オリビエ・ポプラン
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オリビエ・ポプラン(Olivier Poplin)は、銀河英雄伝説の登場人物。
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[編集] 概要
単座式戦闘艇「スパルタニアン」のパイロット。空戦の天才であり、ハートのエースの称号を持つ。
[編集] 略歴
宇宙暦771年生まれ。誕生日は不明[1]。第6次イゼルローン攻防戦の時は同僚のコーネフ/ヒューズ/シェイクリと供に第88独立空戦隊所属として参加。その後も常に戦闘に参加し、同盟軍の帝国領侵攻では第13艦隊旗艦のヒューベリオンに3人の同僚と供に配属されている[2]。イゼルローン要塞では第1空戦隊長を務めた。
バーミリオン星域会戦の後、「動くシャーウッドの森」の一員としてメルカッツに同行したが、ダヤン・ハーン補給基地で再会したユリアン・ミンツに尾いて親不孝号で地球に向かい、地球教本部の調査を手伝った。オーディンを経てエル・ファシルに到着した後イゼルローン再占領作戦に参加。本来の活躍の場ではない地上戦の連続に文句を言いながらも任務を遂行し、要塞の奪回に尽力した。
回廊の戦い以降はメルカッツの分艦隊に所属し、新人パイロットのカリンの面倒を見ながら戦果を重ねていった。シヴァ星域会戦ではユリアンとともにブリュンヒルトに突入し、親衛隊長のキスリング准将と格闘を演じてユリアンの前進を援護した。そして、あわやというところで停戦命令が下され、作者の思惑に反して[3]生き残る事に成功した。その後、ラインハルト、ユリアンとともにフェザーンへ同行し、ラインハルト崩御後、ユリアンと別れている。
[編集] 能力
同盟軍屈指の撃墜王。帝国軍対イゼルローン革命軍による回廊の戦いで5機を撃墜して総撃墜数250機を超え、帝国対同盟戦における歴代撃墜王のベスト10に入った[4]。ユリアンとカリンの空戦技術の師でもあり、空戦技術の一派の創始者でもある[5]。またローゼンリッター(薔薇の騎士連隊)ほどではないが白兵戦にも長けており、ブリュンヒルトでは親衛隊長キスリングと互角に渡り合っている[6]。
なお、地球教本部に潜入した際に食事に混入されていたサイオキシン麻薬の存在に気づく能力を示した場面がある。その際のユリアンとの会話で、過去にそういった場面に遭遇する様な「素行不良」の時代を経験している事を暗に告げている。
私生活においては女性関係が派手で、ナンパの才能においても秀でていたと思われるが、作中での具体的描写は乏しく、ハイネセン訪問時の「朝帰り」や、女性兵たちと談笑しているところをユリアンなどに「邪魔される」程度である。外伝「ユリアンのイゼルローン日記」では797年の新年パーティで赤毛の女性兵と意気投合して姿をくらませたり帝国軍との捕虜交換後に解放された捕虜に襲われた女性兵を20人ほど救ったり[7]とナンパしているシーンが随所に見られる。OVA版では、むしろ整備担当の女性兵をひっかけようとして迷惑がられるなど、逆の描写が見られた[8]。道原かつみの漫画版では、女性通信兵を相手に見事成功している。
[編集] 人柄
普段は冗談好きで明るい性格。イワン・コーネフやアッテンボロー、シェーンコップ等と常日頃から毒舌合戦を展開するが、相手が目上/年上の場合は原則として敬語を外さない。それが逆にポプラン特有の慇懃無礼な態度となっている。ただし同僚で親友だったイワン・コーネフがバーミリオン星域会戦で戦死した時と、ヤン・ウェンリーが地球教徒に暗殺された時だけは明るさが失われ、酒に溺れて荒れた姿をさらけだしている。
アッテンボローと同様、堅物のムライを苦手としており、イゼルローンを再奪回した後、ムライ達が合流すると聞いて口笛で葬送行進曲を吹いたり、第2次ランテマリオ会戦でイゼルローンを訪れたロイエンタールの使者がムライだと気がついたときに慌てて回れ右をしたりしている。ただし決して嫌っている訳では無く、ただ苦手にしているだけの様子が伺える。
ベッドの上の撃墜王としても知られ、ヤン艦隊内ではシェーンコップと勇名を競う仲。ポプラン自身が語る自分の理想の死に方は、帝国軍の美人パイロットに囲まれながら撃墜されることである[9]。また、OVA版では帝国首都オーディンにて帝国軍人を夫に持つ女性と一夜をともにしようとしたところ夫に見つかり、射殺されそうになった(原作ではこの件については簡単に触れられているだけである)。
酒と女性、人生の二大快楽とは作中の台詞ではあるが、自分の指揮する空戦隊の小隊名はウォッカ、アップルジャック等、アルコールの種類に由来している[10]。もっとも銘柄、テイストなどに造詣が深いといった記載は作中にはなく、女性との付き合いのための、いわゆる「大人としてのたしなみ」という意味合いの方が多くを占めるであろう[11]。なお、ヤンやコーネフを喪った際に飲んでいたのはコーン・ウイスキーであった。
