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νガンダム - Wikipedia

νガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

νガンダムニューガンダムν-GUNDAM)は、アニメーション映画機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する架空の兵器地球連邦軍ニュータイプ専用試作モビルスーツ (MS) である(型式番号:RX-93)。

目次

[編集] νガンダム

[編集] 機体解説

機体諸元
νガンダム
型式番号 RX-93
所属 地球連邦軍ロンド・ベル
建造 アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン工場
生産形態 アムロ・レイ専用機
全高 24.2m
頭頂高 22.0m
本体重量 27.9t
全備重量 63.0t
ジェネレーター出力 2,980kW
センサー有効半径 21,300m
装甲材質 ガンダリウム合金
スラスター推力 18,300kg×4
12,300kg×2
武装 ビームライフル
カスタム・ビームサーベル
ビームサーベル
60mmバルカン砲×2
ニューハイパーバズーカ
シールド
シールドビームキャノン
ミサイル×4
フィン・ファンネル×6
主な搭乗者 アムロ・レイ

シャアの反乱」に対処するべく再編されたロンド・ベル隊のMS部隊隊長、アムロ・レイ大尉の専用機として開発されたMSで、基礎設計はアムロ自身の手により行われた。機体製造は要請を受けたアナハイム・エレクトロニクス社が担当し、フォン・ブラウン工場において3ヶ月と言う短期間で完成にこぎつけた。本機開発プロジェクトはアナハイム社で独自に進められていたものだったのだが、開発中にロンド・ベルへの配備が決定した事を受け、アムロによる基礎設計の修正を経て完成したとも言われている。なお、アナハイム製のMSの中では、当初より特定個人の搭乗を前提として(生まれながらの専用機として)開発された機体は本機のみである。

設計はそれまでのガンダムタイプ全てを参考に行われ、それらのデータ解析により得られた平均値を基にしつつ新技術を盛り込んでいる。また、アムロが長年培ってきたMSパイロットとしての経験も設計に生かされている。機体名はアナハイム・エレクトロニクス社製ガンダムの11番目の開発コード「ν」から名付けられた。開発担当者はオクトバー・サラン。

設計は汎用性を重視しており、またMSとしての性能はもちろん、運用面も重視した設計が行われている。戦闘が長期化した場合を考慮して信頼性と耐久性を重視し、一部の部品(サイコミュ関係)を除いてなるべく連邦軍の規格品=量産型MSの部品や調達が容易な素材を用いるよう心掛けられている(短期間で完成させるために専用部品をなるべく減らさなければならなかった点も、部品流用が行われた背景にある)。

また、アナハイム社が培ってきたMS技術も積極的に利用されており、機体に用いる部材はΖ系統MSのものを使用。センサー類にはインコムバイオセンサーの技術をスピンオフして用いている。さらに、整備や実戦データのフィードバックによる機体の強化が容易に行えるよう各部を可能な限りユニット化。搭載火器は頭部バルカンを除き徹底的に省略し、内部構造に余裕を持たせたつくりとなっている。これにより本機は宇宙世紀0093年における最強クラスの性能を誇るMSでありながら兵器としての高い信頼性も獲得し、非常にバランスの良い機体として完成した。

本機は機動歩兵というMSの原点に回帰した機体であると同時にニュータイプ専用機であり、ガンダムタイプの主力MSで初めてファンネルを装備した意欲的な機体でもある。バックパックの左側に新規設計の専用サイコミュ兵器フィン・ファンネルを装備。ファンネルの装備や分離により機体の慣性重心が動きバランスがくずれてしまう事を考慮し、重心移動に対応した機体管制プログラムも新たに開発されている。

機体と比べて大型のスラスターは装備されてはいないが、個々の出力の強化や全身にサブスラスター・マイクロスラスターを装備する事により高い機動性を誇る。「敵機に対しより素早い対応ができるよう相手の脳波をサイコミュで強化し受信する」というアムロのアイデアにより、コクピットシート後方にサイコミュ受信パックを備えるほか、コクピットの周囲や駆動系にサイコフレームを使用してサイコミュの小型化・感応度の向上が図られ、機体の追従性能ならびに運動性能の向上にも大きな貢献を果たしている。そのため基礎設計により得られた機体の堅牢性を生かしてマニピュレーターや脚部を用いた近接戦闘も可能であり、実際肉弾戦によりサザビーを行動不能にしたところからも機体性能の高さがうかがえる。

