菊地成孔
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菊地 成孔(きくち なるよし、1963年6月14日 - )は千葉県銚子市出身のジャズミュージシャン、文筆家、作曲&作詞家。上智大学中退。[1]、音楽学校メーザー・ハウス卒業。兄は作家の菊地秀行。
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[編集] 来歴・人物
スタジオミュージシャンとしても多くのミュージシャンとセッションし、アイドルからアニメ音楽まで多くのジャンルを跨って雑多に活動している。関わるジャンルは、ジャズはもちろんのこと、ポップ、前衛、クラブなど、幅広い。フェイバリット・アーティストはジャズミュージシャンのマイルス・デイヴィス始め数多いが、その一方、大のゴダール(映画監督)好きでも知られる。本人はこれをして「ゴダール学部マイルス学科卒業」と称する。
私塾「私立ペンギン音楽大学」を主宰するほか、アテネフランセ映画美学校の音楽美学講座メソッド科主任講師(ただし、メソッド科の講師は菊地 一人だけ)、東京大学教養学部(04-05)、国立音楽大学(06-)、東京芸術大学(07-)、慶應義塾大学(08-)などでも非常勤講師を務める。
執筆家としても多数の著書があり、雑誌への寄稿・連載なども多くしている。
現在は新宿歌舞伎町に仕事場を設け、「歌舞伎町の住人」としてメディアで紹介されることがある。
クイック・ジャパン52号にインリン・オブ・ジョイトイとのデート企画(菊地とインリンが東京各地を巡りながら対談する)が掲載された。その後記で、菊地はインリンに向けて「アメリカは嫌いだが、プレイメイトは素晴らしいと思っている」というインリンの矛盾を興味深く感じている」と発言した。ところが、インリンは自身の公式ホームページの掲示板で「アメリカ的性愛表現とアメリカの政策はまったく別。私の発言内容に矛盾はなく、菊地の発言は侮辱」と猛反論。菊地がインリン掲示板で反論の書き込みを行ったため、一時期、この2人はネットバトルの様相を呈していた。あまりの惨状に、菊地は「webでの論争は不毛。公開論争を行わないか?」と提案したものの、インリンは拒絶した。最終的に菊地がインリン公式ホームページの掲示板で謝罪し、論争は収束した。
[編集] 沿革
- 1986年 - メーザーハウスでの仲間を中心にTIPOGRAPHICAを結成
- 1992年 - SPANK HAPPY結成(第一期)、メンバーはハラミドリ(Vo)菊地成孔(Sax)河野伸(Key)
- 1993年 - 山下洋輔ニュー・トリオに参加、菊地成孔トリオ活動開始
- 1995年 - 大友良英のGROUND-ZEROに参加
- 1997年 - 11月にSPANK HAPPYから河野伸が脱退。
- TIPOGRAPHICA解散
- 1998年 - 10月にSPANK HAPPYからハラミドリが脱退、活動停止を余儀なくされる。
- 1999年 - 東京ザヴィヌルバッハ開始、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN始動
- 2000年 - 岩澤瞳をヴォーカルに迎え、SPANK HAPPYを再開(第二期)。
- 2002年 - 「ペンギン音楽大学」創立
- 2003年 - 初エッセイ集『スペインの宇宙食』刊行
- 2004年 - 東京大学駒場キャンパスにて音楽講義
- 「12音平均律→バークリーメソッド→MIDIを経由する近・現代商業音楽史」
- 菊地成孔名義でジャズリーダーアルバムを初リリース
- 歌舞伎町のミッドナイト・フットボール 世界の9年間とコマ劇場裏の6日間』を刊行
- 講義録『憂鬱と官能を教えた学校 「バークリー・メソッド」によって俯瞰される20世紀商業音楽史』刊行
- 4月5日、SPANK HAPPYから岩澤瞳が脱退。
- SPANK HAPPY解散
- 菊地成孔ダブ・セクステット結成。メンバーは菊地成孔(ts) 類家心平(tp) 坪口昌恭(p) 鈴木正人(b) 本田珠也(ds) パードン木村(dub)
[編集] 音楽作品
[編集] アコースティック・ジャズ
- Degustation à Jazz(ewe、2004年4月)
- Chansons extraites de Degustation à Jazz(ewe、2004年4月)
- Degustation à Jazz authentique/Bleu(ewe、2004年10月)
- 南米のエリザベス・テイラー(ewe、2005年5月)
- オリジナルサウンドトラック『大停電の夜に Wait Until Dark』(ewe、2005年11月)
