はるな型護衛艦
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はるな型護衛艦 | ||
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DDH-141 はるな |
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艦級概観 | ||
艦種 | ヘリコプター搭載護衛艦 | |
就役開始 | 1973年2月22日 | |
退役完了 | 就役中 | |
次級 | しらね型護衛艦 | |
性能諸元(改装後、括弧内はひえい) | ||
排水量 | 基準排水量 | 4,950t(5,050t) |
満載排水量 | 6,850t(6,950t) | |
全長 | 159m | |
全幅 | 17.5m | |
深さ | 11.0m | |
吃水 | 5.2m | |
機関 | 艦舶用衝動式蒸気タービン2基2軸 | 70,000PS |
速力 | 31kt | |
定員 | 370名 | |
武装 | 5インチ54口径単装速射砲 | 2基 |
高性能20mm機関砲CIWS | 2基 | |
シースパロー対空ミサイル8連装発射機 | 1基 | |
アスロック8連装発射機 | 1基 | |
3連装短魚雷発射管 | 2基 | |
搭載機 | HSS-2B/SH-60J | 3機 |
言語 | 表記 | |
日本語 | はるな型護衛艦 | |
英語 | Haruna class Destroyer |
はるな型護衛艦(はるながたごえいかん、JMSDF DDH HARUNA class)は、海上自衛隊が保有するヘリコプター3機を搭載するヘリコプター搭載護衛艦(DDH)。
目次 |
[編集] 概要
海上自衛隊は1960年頃から対潜作戦の中枢としてヘリ空母を建造する構想を抱いていたが実現していなかった。一方で当時、カナダ海軍がベア・トラップ着艦拘束装置を実用化、サン・ローラン級駆逐艦に搭載し、駆逐艦クラスでもヘリコプターを運用可能なことを実証していた。本級はこうした背景をもとに、第3次防衛力整備計画(3次防)中の1968年に計画され、1973年と1974年に1隻ずつが就役した。
イタリア海軍のアンドレア・ドリア級ヘリコプター巡洋艦や、カナダ海軍のイロクォイ級ヘリコプター駆逐艦と似た性格ではあるが、この程度の規模で大型ヘリを3機も搭載するという例は世界的にもなく、いわば準ヘリ空母的な艦であるといえる。
基準排水量は4,700トンと、第二次世界大戦中の軽巡洋艦に匹敵する大型艦となった。兵装は127mm54口径単装速射砲2門と73式アスロック発射機を前部に集中。対潜ヘリコプターは、「はるな」は就役時HSS-2を搭載したが、後に「ひえい」と同じHSS-2Aに改め、後に両艦ともHSS-2B、SH-60Jと順次更新している。艦中央部から後部にかけて格納庫と発着甲板を配置した。なお、ひえいとはるなの相違点として、煙突マック形状がわずかに異なっている。
1987年及び89年に両艦とも近代化改装(FRAM)を終え、本級の拡大改良型であるしらね型に匹敵する内容の艦となった。具体的にはファランクスCIWS、シースパロー艦対空ミサイルの搭載により近接防空能力を強化している。シースパロー発射機はヘリコプター格納庫上部に、CIWSは艦橋の後上部に設置された。対空・対水上レーダーもそれぞれOPS-11型およびOPS-28型に更新し、戦術情報処理装置やデータ・リンクシステムも搭載された。この結果「はるな」は250トン、「ひえい」は350トン、それぞれ排水量が増大している。
背負式砲塔と、低重心の前甲板により、独特の艦型美を備えている。最新の海上自衛隊艦艇と比較しても、性能では勝るイージス艦をも凌ぐ、抜群の威容を有している。
本型2艦は老朽化に伴い、2010年頃には2隻ともひゅうが型護衛艦に任務を譲り、退役する予定となっていた。ところが、2007年12月14日、横須賀基地に停泊中の「DDH-143しらね」で火災事故が発生し、甚大な被害が生じた。この事故により「はるな」型1艦の延命、もしくは「はるな」からの部品移植による「しらね」の修理が検討されている。
[編集] 建造計画時の逸話
建造計画当初、格納庫無しの全通飛行甲板案も構想されていた。
他にも「5インチ砲を1基にして飛行甲板を拡大する事により対潜ヘリ2機の同時発着を可能にすべきだ」との航空機関係者の意見と、あくまで5インチ砲2基装備に拘る砲雷関係者の意見が対立し、結局、5インチ砲2基装備に落ち着いたという。
[編集] 同型艦
[編集] DDH-141 はるな
- 建造:三菱重工業長崎造船所
- 起工:1970年3月19日
- 進水:1972年2月1日
- 竣工:1973年2月22日
- 所属:第3護衛隊群第3護衛隊
- 艦名の由来:榛名山
[編集] DDH-142 ひえい
[編集] 登場作品
- 『ゴジラ (1984年の映画)』(1984年)
- 『ゴジラvsビオランテ』 - 「ひえい」が登場、以後の『平成ゴジラシリーズ』(『ゴジラvsキングギドラ』他)に常連登場。『ゴジラvsスペースゴジラ』では国連Gフォースに参加。
- 『沈黙の艦隊』
- 『亡国のイージス』
- 『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』 - TVアニメ。「はるな」が登場。航空自衛隊小松救難隊に所属する主人公達の搭乗した空自UH-60Jが給油のため着艦する。
- 『紺碧の艦隊』 - OVA第19巻『赤道大海戦』の中で近代化改装前の姿で確認できる(艦名表示なし)。
- 『勇者王ガオガイガー』 - 「はるな」が登場、東京湾を航行中に機界四天王のペンチノンに融合されゾンダーロボEI27に変貌してしまう。
- 『ジパング』 - 回想シーンで近代改装前の「ひえい」が登場。
- 映画『男たちの大和/YAMATO』 - 大和の航跡のCG素材用として、「ひえい」を撮影に使用した(「ひえい」以外の護衛艦数隻も、大和の航跡のCG素材用の撮影に使用した)。また、大和に着任したばかりの海軍特別年少兵たちが大和の機関室を見学するシーンでは、「ひえい」の機関室が撮影に使用された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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