パイロットのアムロの技量と相まって、第1期MSの中では最強のガンダムと言っても過言ではない。

なお、νガンダムに採用されたサイコフレームは、アムロと同等性能のMSに搭乗して決着をつけることを望んだシャアによってアナハイム・エレクトロニクス社へ意図的に横流しされたものである。当初νガンダムには装備されていなかったが急遽用いられる事になり、この素材変更によりνガンダムの機体重量は3kg減少している。アムロにはアナハイム社の材料開発部門が独自開発したものであると説明されたが、後にオクトバーの手紙によりネオ・ジオンより入ってきた技術であるという事がチェーン・アギに伝えられる。

[編集] 武装解説

νガンダムに装備されている武装は往年の名機ガンダムと基本的には同じで、当時の連邦軍のMSとしては標準的なものを備える。しかし、信頼性や攻撃力といった質は非常に高く、量産型のMSとは比較にならない。そしてνガンダム専用に様々なメカニズムが組み込まれている。

頭部60mmバルカン砲
薬莢方式を採用しており、射撃と同時に空薬莢が頭部側面より排出される。基本的にミサイル、グレネードなどへの迎撃や牽制用に用いられるが、MSの頭部を吹き飛ばす程度の威力は備わっており、アムロの技量もあって対MS戦においても十分な効果を発揮する。本機が内部スペースに余裕のある大型機である事を考えると、弾数はかなりのものになると推測される。
ビームライフル
専用の長砲身大型ビームライフル。サブグリップ、マウントパーツは備えていない。グリプス戦役以降MSのビーム・ライフルはエネルギー供給手段として外付け式供給システムであるEパック方式を採用しているが、本機のライフルは一年戦争時のような本体内蔵型のエネルギー供給システムを採用している。もっとも、劇中ではかなりの長時間使用され続けながらも、サザビーによって破壊されるまでエネルギー不足になる事はなかった。最大出力なら当時の戦艦の主砲レベルの威力を誇り、巡洋艦程度ならば容易に撃沈できる。その威力ゆえに、劇中では敵パイロットが、戦場に割って入ったνガンダムのライフル射撃を、MS携行のビームライフルではなく艦戴のメガ粒子砲の射撃だと勘違いするシーンがある。さらに劇中において連射する場面があるが、ビームライフル自体が射撃モードの切り替え機能を持つという説(連射前にモード切替のような音が確認される、HGUC説明書にも明記)と、機能ではなくアムロの技量によるものという説の二種類の設定が存在している。
フィン・ファンネル
左背面に6基装備されており、攻撃時にはコの字型に変形する。従来のファンネルとは異なるジェネレーター内蔵型のファンネルである。ジェネレーターを内蔵しているため従来のものよりは大型化しているが、活動時間が長くなっているうえ、ビームの出力も高い(そのため厳密にはこの兵器はファンネルよりもビットに近い)。オールレンジ攻撃兵器としてだけでなく、ファンネルを頂点としてビームバリアーIフィールドの発展技術)を張ることにより、防御シールドを展開する事が可能。劇中では、バリアー展開中にその内側から攻撃を行い、敵ファンネルを撃墜している描写が見られる。ただし機体自体が急造品であるため、一度射出したフィン・ファンネルは機体に戻すことが出来ない。またフィン・ファンネルには、ファンネル自体にアンバック (AMBAC) が搭載されており、その為姿勢制御に無駄なエネルギーを割かずに長時間の活動及び、高出力のビーム攻撃が出来るという説もある。劇中ではその形状から敵パイロットには放熱板と見間違えられている。
ニューハイパーバズーカ
地球連邦軍製MS用の武装としては一般的だが、νガンダムのものは有効射程距離の向上、より破壊効率の高い弾頭への変更など、機体に合わせてカスタマイズが行われている。口径は280mm。背面バックパックにマウントした状態や、本体から切り離した状態でも(通信用ワイヤーを介した指令により)射撃可能。アムロはこの機能を利用して変則的な攻撃を繰り出した。のちにリガ・ミリティア所属の機体が使用している様子が確認できる事から、本兵装の高い完成度がうかがえる。(『機動戦士Vガンダム』第34話)。
シールド
裏面にビームキャノン1門とミサイル4発を装備。他の連邦軍MSのシールドより高度な武装化がされており、攻防一体型の多目的複合装備としての性格が強くなっている。これらの火器は牽制用に使われるが、ビームキャノンは独自に稼動用のジェネレーターを備えており、一年戦争時に使用されていたビームライフル程度の威力を持っている。耐ビームコーティングの技術が進んだであろう宇宙世紀0093年においても、ビームの直撃に耐えられる装甲は存在しないので、この武器でもMSを撃墜することは可能。裏面にグリップはなく、マウントパーツによって左腕に装着する。
なお、シールド表面に描かれた一角獣をモチーフとしたマーキングはアムロのパーソナルマークである。また、νガンダムの左肩にはα字状の同種のパーソナルマーク(一角獣のモチーフはない)が描かれている。
ビームサーベル
バックパック(右側)に装備されたメインのサーベル(カスタム・ビームサーベル)と、左腕シールドマウント基部に装備された予備のサーベルが存在する。メインのサーベルは比較的大型で「鍔」を持つ独特な形状をしており、ビームの形状も曲刀状となっているため、専用品だと推測される。長さは異なるが、ゲルググのビームナギナタのように両方からビームの刃が出るほか、増幅装置やエミッターに仕様変更が加えられ、バイアスや形状にアレンジをすることもできる。また、当時一般的だった斬りかかる際のみにビームが出る構造を採用しており、無駄なエネルギーの消費を抑えている(劇中の1シーンからメインのサーベルの出力はサザビーのそれを上回っていたことが推察できる)。予備のサーベルは一般的なものだが、サザビーの攻撃を左腕に受けた際に損傷したようであり、使用は確認されていない。なお、この予備ビームサーベルはシールド装備状態ではラッチが干渉するため、取り出す事は不可能であるように見受けられる。