- cure jazz (2006年7月, SPEEDSTAR)※UA×菊地成孔名義
- オリジナルサウンドトラック『パビリオン山椒魚』(ewe、2006年9月)
- 野生の思考(la pensee sauvage)(ewe、2006年10月)※菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール名義
- THE REVOLUTION WILL NOT BE COMPUTERIZED/菊地成孔ダブ・セクステット(ewe、2007年12月)
[編集] DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
詳細はDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENを参照
- PAN-AMERICAN BEEF STAKE ART FEDERATION'S(P-Vine、2001年7月)※ROVOとのスプリットシングル
- REPORT FROM IRON MOUNTAIN(P-Vine、2001年8月)
- GENERAL REPRESENTATION PRODUCTS CHAIN DRASTISM(リミックス盤)(P-Vine、2002年11月)
- MUSICAL FROM CHAOS(ライブ盤)(P-Vine、2003年6月)
- Structure Et Force(P-Vine、2003年9月)
- STAIN ALIVE/FAME/PAN-AMERICAN/BEEF STAKE ART FEDERATION 2(コロムビア、2004年9月)
- MUSICAL FROM CHAOS2(ライブ盤)(コロムビア、2005年3月)
- MUSICAL FROM CHAOS3 花旗"Hoa-ky"(P-Vine、2007年12月)
[編集] SPANK HAPPY
詳細はSPANK HAPPYを参照
- 第一期 - ハラミドリ(Vo)菊地成孔(Sax)河野伸(Key)
- 走り泣く乙女(東芝EMI、1994年8月)マキシシングル
- My Name Is(東芝EMI、1994年9月)ミニアルバム
- 僕は楽器/泣く方法(東芝EMI、1994年12月)シングル
- 空飛ぶ花嫁(東芝EMI、1995年5月)シングル
- Freak Smile(東芝EMI、1995年5月)アルバム
- Chocolate Falk Song(東芝EMI、1995年5月)シングル
- 第二期 - 菊地成孔(Vo,Sax)岩沢瞳(vo)
- インターナショナル・クライン・ブルー(ベルウッドレコード、2001年11月)マキシシングル
- ANGELIC(ベルウッドレコード、2002年4月)マキシシングル
- Computer House of Mode(キングレコード、2002年9月)アルバム
- VENDOME,LA SICK KAISEKI(キングレコード、2003年12月)アルバム
- 普通の恋(compactsounds、2004年1月)マキシシングル ※菊地成孔 feat.岩澤瞳名義
[編集] サイドマンとしての参加
- 大友良英ニュー・ジャズ・クインテット(1999年結成時より参加、2004年2月に脱退)
- 東京ザヴィヌルバッハ(1999年1月の結成時より参加)
- ライブ・イン・東京(自主制作盤、2001年2月)廃盤
- Hamlet on the Highway(自主制作盤、2001年6月)
- Cool Cluster(ewe、2002年4月)
- Vogue Africa(ewe、2003年3月)
- a8v(on the Earth)(ewe、2004年8月)
- Vogue Africa "Naked"(ewe、2006年1月)
- SWEET METALLIC(ewe、2008年4月)
[編集] セッションワーク
- BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS Track 6 : 半野喜弘 vs 菊地成孔 (LASTRUM Music、2006年7月20日)
[編集] 作詞家として
- 山本麻里安 ヴィーナスと小さな神様
- AHH!FOLLY JET ハッピーバースデー
[編集] 書籍
[編集] 主著・共著
- スペインの宇宙食(小学館、2003年9月)
- 歌舞伎町のミッドナイト・フットボール―世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間(小学館、2004年7月)
- 憂鬱と官能を教えた学校(河出書房新社、2004年9月)※大谷能生との共著
