K-1 ダイナマイト
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『K-1 ダイナマイト』(けーわんだいなまいと)は、1998年4月号から2001年2月号までコロコロコミックにて連載されていた漫画作品。単行本は全8巻。作者は坂井孝行。監修は当時の正道会館館長、石井和義。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 物語
世界最強をめざす小学5年生の大奈舞人が、親の下を離れ名門校に入学し空手部に入部する。初心者でありながらその戦いぶりを偶然、アンディ・フグに目をつけられ舞人は様々なライバルと戦いながら成長していく。
[編集] ストーリーの流れ
全34話(番外編含め37話)
- 修行編
- 1話~7話(1巻~2巻)
- 名門校の空手部に入部した舞人は、初心者ながらある部員との戦いを見たアンディ・フグから正道会館に誘われる。舞人は初心者故の困難に立ち向かいながら日々の特訓に励む。
- カルネアデス編
- 8話~16話(2巻~4巻)
- 強い格闘家の育成と来るK-1ジュニアGPの正道空手代表を選出する為に船上合宿「カルネアデス計画」が行われる。しかし、他の空手家を襲う仮面の男が突如現れ、濡れ衣を着せられた舞人は隠れながら仮面の男との戦うため修行に励む。
- K-1ジュニアGP編
- 17話~30話(4巻~7巻)
- 汚名が晴れ参加者全員の推薦で代表に選ばれた舞人は、K-1ジュニアGPで様々な格闘技の代表と仲間になり戦っていく。ところが、カルネアデス計画を妨害したタクマを含む格闘技集団「ビースト」の暗躍により大会は不穏な状況が続く。
- ビースト編
- 31話~34話(7巻~8巻)
- 「ビースト」へ向かったC4と舞人はその悪しき実態を知る事になる。そんな中タクマは究極の殺人奥義を完成させてしまうが、舞人はC4の救出の為タクマと対戦する。
特別編
- K-1超闘士列伝アンディ・フグ物語 鋼鉄の魂(1巻収録)
- K-1超闘士列伝ピーター・アーツ物語(2巻収録)
- K-1武神列伝アンディ・フグ物語2 前・後編(4巻収録)
- K-1武神列伝アーネスト・ホースト物語 紲 前・後編(6巻収録)
- アンディからの果たし状(5巻収録)
- 永遠のライバル(8巻収録)
- 魂(8巻収録)
[編集] 主な登場人物
- 大奈舞人(だいな まいと)
- 格闘経験ゼロながらも仲間と共に世界最強をめざす空手家。母親はいわゆる教育ママで過保護。「空手は野蛮」として許してくれなかったため、猛勉強の末に家から遠く離れた私立名門校に入学した。その後、アンディ・フグに見込まれてK計画(ケイプロジェクト)のメンバーに選ばれ、正道会館で特訓して、K-1ジュニアGPに出場した。いつも「最強」と書いてあるグローブを身に付けている。得意技はローキック、ハイキック、アンディ直伝の踵落としなど。K-1グッズを集めるコレクターの面もある。名前は「ダイナマイト」から。なお、この漫画の初期のレギュラーキャラの名前の由来は「爆発」に関係している。
- 岡本主将
- 舞人が入学した名門校の空手部主将。舞人と共に正道会館に入る。本名は「岡本太郎」。
- C4
- 本名、クリス・ククトミューゼン・C・カスダン(頭文字の4文字が全てCであることから、通称C4)。オランダのキックボクサーで、義理堅くクールな性格だが内に秘める熱さは舞人と同じものを持つ。K-1ジュニアGPの準備の大会では全戦全勝し、そのすべてがラウンド30秒以内のKOで勝利しているほど圧倒的な強さを持つ。後にK-1ジュニアGPで舞人と決勝戦で戦う。名前は「コンポジションC-4(プラスチック爆弾の正式名称)」から。
- 幼い頃、双子の兄ニトロとのスパーリング中グローブが裂けて、ニトロの左眼に傷を負わせてしまい、そのショックでストレスがたまって攻撃をするたびに血液の移動により一時的に目が見えなくなる「黒視症」という症状が出るようになったが、K-1ジュニアGPでニトロとの試合中に克服する。
