ギャロップレーサー
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『ギャロップレーサー』(Gallop Racer)は、テクモが製作・販売している競馬が題材のゲームおよびシリーズの名称であり、業界初の3Dジョッキーレースゲームである。略称は英単語の頭文字をとってGR。
プレイヤーは騎手となり、競走馬(GR8では5000頭以上)に騎乗し勝ち抜いていき、用意された様々なイベントをこなしていくのが基本である。条件を満たすと、外国の馬や、過去の名馬に騎乗できるようになったり、外国のレースに騎乗できるようになる。
初期の作品では、たとえ馬群から10馬身以上はなされていても、能力の高い馬であれば追い込んで勝つことができるほどのゲームバランスであったが、作品を重ねるごとに現実の競馬に近づいていき、実際に騎乗しているような感覚で楽しめるような仕上がりになってきている。6作目以降は特に顕著にその傾向がでている。
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[編集] 過去の作品
[編集] プレイステーションで発売のタイトル
- ギャロップレーサー(1996年9月27日発売、6090円(税込))
- 記念すべきシリーズ処女作。それでいながらシャドーロールやメンコなどを忠実に再現し、勝負服も豊富なパターンバリエーションを取り揃え、オリジナルの勝負服を作り出すことも可能であった。いまのGRの風習からはありえないほど脚質パターンが細分化されている[1]。ドバイワールドカップや凱旋門賞などの海外大レースもしっかりと配置し、競馬ファンのハートをつかんだ。また、そのハイパーサウンドはいまでも人気が高い。
- ギャロップレーサー2(1997年11月20日発売)
- シリーズ2作目。待望の対戦機能が追加され、友達同士で楽しめるようになったのもこのシリーズから。競走馬データも97年度仕様にモデルチェンジし、女傑・エアグルーヴや天才・バブルガムフェロー、快速馬・サイレンススズカなども使えるようになった。ゲームバランスも煮詰めなおされ、10種類あった初代の脚質は単純に「逃げ・先行・差し・追い込み」の4種類に改められた。またFH(フリーハンデ)で馬の強さを量るシステムもこのシリーズが最初に導入した[2]。
- ギャロップレーサー3(1999年3月18日発売)
- シリーズ3作目。さらにゲームバランスを煮詰め、グラフィックもより流麗になった。FHシステムは馬ごとに上限値が設けられた[3]。さらに「オリジナルホースシステム」を導入し、「自分の馬を作る」ことができるようにしたのもこのシリーズが最初である[4]。競走馬データも99年度仕様に更新され、スペシャルウィークらが使えるようになった。コンディションシステムを内蔵したのもこのシリーズが最初である[5]。ポケットステーションとの連動でオリジナルホースの交換をしたり、オプションから馬名エディットもできる。
- ギャロップレーサー2000(2000年2月17日発売)
- シリーズ4作目でありPS版の集大成。ナビゲーターに「川崎弥生(かわさき やよい)」が登場した。オリジナルホースシステムはさらに洗練され、ホースタイトルやアビリティの既成概念が仔の能力に大きく起因するようになる。競走馬データを2000年度仕様に一新。テイエムオペラオーやエアシャカールらが使用可能になった。また騎乗依頼システムもこのシリーズを皮切りに投入した[6]。
[編集] プレイステーション2で発売のタイトル
- ギャロップレーサー5(2001年3月29日発売、7140円(税込))
- PS2移植第一号。ハードの性能をフルに引き出し、より滑らかに、より鮮やかなグラフィックに進化を果たした。実際の競馬により近くなったのも特徴であり、18頭フルゲートになったり、きわどい勝負の際には写真判定が用いられて着順を明らかにしていた。ナビゲーターは引き続き川崎弥生が担当。発売当初はiモードやネットワークとリンクすることが可能で、最新の競走馬データをダウンロードすることが可能であった。とはいえ素でも2001年度の最新データを内包しており、新たにメイショウドトウやテイエムオーシャンらが使用可能になった。
- Gallopracer6 -Revolution-(2002年12月12日発売、7140円(税込))
- シリーズ6作目。これまでのとはイメージをガラリと変え、いままでの「お手馬>騎乗依頼」から「お手馬<騎乗依頼」のゲームバランスに変更がなされた。またレース中にさまざまなアビリティを発動させることができ、レースの展開を有利にも不利にも働かせることができる。さらにムチケージやレボリューションのシステムもこのシリーズが最初に導入した。キャラクターの大量追加も行なわれ、個性豊かなジョッキーと調教師とのやりとりにも注目。2002年度の最新データを搭載しており、ノーリーズンやファインモーション、シンボリクリスエスらが使用可能になった。
- GALLOPRACER LUCKY7(2004年2月19日発売、7140円(税込))
- ギャロップレーサー8 ライヴホースレーシング(2005年12月15日発売、7140円(税込))
- Gallopracer Inbreed(2006年11月2日発売、5040円(税込))
- ギャロップレーサー生誕十周年を記念し、前々作「LUCKY 7」、前作「ライヴホースレーシング」の2作が2006年度最新データ版となって1本になったソフト。
[編集] Microsoft Windows XPで配布予定のタイトル
- Gallop Racer ONLINE (2007年8月28日正式サービス開始)
[編集] オリジナルホース(マイホース)
GR3から、自分の操作している馬を引退させた際に繁殖入りをさせられるようになり、牡馬・牝馬各1頭あれば自分だけのオリジナルホースをつくることができる。つくられた馬の能力は、馬そのものの能力と戦績が加味されて決定される。
当初、このシステムは既存の競馬ゲームで生産の際に考慮する「血統」の概念を必要とせず、単純に馬同士の能力を組み合わせる「合体」に近いものであった。また3では生産される馬の能力にかなりのばらつきがあったが、2000からはその振れ幅は少なくなっている。
オリジナルホースの生産の基礎は2000で完成を迎えたが、6以降からそこに血統の概念が導入されて、自分なりの最強馬を生産するのは一層困難になっている。
なお、8から名称が「マイホース」に変更された。
[編集] 脚注
- ^ 逃げや追い込みなどの極端なものはともかく、先行や差しになると8種類と言われているだけに、位置取りが難しかったりする。
- ^ 勝てば勝つだけFHは増えてゆき、なかには99.0(FHの最高値)になった例も報告されている。
- ^ 値段が高い馬ほどFHは高めに設定される。また、馬ごとに設けられた上限値は「FREE MODE」でチェックすることができる。
- ^ オリジナルホースの強さは単純にFHによって決められる。また、底力や気性などは父と母の能力を足して2で割ったものが算出される。さらにメンコやシャドーロールなどをつけることができ、色も選べる。
- ^ 例えば1レースを走ると、3~4週間待たなければコンディションが回復しないため、2までのムチャクチャな連続出走が難しくなった。
- ^ 一定の騎乗数をこなしたり勝利数を稼いだりすると、弥生から騎乗依頼の打診が来る。1999年度までの名場面・名勝負を忠実にフィードバックさせた仕様となっており、クリアすればその馬がHORSE SHOPに登場。購入できるようになる。