なお、マニピュレーターにはグリプス戦役時のMSと同様にダミーやトリモチ・ランチャーを装備している。余談だが、劇中において武装を失ったνガンダムはギラ・ドーガからビーム・マシンガンを奪い使用している。ギラ・ドーガもアナハイム製であったためか、使用の際何らかの支障をきたす事は無かった。

[編集] 劇中での活躍

νガンダムはアナハイム社の開発スタッフが総力を結集し、不眠不休の努力のもと3ヶ月で急造された機体ではあったが、それでも「シャアの反乱」における戦況の変化に対応する事はできず、10日も納期を繰り上げられたりとアナハイム社のスタッフは非常に過密なスケジュールの中での開発を余儀なくされていたようだ(サイコ・フレームへの換装作業は発注元であるロンド・ベルへの事前連絡がなされないまま行われたが、これもスケジュールの過密化が原因であったようである)。

物語の冒頭、5thルナをめぐる攻防戦が行われていたあたりの時はまだ機体の組み立てすら完全に終了しておらず、アムロが自ら月に赴いた時には実戦配備が可能となるまでには3日かかると言われた。しかし、サイコミュのテスト中にロンド・ベルから部隊への帰還命令が下されたため、アムロはスタッフの猛反対を押し切り調整もままならない軽装の本機で出撃。そのままシャアのロンデニオン潜入の陽動として展開したネオ・ジオン軍部隊との戦闘へ突入した。後にファンネルや他の武装も届けられ、ラー・カイラム内で戦闘の合間をぬって調整は続けられた。当初ファンネルはアムロの意志に過敏な反応をみせたり、動きが非常に悪く、たやすく敵に撃墜されたりと稼動に問題があったが、整備班の努力により改善されている。

地球寒冷化作戦阻止のためロンド・ベルがアクシズへの核攻撃を遂行した際には第二波として出撃。ネオ・ジオンのMS部隊を一蹴するものの、核ミサイルが全て撃墜されたため作戦は失敗。さらにシャア打倒のためにνガンダムを手に入れようと目論むギュネイ・ガスによりケーラ・スゥが人質にとられてしまう。機体にワイヤーをかけられたアムロは要求どおりにガンダムを明け渡そうとするものの、些細な事で逆上したギュネイがアムロの殺害を命じたためワイヤーより電撃を受け、アムロの苦痛にファンネルが反応して攻撃をおこなったため窮地を脱する。この攻撃によりギュネイは撤退するものの、ケーラは死亡。部下を失った悲しみの中アムロも帰艦する。

