オイラー法
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オイラー法(ーほう)とは、1階常微分方程式の数値解法の一つ。
1階常微分方程式と初期値x0,y0(=Y0)が与えられた場合に、xn=xn-1+h対するynの近似値Ynは、以下のようにあらわされる。(ここでhは、0<hで小さい数である。)
- Yn = Yn − 1 + hf(xn − 1,Yn − 1)
- (n=1,2,3,...)
この方法は、数学的に理解しやすく、プログラム的にも簡単なので、数値解析の初歩的な学習問題としてよく取りあげられる。しかし、1階常微分方程式の数値解法としては精度が悪い方法なので、学習目的以外であまり使われない。
また、hを小さく取れば、計算時間はかかるもののある程度は精度が出る、しかし、極端にhを小さく取ると丸め誤差が累積してきて逆に精度が落ちることもあり得る。
[編集] 説明
微分の定義から
hが小さいときは、
すなわち
x,yの初期値をx0,y0とし、 x1=x0+h,x2=x1+h,...y1=y(x1),y2=y(x2),...などとすると、
- (n=1,2,3,...)
ここで
- Yn = Yn − 1 + hf(xn − 1,Yn − 1)
とおくと、Ynは、ynの近似値になる。