また、単なる現役戦士ではなく、少年少女パイロットの教育係として才能を発揮しているが、恋愛の相手とするのは成熟した女性のみであって少女でも少年でもないことから、親たちからは「意外に」信用を得ていた様子が伺える。直接の部下でもあるカリンに対しても女性としては対応せず、むしろ保護者的な立場で、父親のシェーンコップと仲を修復するように勧めている、なお、カリンの素性は本人から相談を持ちかけられたとされており、宇宙暦800年の1月1日にシヴァの艦橋で行われた新年パーティーでそれをユリアンに話し、「平和になったら退屈きわまるがおれは善良な青少年相手に人生相談室でも開くとしようかと思ってる。人徳あらたかなせいかおれは年少者に信用があるんでね」と告げている。
[編集] 家族
独身。本人の弁を信頼すれば、曽祖父の時代から軍人の家系。
[編集] 声優
ポプランは原作の頃から、その女性関係によってファンに「イゼルローンの諸星あたる」とあだ名されていた。このあだ名は新書版の作者の後書きでも紹介され、その為OVA版での声優が古川登志夫(諸星あたる役)となった経緯がある。なお銀河英雄伝説のアニメの製作は『うる星やつら』と同じキティフィルムである。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 自称15月36日生まれ。ただし宇宙暦801年6月1日の時点で「30歳になったな」とアッテンボローに言われて否定しなかったため、それより前の日であるとされている。
- ^ ただしアニメ版では第1話より第2艦隊所属として親友のイワン・コーネフと共に登場している。第13艦隊の構成は、アスターテ会戦で敗北した第4、第6艦隊をあわせて設立したものと当時の統合作戦本部長シトレ元帥が説明し、後にヤン・ウェンリーが中将に昇進した際に第2艦隊の残存兵力も第13艦隊に編入されたと作中にある。従ってアニメ版のエピソードを含めた時系列に整合を求めた場合、ポプランは第2艦隊配属を経て、アムリッツァ会戦直前に第13艦隊に配属されたという経歴になる。
- ^ 原作小説10巻巻末において、「作中で死ぬ予定だった」と作者が述べている。
- ^ アニメでは「自称」の様に扱われているが、原作小説では「後世の歴史家」が検証した様子がある。
- ^ ポプランが作中でユリアン等に指導している「3機で1機の敵にあたれ」という戦術は実際に第二次世界大戦で山本五十六が唱えた空戦戦術である。また米軍側も、大戦初期に精強を誇った零戦に対し、3機以上で対抗するよう下達している。
- ^ ただし、当の本人は「地に足を着けて戦う」事には不満を持っている。
- ^ なお、このとき救われた女性兵達はフレデリカ・グリーンヒルに「ポプラン少佐に助けていただくのは感謝しますけど、"おれの女に手をだすな"という台詞はどうにかなりません?」と苦情を申し立てている。
- ^ これには声優の影響もあると思われる。
- ^ ちなみに帝国軍の女性兵士は後方勤務のみであり、前線には女性兵士はいない。軍服を着て前線にいた女性はラグナロック作戦の時のヒルダだけである。
- ^ 余談だが『エリア88』でも同様のネーミングは見られる。なお同作のOVA版には古川や富山も出演している。
- ^ 小説版に「本当は女性の下着の名前をつけようと思った」などという記述がある。道原版では実際にヘルメットを整備しながら5つ(ショーツ、ブラジャー、ペチコート、キャミソール、ガーターベルト)まで考えており、最後の一つをどうしようか考えていた(ズロース?)。しかし、その後ろで部下が滂沱の涙を流しながら「そんな名前で呼ばれるのはイヤです!」と抗議していた。小さく「ペイントもイヤです」という台詞もあったことから「名前だけでは済まなかった企み」だったようである。
銀河英雄伝説 | |
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メディア展開 | 小説 - 漫画 - アニメ - 読本 - ゲーム - パチンコ - 同人誌 |
登場人物 | 銀河帝国 - 自由惑星同盟 - その他 |
登場勢力 | 銀河帝国 - 自由惑星同盟 - フェザーン自治領 - その他 - 歴史上の勢力 |
登場艦船 | 銀河帝国 - 自由惑星同盟 - その他 - 要塞 |
用語 | 事件・出来事 - 法律・条約 - 呼称 - 異名・渾名 - 組織・役職 - 地名・建物 - 軍事用語 その他用語 - 宗教 |
戦役 | 西暦時代 - 宇宙暦時代 - 旧帝国暦時代 - 旧帝国暦/宇宙暦時代 旧帝国暦/宇宙暦時代 (本編開始後) - 新帝国暦/宇宙暦時代 |
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