アクシズ破壊のため三段構えの作戦をたてたロンド・ベルは再度攻撃を開始。クェス・パラヤの意志を感じたアムロは彼女の搭乗するα・アジールと、その護衛として随伴していたギュネイのヤクト・ドーガらと交戦。2機の高性能機とギラ・ドーガ部隊を相手に互角以上に戦い、一瞬危機に陥るもののファンネルにより展開されたバリアーで難を逃れている。最終的にはギュネイを撃破。クェスも追い詰めるが、アクシズの破壊を優先し止めを刺さずに見逃す。

ガンダムはアクシズに取り付くが、ここでアムロと決着をつけるため待っていたシャアのサザビーと最後の戦いをおこなうことになる。二人の実力は伯仲しており、互いに武器を失い次第に両者とも機体のダメージが蓄積していったが、最終的にはサザビーを撃破する事に成功し、機体より放出されたシャアのイジェクション・ポッドを捕獲する(激突した衝撃でインジェクション・ポッドが誤作動したとの説もある)。ロンド・ベルの工作によりアクシズは内部より爆破され2つに割れたが、作戦ミスによりそのうちの1つ(後方)が地球への落下コースをたどり始め、アムロは破片の落下を阻止するべく機体をアクシズに取り付かせるのだった。その後機体に搭載されていたサイコフレームに人々の想いが共振し、その驚異的な力でアクシズは地球から離れていくが、その後この機体とアムロがどうなったのかは劇中では描写されていない。

本機は決して万全な状態で建造・稼動したとはいえないが(アナハイムの技術者が「(そんな状態で戦場に出たらどうなっても)知りませんよ」とまで言っている)、それでもネオ・ジオンの強力な強化人間であるギュネイ・ガスや高いニュータイプ能力を持ったクェス・パラヤを軽くあしらい、ライバルであるシャアのサザビーとも互角以上に渡り合うあたり、アムロ自身のパイロットとしての素養の高さと共に機体の基本性能の高さが伺われる。最終局面においては、前述のようにサイコフレームに人々の想いが共振することにより、常識を超えた力を発揮した。その驚異的な戦果から、「シャアの反乱」終結後15年の月日を経ても「連邦軍最強のMS」として知られていた。

[編集] メカニカルデザイン

本機はΖガンダムΖΖガンダムと同様にコンペ形式で多数のデザイナーが参加、その中でヴィシャルデザインの鈴木雅久らが中心になって数多くのラフデザインを提出し、最終的に出渕裕によってまとめられている。しかし出渕が「自分の理想を追求した」と述べているように、完成したデザインは彼の意向がかなり強く反映されていることをうかがわせる。

最大の特徴はそれまでのΖガンダムからΖΖガンダムの流れに見られた華美なメカデザインから一転して、原点回帰とも言うべきシンプルな機体デザインとなったことである。メカデザインの面でもターニングポイントとなり、その後の作品の主役メカデザインに大きな影響を与えた。カトキハジメは『ガンダム・センチネル』で自身がΖガンダムからΖΖガンダムの流れを踏まえ、複雑なデザインを考えていたため(Sガンダム)、それと対照的なνガンダムを見た時は衝撃を受けたと回想している。

アムロの最終搭乗機として、後々まで高い人気を誇る。機体色はトリコロールカラーから一転、白と黒を基調としたものになっている。余談だが、歴代ガンダム型MSでフェイスカバー部にある「へ」の字状のスリットが3本入っているのは、νガンダムと、後述のHi-νガンダムのみである。

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[編集] バリエーション

  • Hi-νガンダム
  • 量産型νガンダム
  • νガンダムツインファンネル装備型
  • νガンダムHWS
  • その他
    • μガンダム
    • FA-93S フルアーマーνガンダム
    • PX-00531

[編集] Hi-νガンダム

Hi-νガンダム(ハイ・ニューガンダム、Hi-ν GUNDAM)は、『CCA-MSV』に登場する架空の兵器(型式番号:RX-93-ν2)。

小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の口絵で出渕裕によって描かれた「小説版νガンダム」を基に、1990年のホビージャパンの企画で出渕が再デザインを行い、立体化したものが現在のHi-νの基礎となっている。このデザインを基に、90年代後半になって「νガンダムの強化発展型」という設定で数々のTVゲームに登場し人気を博す。機体カラーはホワイトとやや淡いブルー(もしくは紫)を基調としている。

