アニマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カール・ユングによれば、アニマは男性の人格の無意識の女性的な側を意味し、男性が持つ全ての女性的な心理学的性質がこれにあたる。男性の有する未発達のエロス(関係の原理)でもあり、異性としての女性に投影される。フィルム・インタビューでユングはアニマ・アニムスの原形が、「ほんの僅かな意識」または無意識と呼んで、完全に無意識のものであるかどうかは明らかにしなかった。彼はインタビューで、恋に落ちた男性が、女性自身よりも寧ろ自身の無意識の女性像であるアニマと結婚した事に気付き、後になって盲目な選択に後悔するのを例に出した。アニマは通常男性の母親からの集合であるが、姉妹、おば、教師の要素を持つこともある。
ユングはまた全ての女性が精神の中に類似の、男性的な属性と潜在力であるアニムス(animus)を持つと信じた。アニムスは女性の人格の無意識の男性的な側を意味する。女性の有する未発達のロゴス(裁断の原理)でもあり、異性としての男性に投影される。アニマと比べて集合的であり、男性が一つのアニマしか持たないのに対し、女性は沢山のアニムスを持つとされた。ユングはアニマ・アニムスの過程を想像力の一つの源であるとみなした。
アニマはすべての中で最も顕著な自律性の集合体である。それは男性の女性との相互作用と女性への態度を影響と同様に、夢の中に現れる像としてそれ自身が現れる。ユングはその影に対するものがapprentice-pieceで、その影にたいするものがmasterpieceであると言った。また、幼年期の母での投影に始まり、将来の性的伴侶及び続く関係に続き、グノーシス主義におけるソピアーまたは「叡智」と呼ばれる段階で結ばれる、アニマの典型的な発展における四重の理論を唱えた。ユングの理論の多くでは同様に四重構造を適応することには注意を要する。