コロッケ
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[編集] 概要
ホワイトソース(ベシャメルソース)や茹でたジャガイモを潰したものを俵型や小判型に丸め、小麦粉、卵、パン粉を衣としてつけ、ラードや食用油で揚げたもの。挽肉や蟹肉など魚介類やタマネギのみじん切り等野菜を加熱し混ぜる場合が多い。
現在の日本では、コロッケは一般的な家庭の味となっている。ウスターソース等をかけて食べる洋食料理であり、精肉店で持ち帰り用惣菜として販売されている極めて庶民的な惣菜でもある。揚げたてが格段に美味しく、1960年代以前は子供が揚げたてのコロッケを買ってその場でおやつに食べる風景も見られた。
豚カツなど他のカツレツ、フライ料理と同種の料理法だが、既に中身に火が通っているため二度揚げする必要はない。
コロッケ用にはでんぷん質な男爵イモが食味の点で適している。肉をアピールするときはミートコロッケ、じゃがいもをアピールするときはポテトコロッケと呼ぶこともあるがほぼ同一のものである。その他のバリエーションには、グリーンピースやニンジンなどを混ぜた野菜コロッケ、ジャガイモでなくカボチャを用いて甘味を持たせたカボチャコロッケもある。ホワイトソースを使ったものはクリームコロッケと呼ばれ、「カニクリームコロッケ」、「えびクリームコロッケ」、「コーンクリームコロッケ」など具材の名が冠されることもある。
豚カツ同様、盛り付けの際に千切りキャベツを付け合わせとして盛ることも多い。
コロッケ単体ではなく、料理に加えて使用する例も多々見られる。たとえば、コッペパンなどに挟んだサンドイッチはコロッケパン、蕎麦やうどんにコロッケをのせたものはコロッケ蕎麦・コロッケうどん、カレーライスにのせたものはコロッケカレーと呼ばれる。
日本のイタリア料理店でライスコロッケと呼ばれる米のコロッケは、シチリア名物のアランチーニen:Aranciniという料理である。
[編集] 歴史
日本にどのようにコロッケが登場したかは、あまり明らかになっていない。
「コロッケ」の起源の有力説として、フランス料理の付け合せであったクロケット(仏:croquette)起源説がある。フランスのクロケットはミンチにした魚肉やとり肉などを混ぜたクリームコロッケに近い物が主流である。ただしジャガイモをつぶした物にパン粉をまぶして揚げて作ったクロケットのレシピも見いだされる。
またオランダにもクロケット(kroket)と呼ばれる料理があり、こちらはホワイトソースでできたもののほか、ジャガイモで作られたものもあり、ジャガイモコロッケの起源ではないかとの憶測があるが、フランスからオランダにクロケットが伝播したのが1909年とされ、日本のコロッケの普及時期に比するとオランダ伝来と考えるだけの信憑性は薄い。(en:Croquet (food))
小説家、村井弦斎が明治36年(1903年)に発表した当時の大ベストセラー「食道楽」ISBN 4-003117-51-4にコロッケのレシピが掲載されている。
日本におけるコロッケの普及には、カレーライス、肉じゃがと同様、大日本帝国海軍の糧食として採用され、艦艇乗組員の間で人気のメニューになったことが大きいともされる。特に、戦前に大湊警備府があった青森県むつ市では、北海道の道南で栽培された男爵イモで作ったコロッケが『海軍コロッケ』の元祖であるとして、横須賀のカレー、舞鶴や呉の肉じゃがに対抗して、コロッケによる街興しを行っている。
1917年には益田太郎冠者[1]の作詞した『コロッケの唄[2]』が大流行し、大正時代にはカレーライス、豚カツと並び三大洋食として既に人気があったとされる。
2002年、ヤヨイ食品の企画によりコロッケのキャンペーンソング「コロッケのうた」(作詞:礼空トオル、作曲:青木隆、歌:やよいちゃん)がシングルCDで発売された。2003年2月時点で売上4000枚(日本経済新聞 2003年2月22日夕刊)。
[編集] 冷凍食品
揚げる寸前のコロッケを冷凍し、揚げるだけの状態にして売られており、簡単に作る事が出来る。冷凍食品の売上No.1を記録していたが、冷凍うどんに追いつかれそうである。
凍ったまま揚げてしまうと外側の衣部分と内側のジャガイモ部分との温度差により破裂したり、解けかかったコロッケをうっかり箸でさわってしまい、中身が出てきてしまう失敗をする可能性がある。これを避けるには、大量のコロッケを入れると油の温度が下がるため適量を入れるようにする事。または凍ったコロッケを電子レンジで解凍加熱して、揚げるときは衣の色をつけるだけにするとよい[要出典]。
近年は健康やダイエットの面から油の使いすぎを考慮し、オイルスプレーで油をかけオーブントースターやオーブンで焼き上げる方法もとられる。また、電子レンジで温めるだけで、カリッと揚げた食感を再現できる冷凍コロッケも開発されている。