[編集] 機体解説

機体諸元
Hi-νガンダム
型式番号 RX-93-ν2
所属 地球連邦軍ロンド・ベル
建造 アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン工場
生産形態 ニュータイプ専用試作機
全高 20.0m
頭頂高 不明
本体重量 27.9t
全備重量 不明
ジェネレーター出力 不明
センサー有効半径 不明
装甲材質 ガンダリウム合金
スラスター推力 不明
武装 ビームライフル
カスタム・ビームサーベル×2
ビームサーベル
頭部60mmバルカン砲×2
右腕部マシンガン×1
シールド
フィン・ファンネル×6
ニュー・ハイパー・バズーカ
ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー
主な搭乗者 アムロ・レイ

『νガンダムの強化発展型』としてのHi-νガンダム

詳細は明らかではないが、急造されたνガンダムと違い、十分なテストを重ねて完成された機体であるとされる。 νガンダムの発展型にあたる機体であり、アムロ・レイによって運用される予定であったという。背部にはΖガンダムの様にロングテールバーニアスタビライザーを装備しており、AMBACシステムとスラスターとしての機能をνガンダムより強化されている。それによって大気圏内外において優れた加速性能を発揮すると予想される。さらに背部にフィン・ファンネルラックを2つ装備しており、フィン・ファンネルの再充電機能の役目を果たす。

『小説版νガンダム』としてのHi-νガンダム

マスターグレードハイコンプリートモデルプログレッシブの解説書では、小説版『ベルトーチカ・チルドレン』の内容に合わせた解釈がなされている。Hi-νガンダムを“小説版νガンダム”と同じ位置付けの機体として解説されており、映画のνガンダムに代わってシャアの反乱時に建造され、アムロ・レイが使用した機体であるとしている。サイコ・フレームの技術の入手方法も大きく違っている。アナハイム社を通じて建造段階で組み込まれた映画のνガンダムとは違い、小説版では5thルナにおける戦闘で意図的にシャアが残していったサイコ・ドーガを鹵獲したロンド・ベル隊が、機体からサイコ・フレームの部位を切り出し、νガンダムのコックピット周辺に直接補強板のように溶接した。

だがこれらの解釈は、「ノベライズ版逆襲のシャア」というパラレルワールドの内容に沿った解釈なので、宇宙世紀の公式な作品である、映画「逆襲のシャア」に登場したνガンダムと存在が重複してしまう。 この場合、Hi-νガンダムは宇宙世紀の正史上に存在が成り立たない機体ということになる。

[編集] 武装解説

フィン・ファンネル
最大の特徴は、バックパックにフィン・ファンネルのエネルギーの再充填を可能にするファンネルラックを装備していることである。ファンネルは折りたたまれ、ラックにぶら下がるように発射口を下に向けて装備される。武装はνガンダムに装備されていたものを中心としており、バックパックにはプロペラントタンクを2機装備できる。
ビーム・ライフル
性能・威力など、詳細は不明である。
ビーム・サーベル
カスタムビームサーベルは背部のファンネルラックに各1本づつ、予備のビームサーベルを左碗部に収納する。計3本装備している。
腕部マシンガン
右碗部に一門装備されている。弾丸カートリッジの交換が可能になっている。性能・威力などの詳細は定かではない。
シールド
形状はRX-93νガンダムのものとほぼ同一。裏面にνガンダム同様ビームガン用のジェネレーターを内蔵しているが、砲身または砲口の存在や、具体的な運用方法については設定が存在しておらず、現在のところ不明である。ただし、Hi-νガンダムのフィン・ファンネルの様にシールド先端がコの字になっているために、フィン・ファンネルの様に開放型のビーム発射装置を仕込んでいるのではないかという説が存在する。
ニュー・ハイパー・バズーカ
マスターグレード版Hi-νガンダムに付属している武器。実弾を打ち出すバズーカ。地球連邦軍では代表的なMS用兵器である。同等の規格物をHi-νガンダム用に仕様変更した物である。勿論、射程や弾頭の破壊力は改善されさらに強力にされている。ニュー・ハイパー・バズーカの口径は280mmである。
ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー
角川版小説『ベルトーチカ・チルドレン』ではメガ・バズーカ・ランチャーを使用。ラー・カイラムより伸ばされたエネルギー・ケーブルを本体の機関部に接続し、エネルギー供給を行い発射する。発射のためには莫大なエネルギーを消費し、供給を行う際には一瞬ラー・カイラム艦内の照明が切れるほどであるが、それだけに圧倒的な威力を誇る(エネルギー供給機能は急造のものであった)。作中ではアクシズの核パルス・エンジン破壊のために用意されたが、破壊は失敗している。ちなみに、マスターグレード版Hi-νガンダムには付属していない。

