ウルトラザウルス
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ウルトラザウルス(ULTRASAURUS)は玩具メーカータカラトミー(旧トミー)が展開する『ゾイド』シリーズに登場する架空の兵器である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 機体解説
ウルトラザウルス ULTRA SAURUS |
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番号 | RBOZ-005(旧) RZ-037(新) |
所属 | ヘリック共和国 ゾイドバトル連盟(スラッシュゼロ) |
分類 | ウルトラサウルス型 |
全長 | 50.0m |
全高 | 27.5m |
全幅 | 14.1m |
重量 | 507.0t |
最高速度 | 50km/h |
主な搭乗員 | ヨハン・エリクソン(バトルストーリー) ロブ・ハーマン大佐(司令官)ムンベイ(操縦士)(ゾイド -ZOIDS-) ミロリー・ルディット |
武装 | 36cm高速キャノン砲(旧)360mmリニアキャノン(新)×4 ミサイルポッド×2 連装対空ミサイル×2 40mm連装対空砲×2 対空ビーム砲×2 小口径対空ビーム砲×6 8連ミサイルランチャー 魚雷発射管×4 対空レーダー 通信アンテナ サーチライト×2 カタパルト×2 搭載機×3 ハイパーキラーファング ビークル用カタパルト |
竜脚類形の超巨大ゾイドで、ウルトラサウロスにちなんで名づけられた。
初期の母艦型ゾイドであるビガザウロの後継機で、中央大陸戦争中期にヘリック共和国の科学者であるチェスター教授が開発した超巨大ゾイド。
ヘリック共和国陸軍大佐ヨハン・エリクソンの愛機の一つであり、圧倒的なパワーと火力でデスザウラーが登場するまでは無敵のゾイドであった。主に旗艦として活躍したが、直接的な戦闘力も高い。また、コックピットと背部の格納庫と胸部のハッチには偵察用ビーグルが搭載されている。
1999年復活新シリーズでは、ZAC2056年の惑星Zi大異変によって、配備されていたのは大統領専用機1機のみ。バトルストーリーではゴジュラスより大きい程度だが、アニメ『ゾイド -ZOIDS-』では全長500mを超える巨大母艦となっている。
パワーではデスザウラーにも引けを取らず、その巨体から、陸上戦より水上戦の方が得意であり、高い砲撃力と命中力を誇るレールキャノンやミサイルポッドなどの全身の重火器を持って敵を粉砕し、小型ゾイド(バトルストーリーではアタックゾイドや24ゾイド)を搭載する母艦としても機能する。
巨体故の鈍重さと、高速ゾイドとの格闘戦が苦手な事が弱点。
[編集] キット解説
巨大な機体でありながら、動力はゴジュラスと同じく、単二電池二本が主動力である。そして、単三電池二本がライトユニットとして活用される。単二電池は胴体下部に入れ、単三電池は尾の第一関節部分(?)のカバーを開けて入れる。
キットは首を横から見ると?マークのように曲げて口を開閉させながら、一気に伸ばすという動きを繰り返しながら4つ脚で歩行する。その際に機体両脇のウルトラキャノン砲身を左右それぞれ上げ下げさせる。また、無動力とはいえ、尾も連動して左右に振るような動きを見せる。電飾は目を赤く光らせ、時間が経つと点滅する。
機体サイズが大型の為、飛行甲板に小型ゾイドや、ミニモデルなどを載せる基地遊びのようなことも出来た。
余談だが、頭部コクピットのキャノピーは他の搭乗部位とは違ってパイロットの頭が露出する構造となっている。
2000年の再販時には銀を基調にしたカラーに変更された(旧モデルは黒が基調)。旧製品にあった電池を納める部分は、空洞になっている。
[編集] 劇中での活躍
[編集] バトルストーリー
ZAC2037年にロールアウト。当時のゾイドの常識を越えた巨体とパワー、そして火力によって、ゼネバス帝国最強ゾイドであったアイアンコングでも太刀打ち出来ない戦闘力を誇った。
その巨大な力は完成前から帝国から注視されており、帝国軍コマンドエコーと、共和国軍中尉ロイ・ジ-・トーマスとの間で起こった争奪戦では、サラマンダーの空爆や、ゴジュラス二大がかりの力をものともしない驚異的なパワーを発揮したが、トーマス中尉の奮闘で取り戻され、二人の戦いは「大氷原の戦い」へと移行する。この戦いでウルトラザウルスがおびき出され、エコーのアイアンコングMk-Ⅱの攻撃に窮地に陥ったところで、トーマスのゴジュラスMk-Ⅱが応戦する。戦いはエコーが優位に立つが、勝利を確信したエコーの一瞬生まれた隙をついたウルトラの援護により、トーマスの勝利に終わった。
その後の帝国領からの脱出作戦や、上陸作戦でも活躍し、ゼネバス首都攻略戦でも中核であった。ゼネバスを捕捉しようとした共和国のエリクソン大佐が操縦するEマークのウルトラザウルスが共和国防衛時に、ゼネバスの逆襲時に上陸してきたトビー・ダンカン少尉のデスザウラーとの因縁の激闘を繰り広げた。
デスザウラーの登場によって、優位性を失ったものの、ウルトラザウルスそのものの価値は失われず、デスザウラーが苦手とする水上戦では共和国制海権を確保し、上陸作戦でも艦隊でデスザウラーを撃破し、更に解体され、パーツごとに区分されたウルトラが組み上げられ、帝国基地を攻略するゲリラ戦でも大活躍した。
