計器飛行方式
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計器飛行方式 (IFR: Instrument Flight Rules 正確には『計器飛行方式による飛行』) とは、航空機の計器および目視の両方を駆使し、常に航空管制官の指示に従って行う飛行、および運航情報官が提供する情報を常時聴取して行う飛行のことである。
一方、『計器飛行』とは、肉眼に頼ることなく計器のみで飛行することを言う。この二つの区別に注意が必要である。
たとえIFR中であったとしても、好天下では自機の航路上に有視界飛行で飛行中の航空機がいる事もあるので、窓の外を肉眼で目視することも必要である。 また、飛行中に有視界飛行からIFRに切り替える事も(その逆も)出来る。
IFRを行うときは、出発の二時間より前に飛行計画書を提出する。この飛行計画書と近隣の管制区からの通報に基づいて、管制官は自分の担当区域の航空交通を把握している。 よって、IFRでは雲の中で全く窓の外が見えないような状態であっても、計器によって現在位置や高度を正確に把握し、管制官の指示によって、飛行中の他の航空機や山などの障害物を避けながら安全に飛行を続けられる。今日では、たとえ雲一つない晴天下でも、定期便の航空機はすべてこの方式で運航されている。また、悪天候下では定期便であるかどうかにかかわらず、すべての固定翼機はIFRで飛行しなければならない。計器飛行およびIFRを行うには計器飛行証明という免許を取得しなければならない。