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アトム電器 - Wikipedia

アトム電器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アトム電器チェーン本部(羽曳野市)
アトム電器チェーン本部(羽曳野市)

株式会社アトムチェーン本部大阪府羽曳野市)は、近畿地方を中心に、主に地域電器店のフランチャイズ「アトム電器」を展開する家電販売の全国チェーンである。メーカー系列・量販店系列とは違った運営システムで業績を伸ばしている。設置工事が必要な家電製品、特にエアコンが主力商品だが、IHやエコキュートといった「住設」関係にも力を入れている。

目次

[編集] 沿革

1971年、個人商店「井坂電器」として創業。
1976年、「株式会社井坂電器」として法人登録し、1983年にフランチャイズチェーンに組織変更する。
1989年、「株式会社アトム電器チェーン」に社名変更し、関連会社の株式会社アトム(唯一の直営店・アトム電器伊賀店を運営)を設立。
1994年、11店のチェーンとしてスタート。
2003年には加盟店が100店を超え、2006年5月には300店を突破し「アトム電器チェーン300店舗突破記念セール」を実施。
2008年5月、「アトム電器チェーン500店舗突破大感謝セール」を実施。(2008年5月現在で502店)

[編集] 経営理念

「アトム電器」は「鉄腕アトム」から名づけられたと言われることがあるが、全くのデタラメである。命名の由来は、ATOM(アトム)はA+TO+Mで成り立っており、それぞれ A=Amenity TO=と(接続詞) M=Mediaを表しており、「快適な暮らしは電化製品から」という思いが込められている。また、ATOM(英語)を日本語に訳すと「原子」となり、すべての物質の元を指す。アトムには「商売の原理、原則=儲けを貫く」「お客様の視点に立つ=多くの商品を納得できる価格で提供する」という、創立者・井坂泰博(現・株式会社アトムチェーン本部代表取締役社長)の強い経営理念が込められている。
また、既存の電器店の持つ「小回りの利いたサービス」に着目。「地域店だからできること」を前面に押し出し、家電量販店にヒケをとらない価格設定を行いつつ、設置工事や修理・取扱説明などのアフターケアも積極的にこなす「いいトコ取り」電器店を追求している。
アトム電器は「地域電器店の復権」を掲げているため、組合的な要素が極めて強い。本来なら全国にある電機商業組合が提供すべきシステムであるが、組合はメーカーとの関係上、これといった方策も打ち出せておらず、組織の弱体化が著しい。真の意味で地域電器店が復活するためには、この両者の関係強化が欠かせないだろう。

[編集] 運営システム

アトムチェーン本部は各アトム電器加盟店に対し「フランチャイズパッケージ」を提供し、毎月フランチャイズ料を徴収するという形をとっている。この「フランチャイズパッケージ」は「仕入れ・販促・情報」ノウハウを指し、この提供料以外は一切、徴収しない方針である(本部から加盟店に商品を卸す際も、上乗せはない。加盟する際に保証金が必要となるが、退会時に全額返還される)。
仕入れに関しては、本部が商品を一括仕入れするため、当然、メーカー系列店より仕入れ値が下がる。この仕入れノウハウで特筆すべきものは「単品仕入れ・返品自由」という制度を取り入れていることだろう。メーカー系列店でも現金問屋でも一旦、仕入れた商品は原則返品できない。しかしアトムチェーンでは開梱しない限り、原則返品自由である。
また、受発注システムも特筆すべきである。ほとんどの店ではパソコン、もしくはPOSシステムで受発注を行うが、アトムチェーンでは携帯電話で受発注はおろか、顧客管理まで行える。急な修理依頼などで顧客の家に行った際、ついでに商品購入履歴をチェックし、販売に結びつける。そして、携帯電話から本部サーバーを通じて在庫確認し、発注を行うと顧客の家のFAXに見積書が届くシステムとなっている。人手の足りない地域店にとって、このような効率のよい動きができることは大きな魅力だと言えるだろう。
販促面での特徴は「地域店らしさ」を前面に押し出しつつも、量販店と遜色ない売価設定をしているところである。「地域店は高い」という固定観念を崩し、新規顧客拡大を図ることで、安定した経営を保つことが可能となる。量販店の「売りっぱなし」を嫌う若い層もいるが、地域店と量販店の価格差が大きすぎ、結局地域店は若い層を獲得できずにいる。こういった点を解消するには世間相場に合わせた売価設定と、アピールする販促物が必要となる。
そこで、徹底した価格調査を本部で行い、売価を相場に合わせた商品一覧を作り、それを地域店らしいカタログに反映させる。これを本部で一括して作成するためコストダウンできる。個人ではまずできない部分を、本部が担う形となっている。他にもクレジット、長期保証なども完備している。
各加盟店への経営指導なども一切行っておらず、各加盟店の「自主独立」を掲げている。「規則に縛られない」ことを売りに、各加盟店の経営努力を引き出そうとする側面も持っている。ちなみに、各加盟店がそれぞれ独立したスタンスをとっているため、ポイントという概念はない。

[編集] 同業他社との比較

システムが非常に似ていることからコスモスベリーズとの比較がなされることがあるが、アトム電器はFCであり、コスモスベリーズ(BFC)はVCである。また、取扱いについても、社の方針でパソコンなどは取扱ってはいない。なお、創業は両社共に1971年であるが、出身母体についてはアトム電器が三洋バラチェーン・井坂電器で、コスモスベリーズはナショナルショップ・豊栄家電である。


[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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