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カプール - Wikipedia

カプール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カプール (CAPULE, KAPOOL) は、テレビアニメ機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の兵器。ネオ・ジオン水陸両用モビルスーツ(MS)である。(型式番号:AMX-109 あるいは AMX-010


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] カプール

機体諸元
カプール
型式番号 AMX-109
(AMX-007, AMX-010)
所属 ネオ・ジオン
建造 ネオ・ジオン
頭頂高 16.5m
本体重量 38.7t
全備重量 57.5t
ジェネレーター出力 3,680kW
スラスター推進力 6,800kg
センサー有効半径 (大気中)12,300m
(水中)7,600m
装甲材質 ガンダリウム合金(二重装甲)
武装 アイアンネイル×2
レーザービーム
ソニックブラスト
ミサイル×8
主な搭乗者 タマン(ネオ・ジオン傭兵)

[編集] 機体解説

一年戦争時の水陸両用機MSM-03Cハイゴッグの発展型[1]。水流抵抗が小さく耐圧性に優れる球形の機体は非常に高い水中運動能力を発揮し、水中移動時には手足部を機体内に収納し巡航形態となる。

カタログスペック上では過去の水陸両用MSを凌駕するが、海のない宇宙要塞アクシズ内で作られたと言う理由から、地球に残留していた正規兵は水中用MSとして信頼しておらず、連邦製のザク・マリナーの方を好んで使用した。ハイゴッグの改装機であるとする資料も一部にある[要出典]

原型機ゴッグでメガ粒子砲を装備している腹部には似たレイアウトでソニックブラストを、更にミサイルが8基装備されている。また、球体を基本にした装甲形状は唯一ハイゴッグが原型機ゴッグに劣る装甲強度の改善策であった可能性もある[要出典]

ジオン製水陸両用MSの伝統である徒手格闘戦能力は本機にも受け継がれ、アイアンネイルはガンダリウム合金製の装甲をも貫通できたとされる。

[編集] 劇中での活躍

第24話「南海に咲く兄妹愛」に登場。

新型であるはずのカプールは、ネオ・ジオン傭兵である漁師の少年タマンに預けられた。しかし、体よく正規兵の弾除けに使われているタマンの姿に耐えられなくなったタマンの妹アヌと、その声にほだされたジュドー・アーシタに説得されたタマンは我に返り、カプールを乗り捨てて正規兵たちに特攻自爆させ、アヌと一緒に漁師に戻った。

森田崇の漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』では、フェアトン・ラーフ・アルギスの搭乗機であり、銀色に塗装されていた。また、水陸両用MSながら宇宙空間での運用も可能であった。数々の転戦したのち宇宙世紀0088年10月にエゥーゴによるアクシズ侵攻への防衛作戦に参加し、パイロットごと行方不明になっている。

[編集] 備考

ラフデザインは出渕裕で、クリンナップは佐山善則。アニメ企画時の名称はズパング。型式番号は放送当時、AMX-010とするものも多く見られたが、AMX-007(バンダイの雑誌「模型情報」)と表記されたこともある。AMX-007はガザEが存在するため現在では問題があるが、AMX-010はほかに存在しない。


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[編集] カプールのバリエーション

[編集] カプールMk-II

カプールMk-IIは、バンプレストゲームヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』に登場する水陸両用MSである。カプールの強化型で、外見に差違はないものの全体的に能力が向上している。このゲームには他にもウルトラマンの怪獣や仮面ライダーの怪人に「2世」や「改」等を付けて強化版の雑魚キャラクターとして登場させている。

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[編集] カプールヴォーゲ

カプールヴォーゲは、バンプレストのゲーム『ヒーロー戦記~プロジェクトオリュンポス~』に登場する水陸両用MSである。カプールMk-IIの強化型で、外見に差違は無いものの全体的に能力が向上している。ヴォーゲとはドイツ語で「大波」を意味する。

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[編集] カプル

カプル (KAPOOL) は、アニメ『∀ガンダム』に登場するイングレッサ・ミリシャのMSである。(型式番号:AMX-109

[編集] 機体解説

機体諸元
カプル
型式番号 AMX-109
所属 イングレッサ・ミリシャ
頭頂高 15m弱
ジェネレータータイプ MY(ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉)
ジェネレーター出力 3,680kW(推定値)
装甲材質 ガンダリウム合金(二重装甲)
武装 レーザービーム
ソニックブラスト
ミサイル×8
ハンドガン
自走式高射砲 他
主な搭乗者 ソシエ・ハイム
メシェー・クン

アメリア大陸イングレッサ領ビシニティ近郊のアーク山にあるマウンテンサイクルから多数発掘され、イングレッサ・ミリシャの戦力として用いられた。その外見は『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場したネオ・ジオンの水陸両用MS「カプール」そのものだが、機体のサイズが異なる。マウンテンサイクル下でナノマシンによる再生が行われる際に何らかの理由で変更が成されたという説や、後世制作されたレプリカであるとも言われている。

カプール同様に変形も可能で、水中でその真価を発揮するが、当初その事に気付かれる事はなく、もっぱら陸戦用の兵器として使用され、水中巡航形態も輸送時に貨物列車に搭載する際の圧縮形態として利用されていた。特に大掛かりな改修を施すことなく、宇宙でも運用可能だった様である。

