コーシーの収束判定法
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コーシーの収束判定法(―のしゅうそくはんていほう、root test) とは、無限級数の収束性を判定する方法である。とりわけ、冪級数に関連することに有用である。「コーシーの収束判定法」という名前は、これを最初に発見したオーギュスタン=ルイ・コーシーに由来する。
("lim sup" は上極限を意味する)とするとき、C < 1 であれば級数は収束し、C > 1 であれば発散する。C = 1 ならば、この判定法ではどちらとも言えない。もし、級数の項が c を中心とする冪級数
の係数であれば、この冪級数の収束半径は 1/C である。これは、0 の逆数として考えた ∞ も含む。
[編集] 証明
証明は、比較判定法を利用したものである。もし、全ての に対し ならば、an < kn < 1 が成立する。比較判定法より、幾何級数 が収束すれば、 もまた収束する。
もし、 ならば、 と比較して級数は発散する。an が非正である場合の絶対収束性は、 を用いれば同様にして証明できる。
[編集] 関連記事
[編集] 参考文献
- Knopp, Konrad (1956). “§ 3.2”, Infinite Sequences and Series. Dover publications, Inc., New York. ISBN 0486601536.
- Whittaker, E. T., and Watson, G. N. (1963). “§ 2.35”, A Course in Modern Analysis, fourth edition, Cambridge University Press. ISBN 0521588073.
この記事は、GFDLライセンスに基づくPlanetMathの記事、Proof of Cauchy's root test を資料として取り入れています。