタッフ

外部リンクを参照[1]

※スタッフの内、実際にテクノソフトでサンダーフォースシリーズの開発に関わっていたのは、BGM担当の山西利治と九十九百太郎だけである。

[編集] THUNDER FUTURE

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

サンダーフォース及びテクノソフトとは関わりの無い「Garow」が制作している二次創作作品である。

なお、テクノソフトが開発していたサンダーフォースVIに登場を予定していた「SYRINX」は、彼が作ったものである(セガガガでは登場している。また、サンダーフォースVIのムービーに関しては多少関与している)。

[編集] 音楽

ほか、IIIでは新井直介(Yunker Matai)が、IVでは九十九百太郎が編曲に参加した。

メガドライブで発売されたIIIとIVは、ハードウェアの内蔵音源で高品質なエレキギターの再現を行いDTM界隈の話題となった(VはMIDI音源ローランド SC-88Proによる外部録音のストリーム再生)。

しかし「IVのディストーションギター音色の作り方を古代氏に聞かれた」などと語っていた九十九は、IVには実はほぼ関与していないという山西・吉田両音楽担当の告発があり、虚言を弄したという理由で九十九の所属する「雑音工房Noise」は活動を一時停止。その後、名称を「NoBrandSounds」と改め、その後、「Factory Noise&AG」になったが、BROKEN THUNDER発売後に事実上解散。その後、九十九は株式会社マカロンボックスを興している。

[編集] その他

テクノソフトが表舞台から消滅した後、Vの音楽担当である九十九百太郎らが雑音工房Noise、NoBrandSoundsでのサークル活動の一環として『サンダーフォースVI』を同人ゲームの分野で開発していたが中断。2005年には規模を縮小し、Vのアレンジアルバムとして『Lost Technology』を発表。事実上サンダーフォースVのサウンドトラックであるが、独自のコピーアルバムとして同人専門店で取り扱われていた。 後に、『Factory Noise&AG』からも再発売され、曲を追加した物が『Lost Technology+』としても再販された。

サンダーフォースIの作者は、II発売前に退社。アルシスソフトウェアを興している。

また、サンダーフォースII/IIIのスタッフの一部はPCエンジン用ソフト『ゲートオブサンダー』『ウインズオブサンダー』、セガサターン用『バルクスラッシュ』等のシューティンゲームソフトを制作しており、ゲームも若干の類似点を持つ。

システムサコム製の『ソフトでハードな物語2』では、パロディーとして、作中に「サンタフォース2」というゲームが登場し、BGMは、サンダーフォースIIのパロディーになっている。

極上パロディウス』のスペシャルステージのボスキャラクタは、IIIのHYDRAステージのボスのパロディーと思われる動きを見せる。

Vをベースとしたクローンゲームとして『AquaCube』が存在する。

2008年時点において、版権はテクノソフトの関係者が有している。

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