ゴーレムによって、不覚にもやられてしまったというケースもあったものの、ウルトラザウルスは艦隊で活躍し、ビッグマザーとなってマッドサンダーを輸送したり、飛行艇に改造されて暗黒大陸上陸作戦を支援したり、旧シリーズ最後まで共和国軍旗艦として活躍を続けた。
新シリーズではウルトラザウルスは“ザ・デストロイヤー”に改造され、デストロイヤー師団に配属された後にロブ・ハーマン大尉の操縦で、1200㎜ウルトラキャノンを放ち帝国軍を撃破し、ニクシー基地を陥落させた。
その後で“ザ・キャリア”に改造され、何度か帝国の激しい空爆に曝されながらも、トライアングルダラスを抜け、鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)のマッカーチスの誘導によって暗黒大陸に上陸する事に成功する。
しかし、ヘリック共和国とガイロス帝国にとって、それはゼネバスの遺児であるプロイツェンとの戦いのプロローグでもあった。
その後のネオゼネバス戦では、中央大陸帰還シーン以降は特に登場していない。
[編集] アニメ
『ゾイド -ZOIDS-』第60話「超巨大要塞」にて初登場。
共和国によって発掘され、偽装湖に密かに保有されていた超巨大ゾイド。ロブ・ハーマン大佐を総司令官とし、ガーディアンフォースの旗艦となった。
ドクターDが開発したグラビティカノンを装備し、デススティンガーを機能停止寸前にまで追い込んだが、同機のコアと融合した完全体デスザウラーによって大ダメージを負う。そして決死の特攻を敢行するバンのブレードライガーをグラビティカノンから発射して撃破した。
『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』ではゾイドバトル連盟の主要機関として登場。バックドラフト団の荷電粒子砲の攻撃にも耐える強力なEシールドを搭載している。
それとは別に、第26話では前作最終回にて放棄され、朽ち果てた思われるウルトラザウルスが登場。作中最大の大会ロイヤルカップのゴール地点となっていた。
[編集] 機体バリエーション
- ウルトラザウルスLB
- グレートザウルス
- ウルトラザウルスLBにマッドサンダー(又はシールドライガーMK-II)のビームキャノンを加えたもの。
- ゲーム登場のゾイドの中で、最も高いHPと武器搭載量を誇る。
[編集] 改造バリエーション
- ケンタウロス
- ゾイドバトルストーリー3巻に登場した対デスザウラー用の改造機。
- 下半身となっているウルトラをベースにゴジュラスの上半身、ゴルドスのレーダー、サラマンダーの翼を装備した最強合体ゾイド。
- 小山をも吹き飛ばす巨大なバスターボーガンと、分厚いゾイドの装甲をも貫く巨大な槍、そしてゴジュラスの格闘能力とサラマンダーの飛行能力にゴルドスの電子戦能力に加え、ウルトラの火力を組み合わせたケンタウロスの総合戦力はデスザウラーよりも高いとされる。
- ヘリックと女親衛隊長ローザの活躍で、帝国軍の陣地を次々と蹴散らすが、打倒ヘリックに命運を賭け、ゼネバス軍人であることを捨てたフランツ・ハルトマンの操縦する改造デスザウラーデスドッグと激突し、壮絶な戦いの末に両者相打ちとなった。
- ビッグマザー
- 新ゾイドバトルストーリーに登場。マッドサンダーを海上から他の陸地へ迅速に輸送するために作られた改造ウルトラザウルス。分離後は単独で戦うことも可能。ZAC2051年3月、ニカイドス島に立て篭もるゼネバス帝国軍に対し、共和国軍は200隻のビッグマザーをもって島に上陸した。
- ウルトラザウルス飛行艇
- 新ゾイドバトルストーリーに登場。サラマンダーF2の翼を装備した飛行艇仕様。脚を撤去し、代わりに増槽のようなものを装着している。ZAC2054年2月、ギル・ベイダーの基地を攻撃するため、ホワイト大佐率いるキングライガー部隊を輸送した。
- ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー
- 一撃で都市一つを壊滅させるという化物じみた超巨大砲「1200mmウルトラキャノン」を装備した改造ウルトラザウルス。西方大陸戦争時、共和国軍の切り札として送られ、ニクシー基地を陥落させ、西方大陸戦争の勝利に貢献した。
- 夢想癖で有名な共和国の科学者が開発したもの(おそらくはアニメ『ゾイド -ZOIDS-』でグラビティカノンを開発したドクターディに当たる人物の設計だと思われる)だと言われる。
- ウルトラザウルス・ザ・キャリア
- 暗黒大陸上陸作戦に向け、1200mmキャノンを撃ち尽くした後のウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーを航空母艦型(実質的には航空戦艦)に改修した改造ウルトラザウルス。中央後部に発着用の飛行甲板、左右にアングルドデッキと3連装ロングレンジバスターキャノンを装備。共和国艦隊の旗艦としてアンダー海海戦で戦うが、海底に潜んでいたシンカーの猛攻により、被害を受けトライアングルダラスへ逃げ込んだ。その後、暗黒大陸での戦いにも参加している。
- ウルトラデビルス
- 『ZOIDSバトラー雷牙』に登場した改造機で、見た目は普通のウルトラだが、首が左右に分かれ、そこから現れる巨大な隠し刃を振り下ろすという戦法を持っている。
- アルティメットファランクス
- ゲームに登場。ウルトラザウルスの武器・装甲などを改造した機体。非常に強力だが、スピードと積載量はウルトラザウルスより劣る。