[編集] デザインの変遷

小説『機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の口絵に描かれた"RX-93 νガンダム"が初出である。同小説では映画のνガンダムに相当する機体として描かれているものの、この口絵のデザインやサイコ・フレームの実装される過程や武装などが映画版と異なっている。後の1990年、この小説版のデザインを基にホビージャパンの企画で出渕によって再デザインされ立体化された。

長らく忘れられた存在となっていたが、一つの転機となったのが1998年に発売されたメディアワークス発行の書籍『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』である。それまでファンはHi-νを「νガンダムの別バージョン」的に認識していたが、この資料はHi-νをνガンダムの上位機種と規定し、一部ではあるが機体スペックも掲載した。 この資料の存在がその後のHi-νの知名度の向上、ファンの増加に大きく貢献することになる。 これを受けてプレイステーション用ソフト『リアルロボット戦線』でゲーム初登場を果たし、漫画や小説などの非映像作品のMSも数多く登場させるようになった『SDガンダム GGENERATION-ZERO』や『スーパーロボット大戦α外伝』にてνガンダムの発展系として登場すると、ファンの間で知名度が一気に上がった(ちなみにこの経緯はライバル機であるナイチンゲールにもほぼ共通するものがある)。

しかし、映像媒体に登場する機体ではないこと、その経緯の複雑さから正確にはアンオフィシャルの機体であったが、マスターグレード発売に伴いサンライズ主導のもと、正式にオフィシャル化されている。これに伴い出渕裕自身の手でデザインリファインが行われている。

塗装は長らく紫を基調としたカラーとされていたが、プラモデルマスターグレートでは白と青のカラーリングに変更された。

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[編集] 量産型νガンダム

量産型νガンダム(りょうさんがたニューガンダム)は、『大河原邦男コレクション』(M-MSV) に登場する架空の兵器(型式番号:RX-94)。

[編集] 機体解説

機体諸元
量産型νガンダム
型式番号 RX-94
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
全高 不明
頭頂高 21.2
本体重量 25.6t
全備重量 64.5t(フィンファンネル装備時推定)
58t(インコムパック装備時推定)
ジェネレーター出力 2,500kW
スラスター推力 91,000kg
センサー有効半径 19,400m
装甲材質 ガンダリウム合金
武装 ビームライフル(RX-98と同形)
ビームスプレーガン
ビームサーベル×1
60mmバルカン砲×2
インコムユニット(オプションパック)
フィン・ファンネル(オプションパック)
シールド
シールドビームキャノン
ミサイル×4
主な搭乗者 地球連邦軍一般兵

「シャアの反乱」が長期化した場合を想定し、ジェガン以上の主力量産型MSとして設計されていた機体。コスト高騰のためか、実際に配備された記録はない。

母体となったνガンダム自体、アナハイム社や連邦軍への配慮から量産も可能なように設計されていたため(連邦軍はロンド・ベルへのガンダムタイプMSの配備に消極的で、こうすることによりやっとνガンダム開発の予算がおりたそうである)、量産化にあたりそれほど大きな仕様変更は行われなかったと思われる。

バックパックには一般兵でも扱えるインコムか、フィン・ファンネルのどちらを装備するか選択できる。機体色はリ・ガズィに酷似した青系のカラーリングにまとめられたほか、4本あったブレードアンテナは2本になった。武装面では、ビームスプレーガンを固定武装として右腕部に装備している。その他の武装はνガンダムと共通である。

デザインは大河原邦男

[編集] 武装解説

ビームスプレーガン
右腕の固定装備。
インコム
インコム用バックパック交換で装備できる。
フィンファンネル
フィンファンネル用バックパック交換で装備できる。

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[編集] νガンダム ダブル・フィン・ファンネル装備型

νガンダム(ダブル・フィン・ファンネル装備型)(ニューガンダム(ダブル・フィン・ファンネルそうびがた)ν GUNDAM DFF)は『CCA-MSV』に登場するνガンダムのバリエーション。