- 東京大学のアルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録・歴史編(メディア総合研究所、2005年5月)※大谷能生との共著
- サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍 ~僕は生まれてから5年間だけ格闘技を見なかった~(白夜書房、2005年5月)
- CDは株券ではない(ぴあ、2005年8月)
- 200CD 菊地成孔セレクション -ロックとフォークのない20世紀-(学習研究社、2005年11月)
- 東京大学のアルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録・キーワード編(メディア総合研究所、2006年3月)※大谷能生との共著
- 聴き飽きない人々 <ロックとフォークのない20世紀>対談集完全版(学習研究社、2007年3月)※大谷能生、岡村詩野、高見一樹、D、長嶺修、沼田順、村井康司、yoshi-pとの共著
- 服は何故音楽を必要とするのか? 「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達についての考察(INFASパブリケーションズ、2008年3月)
- M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究(エスクワイア マガジン ジャパン、2008年3月)※大谷能生との共著
[編集] 寄稿・連載
- 「ジョンの領域」という洒落はもう誰かがどこかで言っているに決まっている - ユリイカ 1997年1月号 特集 ジョンゾーン「音楽と音とは関係ない」p.112-118(青土社、1996年12月)
- ミスタードーナッツのシュトックハウゼン - ユリイカ 1998年3月号 特集 解体する[音楽]Dissolving "Music"シュトックハウゼンからストック、ハウゼン&ウォークマンまで p.72-84(青土社、1998年2月)※書籍『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』に収録
- (パタル・パタフィジークによる)危機の数は13 - ユリイカ 2000年4月号 特集 ボリス・ヴィアン(青土社、2000年3月)※書籍『スペインの宇宙食』に収録。その際に「(パタフィジークによる)危機の数は13」と改題されている。
- 菊地成孔のひとりマニュ穴 全81回- マニュアル・オブ・エラーズのサイト内にて連載(マニュアル・オブ・エラーズ、1999年10月1日~2000年6月2日)※書籍『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』に収録
- 服は何故音楽を必要とするのか?~ウォーキング・ミュージックという存在しないジャンルから召還された音楽達についての分析と考察~ - ファッションニュース(INFASパブリケーションズ、200?年?月~)
- エレガンスの伴奏(21世紀の姫君に送る) - Frau(講談社、200?年?月~)
- 武器だけが買えない、この国の男達へ - カタロガー(インフォバーン、200?年?月~)
- CDは株券ではない 全25回- bounce.com(TOWER RECORD、2003年10月3日~2005年9月29日)※書籍『CDは株券ではない』として2005年8月に刊行
- 菊地成孔のチアー&ジャッジ - bounce.com(TOWER RECORDS、2005年10月6日~2006年12月28日)
- 銀座で死にたい - 銀座王子ホールマガジン(銀座 王子ホール、2007年春号〜)
- 菊地成孔のBED SIDE MTV - MTV PAPER(MTV、2007年8月〜)
[編集] テレビ・ラジオ
- 「WANTED!」水曜日(大谷能生と共同)JFN系34局ネット27:00~29:00(木曜3:00~5:00) 2005年4月4日~2006年3月29日
- 「THE UNIVERSE」火曜日 J-WAVE 26:00~28:00 2006年10月2日~2007年9月25日
- 「知るを楽しむ」 NHK教育テレビ(マイルス・デイビス 帝王のマジック)2007年5月8日~5月29日
- 「菊地成孔の今夜は俺はひとりで」 TBSラジオラジオワールド 2007年11月18日
[編集] 外部リンク
- PELISSE - 公式サイト
- TIPOGRAPHICA - バンド公式ホームページ
- Date Course Pentagon Royal Garden - レコード会社内ホームページ