脱解尼師今
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脱解尼師今 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 탈해 이사금 |
漢字: | 脱解尼師今 |
平仮名: (日本語読み仮名) |
だっかい・にしきん |
片仮名: (現地語読み仮名) |
タルヘ・イサグム (タレ・イサグム) |
ラテン文字転写: | Talhae Isageum |
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脱解尼師今(だっかい にしきん、生年不詳 - 80年)は、新羅の第4代の王(在位:57年 - 80年)であり、姓は昔(ソク)、名は脱解。吐解尼師今(とかい にしきん、토해 이사금、トヘ・イサグム)とも記される。第2代の南解次次雄の娘の阿孝夫人の婿。新羅の王族3姓(朴・昔・金)のうちの昔氏始祖。
目次 |
[編集] 即位まで(誕生説話)
『三国史記』新羅本紀・脱解尼師今紀は、誕生及び即位については以下のように記している。
倭国の東北一千里のところにある多婆那国[1]で、その王が女国(不明)の王女を妻に迎えて王妃とし、妊娠してから7年の後に大きな卵を生んだ。王は王妃に向かって、人でありながら卵を生むというのは不吉であり、卵を捨て去るように言った。しかし王妃は卵を捨てることに忍びず、卵を絹に包んで宝物と一緒に箱に入れて海に流した。[2]やがて箱は金官国に流れ着いたが、その国の人々は怪しんで箱を引き上げようとはしなかった。箱はさらに流れて、辰韓の阿珍浦(慶尚北道慶州市)の浜辺に打ち上げられた。そこで老婆の手で箱が開けられ、中から一人の男の子が出てきた。このとき、新羅の赫居世居西干の39年(紀元前19年)であったという。老婆がその男の子を育てると、成長するにしたがって風格が優れ、知識が人並みならぬものになった。姓名がわからなかったので、箱が流れ着いたときに鵲(カササギ)がそばにいたことから鵲の字を略して「昔」を姓とし、箱を開いて生まれ出てきたことから「脱解」を名とした、という。長じて第2代南解次次雄5年(8年)にその娘を娶り、10年には大輔の位について軍事・国政を委任された。南解次次雄が死去したときに儒理尼師今に王位を譲られかけたが、「賢者は歯の数が多い」という当時の風説を元に餅を噛んで歯型の数を比べ、儒理尼師今に王位を継がせた。儒理尼師今が57年10月に死去したときには、王(儒理尼師今)の遺命に従って脱解が王位についた。
[編集] 治世
百済の多婁王と蛙山城(忠清北道報恩郡)をめぐって度々戦争があった。また73年、倭人が木出島[3]に進入してきたが、角干(1等官の伊伐飡の別名)の羽烏を派遣したが勝てず、羽烏は戦死した。77年には伽耶と戦って大勝した阿飡(6等官)の吉門を波珍飡(4等官)に引き上げた。
65年には後の金氏王統の始祖となる金閼智(第13代味鄒尼師今の7世祖)を瓠公が発見し、跡継ぎとして養育することとなった。実際には脱解尼師今の後は儒理尼師今の子が王位を継いで婆娑尼師今となり、儒理尼師今系の4人の王の後で脱解尼師今の孫が伐休尼師今が王位につくという複雑な継承となり、金氏の王統がただちに立てられたわけではなかった。詳細は朝鮮の君主一覧#新羅の王系図参照。
在位24年にして80年8月に死去し、首都金城(慶州市)の北壌井丘に葬られた。
[編集] 脚注
- ^ 「脱解本多婆那國所生也 其國在倭國東北一千里」昔脱解が船で渡来した人物であることを示す挿話などと併せて、日本列島内に所在すると見る向きが多く、丹波国(→上垣外2003 p.70)、但馬国、肥後国玉名郡などに比定する説がある。また、新羅人の地理的知識の増加に伴って『三国志』に見える西域の小国の名を借りたか西域の楽神の乾達婆信仰に由来する国名に改めたものであり、倭国の東北とする文言も後世の挿入とみる説もある(→井上訳注1980 p.35)。なお『三国遺事』では脱解の出身地は多婆那国ではなく龍城国とされる。
- ^ 「初其國王 娶女國王女爲妻 有娠七年 乃生大卵 王曰 人而生卵不祥也 宜棄之 其女不忍 以帛裹卵並寶物置於(木へんに賣)中 浮於海」
- ^ 慶尚南道蔚山広域市の目島と比定する説が有力。(→井上訳注1980)
[編集] 参考文献
- 『三国史記』第1巻 金富軾撰 井上秀雄訳注、平凡社〈東洋文庫372〉、1980 ISBN 4-582-80372-5
- 『三国遺事』一然撰 坪井九馬三・日下寛校訂<文科大学史誌叢書>東京、1904(国立国会図書館 近代デジタルライブラリー)
- 上垣外憲一『倭人と韓人』講談社<講談社学術文庫>、2003 ISBN 4-06-159623-3(原著『天孫降臨の道』 筑摩書房 1986)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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