オブラート
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オブラート(蘭: oblaat)とは、デンプンから作られる半透明の薄い膜で、水に溶けやすい性質がある。薬品や菓子などを包み、そのまま体内に摂取することができる。名称の由来はラテン語のオブラトゥス(oblatus、楕円形の意味)から。
オブラートはデンプンを糊化させたものを急速乾燥して生成される。水分を10%から15%程度まで急速に乾燥させることで、デンプンが老化せず糊化状態が保たれる。
菓子用のオブラートの厚さは40μm、薬用のオブラートの厚さは20μmである。
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[編集] 歴史
オブラートの原型は、キリスト教の儀式で使用されていたウエハースに似たパンとされる。これに薬を包み水に浸して柔らかくした上で服用していた。この頃は、現在見られるような薄くて柔らかいものではなく、硬質オブラートと呼ばれるせんべい状のものだった。
硬質オブラートは日本には明治初期に伝わった。1902年、三重県の医師小林政太郎が、寒天とデンプンから柔軟オブラートを生成する方法を発明する。この柔軟オブラートは、1910年の日英博覧会で金牌を受賞するなどして、世界に広まっていった。この頃の柔軟オブラートは柔軟剤を添加していたが、その後の1922年には乾燥機を用いた生成法が編み出され、柔軟剤が不要となり大量生産が可能になった。
戦後しばらくは薬用よりも菓子向けの需要が多く、水飴、キャラメル、ゼリー等の包装に使われていた。近年では包装技術の進歩により、オブラートを使用した菓子は少なくなっている。 最近ではオブラート包装は少なくなっているがゼリー菓子の固着防止や砂糖を使いたくない菓子の取り粉として粉末オブラートが使われている。
[編集] 薬用のオブラート
苦味のある薬や散剤など、そのままでは飲みづらい薬を内服する際に用いる。オブラートを広げて薬を包み込んだ後、端に少量の水をつけて口を閉じると中身がこぼれにくい。口腔内に張り付きやすいため、コップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用する。一部の薬(苦味健胃薬、消化薬など)は、オブラートに包んで飲むと効果が弱まるので注意が必要である。
円形、三角形、袋状など様々な形状のものが市販されている。イチゴ味その他のフレーバーつき製品もあり、2007年現在では、ゼリー状やペースト状の薬用オブラートも開発されている。
[編集] 慣用表現
- オブラートに包む - 相手を刺激しないよう直接的な表現を避け婉曲に表現すること。
- オブラート演説 - 他人の話をオブラートのように丸呑みにした演説のこと。