- アンディ・フグ
- 96年のK-1GPのチャンピオンであり、正道会館の師範代。全門下生の憧れの的であり、舞人を正道空手の道へ誘い、K計画の候補に推薦した人物である。連載途中でアンディが白血病で亡くなったため、別冊コロコロコミックにて特別編「アンディからの果たし状」(単行本5巻収録)が掲載された。
- ニトロ
- C4の双子の兄。幼い頃C4とのスパーリング中C4のグローブが裂けて、左眼に傷を負って、視力が急激に下がってしまう。K-1ジュニアGPでは準々決勝で弟のC4と兄弟対決し、激闘の末KO敗け。殺人集団ビーストにいたときにはファング・シャットと名乗っていた。C4に敗れた後、組織を抜けた。名前は起爆剤の「ニトログリセリン」から。傷を見られないようにする為か、普段はサングラスを掛けている。
- 地雷元(じらい げん)
- 正道会館少年部の四天王の一人。舞人のよき友人でありK-1ジュニアGPでは舞人のセコンドをつとめていた。殺人集団ビーストにいたが、舞人に心を動かされ、組織を抜けた。機械に弱い。名前は「地雷原」から。
- 勝火山(かつ かざん)
- 正道会館少年部の四天王の一人。舞人の友で琉球空手の使い手。「突き」の腕前は素手の状態でサンドバッグを貫通するほど。過去に武器を持った相手から不意打ちを受け額に傷を負った経験から「どんな手を使っても勝つ」という考え方を持っていたが、舞人に心をうごかされてそのような戦法をやめた。名前は「活火山」から。
- 海溝猛(かいこう たけし)
- 正道会館少年部の四天王の一人。大柄。性格が優しく、フェア精神を持っていたため、ビーストのスパイ(地雷)と戦った際、怪我をしている相手の足を攻撃しなかったため倒された。家には三人の姉がおり、日頃から炊事・洗濯・掃除などの家事をやらされている。
- マイケル・スピードウェイ
- アメリカのボクサー。サウスポー。得意技はフリッカージャブ、アタックジャブ。いつもキャンディーをなめている。自分の格闘技に誇りを持っており、純粋にボクシングで世界を極めたいという思いからボクシング以外の一切の格闘技を学んでいない。そのためキックはおろか、足技に対するガードすらできない。下瀬とのストリートファイトで左腕の骨にひびが入り、タクマとの試合で左腕の骨を折られた。K-1ジュニアGPベスト8。
- 下瀬火也(しもせ かや)
- 舞人が空手と出会うきっかけとなった人物。幼い頃いじめっ子に奪われたゲームを取り返してくれた下瀬に舞人が憧れを抱いた事からすべてが始まった。下瀬も舞人と同じく憧れの人に助けてもらったことから空手を始めた。が、その人が交通事故で亡くなったため、自分以外の人間や未来、特定の物事に対して信頼を置けなくなり、空手をやめて詠春拳やテコンドー、ボクシングなど世界各国で13の格闘技を学んだ。舞人とK-1ジュニアGPの準々決勝で対戦して敗北した。K-1ジュニアGPベスト8。名前は旧日本軍で使用された「下瀬火薬」から。
- ラジャ・ダムナン
- ムエタイを得意とするタイの戦士。普段は明るく陽気な性格だが、試合では運のいい一発に見せかけて相手を倒し、自分の実力はほとんど出さず、研究させない知能派ファイター。「影の帝王」(シャドウ・カイザー)と呼ばれている。ひそかに彼女がいる。タクマの完成型B×B×Bを最初に受けた。名前はタイのムエタイ専用スタジアム「ラジャダムナン・スタジアム」から。
- タクマ
- 本名又拓摩(また たくま)。殺人集団ビーストのリーダーで元正道会館少年部の四天王。K-1ジュニアGP出場の際は「ティベリウス・N・タクマ」と名乗っていた。長らく封印されていたビーストに伝わる最強奥義「B×B×B(ビーキュービック)」の完成のためC4を地図には載っていないビーストの本拠地ダンデス・インフェルノ島へ幽閉し人質兼練習台にした。舞人との決闘の末、敗北して以後、改心して火山や地雷の元に時々顔を見せた。名前は「ティベリウス・N・タクマ」の頭文字を取ると火薬の主成分である「T,N,T」になる。「又拓摩」のほうは爆発とは関係ないが、「瞬く間」から。