コクピット内部もカプールそのままの形状(第2世代MS以降の標準的な物)を再現しているが、何故か正面左右以外のモニターパネルが表示されないため、全天周囲モニターとはなっていない。コンソールのデータベースに「KAPOOL」と書かれていたために、ルジャーナ領で出土し領主ボルジャーノ公の名前に因みボルジャーノンと呼ばれたザクとは異なり、元のカプールとさほど変わらない発音で呼ばれる様になった。

[編集] 武装

データ上はオリジナル機同様、レーザービーム、ソニックブラストを備えているが、実際に使用された例は、少なくとも劇中では無い。実体弾のハンドガン、自走式高射砲はミリシャでの発掘後に新たに追加された武装である。ハンドガンの形状は、かつてカプールと同じくネオジオンで開発されたドライセンの物と形状が酷似しているが、こちらはビームガンだったため、カプルのデータベース上にあった物をミリシャが形状だけ似せて新たに作り直した可能性が高い。

マニピュレーターは爪状のため、手持ちオプションの互換性は極めて低いが、劇中終盤ではハイパー・ハンマー等も使用していた。また、ミサイルポッドは肝心のミサイルがないために無用の長物だが、ソシエ機、コレン機ではロケット弾を搭載して使用していた。また福井晴敏の小説版『月に繭 地には果実』では手榴弾として用いる爆薬入りの樽や高射砲の砲弾を収納するスペースとして活用されていた。

[編集] 劇中での活躍

本来はネオ・ジオン軍の地球進攻作戦用にスペースノイドの手によって小惑星アクシズ内で開発されたカプールだったが、『∀』の作中でのカプルはボルジャーノン同様地球側の主力として運用された。飛行機乗り程度の操縦技術があれば動かす事が可能であったらしい。ディアナ・カウンター(主にフィル・アッカマン)には「ボール人形」と呼ばれ、作中序盤ではよく戦闘時にウォドムに足蹴にされるなどして転がっていた。主にこの機体に搭乗したのはソシエ・ハイムやメシェー・クンなど。特にソシエの使用した機体は、ボルジャーノンバズーカで敵機に殴りかかったり、ハイパー・ハンマーを振り回したり、崖の上やギャロップのハッチで膝を抱えて座り込む等ユニークで愛嬌ある行動が多く見られた。なお、この「膝を抱えて座り込むカプル」はSDガンダムでのカプールのイラストがルーツと推測される。

[編集] 備考

『∀ガンダム』に登場させたのは、「『ZZ』当時に発売されなかったカプールのプラモデルが欲しいから」というスタッフの個人的な欲求による。その思惑通り「モビルカプル」の商品名で1/144スケールのプラモデルが発売された。

設定資料は新規に描き起されたボルジャーノンやズサン、ギャロップ等とは異なり、基本的に『ZZ』時代のカプールの画稿をトレースし、部分的にディテールを省略したものがカプル用の資料として充てられた。

ところが、プラモデルではカプール用の画稿を基に設計されたため、本編でのカプルとは若干細部が異なっている。この1/144カプルはカプールの比率に換算するとMOBILE SUIT IN ACTION!!サイズにほぼ相当するため、『ZZ』当時の指定色で塗装すれば、同シリーズのフィギュアと一緒にカプールとして遊ぶ事もできる。なお、作画ミスによるものと推測されるが、劇中には細部がカプールのままのカプルも登場している。

デザイナーの出渕裕は「色がハロと同じになった」と喜んでいた。

水中モードの形から、スタッフ間ではバボちゃんと呼ばれていた。それもあって、第31話ではその名にふさわしい活躍をさせられた。

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[編集] カプルのバリエーション

  • AMX-109 カプル
    • 作業用カプル
    • コレン・ナンダー専用カプル

[編集] 作業用カプル

カプルはディアナカウンターとの開戦当初には複数発掘された為、一部の機体の腕部をクレーン等に換装して発掘作業等に従事させた物が劇中にて確認出来る。

[編集] コレン・ナンダー専用カプル

ディアナ側についたコレン・ナンダー専用機としてかつてのシャア専用機を連想させる角飾りの付いた赤いカプルが登場している。設定画や49話で登場した時はツノは無かったが、翌週の最終話ではツノがついていた。コレンがディアナの元へ参上した際に、妙なこだわりがあったのかハリーから親衛隊用機であるスモーの提供の申し出があったがそれを断り、ミリシャで使用していたカプルをディアナ・カウンターに決戦に間に合うように徹夜で改造させた機体である。最終的にはソシエらのカプルと三機連結し、文字通り「三倍の出力」を出していた。右腕にウォドムの巨大な手首が追加されており、ロケットパンチとして打ち出す事が可能である(射出後の基部にはボルジャーノン用の手首も見える)。また、かつてコレンがイーゲルに持たせていたミンチ・ドリルも携帯する。

ちなみに、コミックボンボン掲載のコミック版では、準備台本を基に執筆されているというスケジュールの関係上、代りにガンダムアスクレプオスが登場している。

なお、小説版『月に繭 地には果実』ではソシエ機の描写として、父の仇を討つ復讐の意図をもって赤く塗装されていたという記述がある。

『シャア専用機を連想させる角飾りがついた赤い機体』の為、「スーパーロボット大戦α外伝」では、クワトロ・バジーナ(シャア)がこの機体に関する質問をされたり、あるシナリオでクワトロにこの機体に乗せると、それに関して発言したりするイベントが発生する。

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[編集] 参考文献

[編集] 脚注

  1. ^ バンダイ『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.1』参照。

[編集] 関連項目


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