[編集] 機体解説

バックパックのサーベルラックをフィン・ファンネルのジョイントに置き換え、左右にフィン・ファンネルを装備できるようにした機体。合計12個ものフィンファンネルを装備している。

そして、バックパック両側面にサーベルラックを各1つ合計2つ追加している。それにあわせてビームサーベルが合計2つになっている。

ホビー誌でもよく取上げられ、様々な作例が作られている。

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[編集] νガンダム ヘビーウェポンシステム装備型

νガンダム(ヘビーウェポンシステム装備型)(ニューガンダム(ヘビー・ウエポン・システムそうびがた)、ν GUNDAM HWS)は『CCA-MSV』に登場するMS。(型式番号:FA-93HWS)

[編集] 機体解説

フルアーマーガンダムの構想を、νガンダムに継承したと言える機体。スラスター付きの追加装甲を全身に装着し、機動性を損なわず防御力を向上させている。シールドも分厚く大型化しているが、バーニアの配置上狭い方を上向き(アムロのパーソナルマークが、本体左肩のものとは上下逆となる)にマウントしているのが特徴的である。また、ハイパーメガライフルを装備し、火力の強化も図られている。

ホビー誌でもよく取上げられ、様々な作例が作られ、SDではキット化もしている。モデルグラフィックス誌版ではEx-SガンダムのIフィールド発生装置と似た追加の中央胸部装甲が装備されたνガンダムHWSも存在する。

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[編集] YRA-90A μガンダム

PC-9801用ゲーム『機動戦士ガンダム ADVANCED OPERATION』に登場する。詳しくはμガンダムを参照。

[編集] その他のバリエーション

[編集] FA-93S フルアーマーνガンダム

『機動戦士ガンダム MS大全集』に登場。

[編集] PX-00531

漫画機動戦士ガンダム ジオンの再興』に登場する。νガンダムの試作型でサイコミュは搭載していない。テストの為に地上に下ろされた際にネオ・ジオン軍の襲撃に遭遇し、輸送担当者の独断で戦闘に投入されたが、オーパーヒートを起こして撃破されてしまった。その為νガンダムの完成は遅れることになってしまった。ちなみに「00531」は生産工場における製造番号。

[編集] RX-92LAS Gコマンダー

漫画『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に登場。宇宙用のヘビーウェポンシステムと対を成す陸戦用の重装化プラン(形式番号のLASはLand Armor Systemの略)であり、シールド等は共通のものを装備している。母機としてPX-00531同様のνガンダム試作型 (RX-92B) を使用している。全備状態は非常に大型な機動兵器となり、およそモビルアーマーに近い様相となる。その巨体を機動させる為、移動システムにはホバーを採用している模様。

[編集] νガンダム FAMAS仕様

漫画『機動戦士ガンダムReon』に登場。νガンダムのアッパーバージョンである。ガンダムReon奪取の為にFAMASのレディスが搭乗した。最大の特徴はフィン・ファンネルの搭載数を増加されたことと、外観も黒い塗装に変更されたことである。


[編集] 武者νガンダム

機体諸元
武者νガンダム
型式番号 RX-93 (TYPE-M)
所属 地球連邦軍
全高 25.5m
頭頂高 不明
本体重量 59.9t
全備重量 61.3t
ジェネレーター出力 7,240kw
センサー有効半径 不明
装甲材質 ガンダリウム合金
スラスター推力 不明
武装 サイコミュソード「妖剣ムラマサ」
60ミリバルカン
ビームサーベル

『SD戦国伝』シリーズとは別に、宇宙世紀の世界観上で展開されたコミックボンボンのオリジナルストーリー「プロジェクトMUSHA」に登場する(1989年3月号掲載)。地球連邦軍の機体である。

[編集] 機体解説

木星の宇宙海賊掃討を目的として始動した連邦軍の「プロジェクトMUSHA」機体群の内のひとつ。サイド2で建造されたνガンダムのレプリカをベースに開発された機体。その名が示すとおり、旧世紀の日本の鎧武者を模した外観が大きな特徴となっている。サイコミュソード「妖剣ムラマサ」を装備したニュータイプ専用機である。

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[編集] 関連項目

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