LP 944-20
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LP 944-20はろ座にある褐色矮星。はじめてフレア現象が観測された褐色矮星である。
データ 元期 J2000 |
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星座 | ろ座 |
赤経 | 03h 39m 35.2s |
赤緯 | -35° 25' 41" |
視等級 (V) | 18.50 |
特徴 | |
スペクトル分類 | M9.0 V |
色指数 (B-V) | ? |
色指数 (U-B) | ? |
変光星型 | 閃光星 |
アストロメトリー | |
視線速度 (Rv) | ? km/s |
固有運動 (μ) | 赤経: 324.18ミリ秒/年 赤緯: 296.08ミリ秒/年 |
年周視差 (π) | 201.4 ± 4.2ミリ秒 |
距離 | 16.19 ± 0.34 光年 (4.966 ± 0.104 パーセク) |
絶対等級 (MV) | 20.02 |
詳細 | |
質量 | 0.06 M☉ |
半径 | 0.10 R☉ |
光度 | 0.000145 L☉ |
表面温度 | ? K |
金属量 | > 100%(太陽比) |
自転周期 | < 5hour |
年齢 | 3.2-6.5 × 108 年 |
他の名称 | |
2MASS J03393521-3525440, 2MASSW J0339352-352544, APMPM J0340-3526, BRI 0337-3535, BRI B0337-3535, LEHPM 3451, N3 9 ,NS 0339-3525
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目次 |
[編集] 概要
1975年にWillem Jacobがこの星を発見した当時は小さく暗い赤色矮星と考えられていた。1998年になってChris G. TinneyはLP 944-20の大気中にリチウムが存在することを発見した。恒星であれば核融合反応によりリチウムは速やかに失われるので、太陽の約6%という質量から考えてこの天体は褐色矮星であると判断された。
LP 944-20は重元素に富んでおり、非常に若い天体であると推測される。モデルからは4.75-6.50億年と計算されたが、空間運動からカストル運動星群に属しているとも考えられ、その場合はさらに若い3.20億年である。
[編集] フレア
誕生間もない褐色矮星は、重水素核融合を起こして輝く。しかし、重水素はわずかしか存在しないので、すぐに核融合反応は停止する。その後は核融合反応の余熱と重力収縮によって、わずかに赤外線を放射し冷えていく一方である。このように、褐色矮星は概して不活発であると考えられていた。
1999年12月5日、NASAのチャンドラX線観測衛星はLP 944-20からのX線フレア現象を2時間にわたって捉え、多くの天文学者を驚かせた(「吼えるネズミ」と表現された)。このフレア現象のエネルギーは、太陽の小規模フレアに匹敵するもので、木星で観測されたX線フレア現象と比較すると10億倍もの規模であった。
当初、フレアは持続的なものであり、エネルギー源は磁場のねじれと考えられたが、2001年にLP 944-20のフレア現象には休止期があることが発見され、磁場も赤色矮星と比較して弱いことがわかった。これを説明するものとして、星内部の乱流によって磁場が集積し、稀に激しいフレアを起こすと考えられた。