- 一撃のおっちゃん
- 本名は不明。タクシー運転手としては度々登場するが、カルネアデス号の船長やK-1ジュニアGPでのレフェリーなどもやっていた。乗っているタクシーの名は「一撃タクシー」。舞人からの呼称は「一撃のおっちゃん」。
- 彼のタクシーには常識的に考えると、明らかに不自然なオプションがいくつか備え付けられている。また、劇中での本人の台詞から、過去に数奇な出来事(UFOに追い回された、南極基地の爆破事件に巻き込まれた等)を体験しているようだ。
- アプサラス
- ビーストの一員。この漫画の数少ない女性。気を物体として操り戦う。いじめられていた自分を助け気の力を見出したタクマに心酔している。名前の由来はインド神話に登場する精霊「アプサラス」と思われる。
- ケルベロス
- B×B×B(ビーキュービック)の実験台となった死者たちが捨てられる地下の番人(本人の台詞によると約15年は地下にいる)。地下には無数のワイヤーが張り巡らされていて、それをつたって移動していた。名前の由来はギリシャ神話に登場する地獄の番犬「ケルベロス」。
[編集] 技
K-1ダイナマイトに登場するオリジナル技。
[編集] 舞人の技
- 正道空手奥義「天魔」(アルティメット・マイト・ザ・グレート)
- 高速戦闘に持ち込み相手の攻撃精度を落としたところで一気にしかけてとどめをさす、究極の交差法の集合体。とどめをさすとき、相手の腕にのり、顔面に膝蹴りをくらわせる。「アルティメット・マイト・ザ・グレート」は舞人がつけた名前。似た攻撃にプロレス技の「シャイニング・ウィザード」がある。
- G・G
[編集] c4の技
- チムニー・ダウンボウ
- キックで相手の首を蹴り上げる獣技(ビーストスキル)「チムニー・アップボウ」の技を逆にしたもの。
- ジャンプして下にいる相手の首をこすり下げる技。
- 千手観音の眼(アイズ・オブ・アヴァローキテーシュヴァラ)
- 本編には登場せず、単行本8巻の特別編に登場した。c4は黒視症のため相手に目のピントを合わせないで、ぼんやりと視界全体を見るようなり、目ではなく気配で見るようになった。気配で相手の動きを読んで、技を見切る最強の技。K-1ジュニアGP決勝戦で舞人を敗った技。
[編集] 下瀬の技
- 嵐の鉄槌(ストーム・ハンマー)
- 得意技「嵐」と「鉄槌」を組み合わせたもの。相手と自分の体勢、目線、わざと作るガードの隙などによって相手の攻撃を誘導して強烈なキックで反撃をする技。
- 二重鉄槌(ダブル・ハンマー)
- 得意技、「鉄槌」を相手にガードする隙をあたえず、二回連続で打つ技。
[編集] 獣技(ビースト・スキル)
- ビーストの一員が使う技。その原点は古代ローマの剣闘士であり、その性格上、相手を倒すのではなく壊すため技(正中線を狙う等)が多い。また、技の欠点が相手に分析されるのを防ぐため、技を使用するには組織の許可を必要とする。
- ペンタルファ・クラッシュ
- 相手の体の5個所を高速でつく技。当たり所が悪ければ、骨折、死亡もある。C4に破られた後は出てこなくなった。
- へリングボーン・ダウン
- 腕が相手の腕にもつれたと見せかけ関節をきめて、ダウンすると見せかけて骨を折る技。関節技。
- チムニー・アップボウ
- しゃがんで相手の首をキックで蹴り上げる技。鍛えていなければ首の骨が折れてしまう可能性がある。ニトロの得意技。
- B×B×B(ビーキュービック)
- 獣技の究極奥義。三つの足技で構成されていてBEAST(ビースト)で相手の関節をきめて、BONE(ボーン)で骨を折り、BLOOD(ブラッド)でとどめをさす最強の技。
[編集] 逸話
- この作品はタクマの獣技などグロテスクな描写や、登場人物が小学生に見えないほど逞しい体をしているなど、当時のコロコロコミックの連載作品としては異色を放っていた。
- 2000年にアンディフグが急死した際は作品内に追悼コメントが記載された。また、それ以降の物語ではアンディは一切登場していない。