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田中希代子 - Wikipedia

田中希代子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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田中 希代子(たなか きよこ, 1932年2月5日 - 1996年2月26日)は日本のピアニスト

特にショパン国際ピアノコンクールに日本人で初入賞したという実績と、まさに全盛という時期に難病に倒れた悲劇のピアニストとして知られる。

あまり知られていないが、現役時代から当時の皇太子妃(現皇后美智子)が最も愛したピアニストでもある。

目次

[編集] 略歴

[編集] 再評価の兆し

海外での演奏活動が長かった為、海外のほうが知名度は高く、現在でも『東洋の奇跡』と呼ばれ、支持を得ている。

国内での希代子の認知度が下がるきっかけの一つとなったのが、希代子が丁度引退を余儀なくされた頃と前後してはなやかに登場した中村紘子が多くの聴衆の支持を獲得したことである。奇しくも中村は、一時期希代子が師事した井口の妹である愛子に学んだ経歴を持つ。また、中村は1965年の第7回ショパンコンクールで第4位入賞したのち、自分がショパンコンクールの日本人初入賞者であると言い続けたことにより、本当の初入賞者である希代子の存在がないがしろにされ、国内の音楽界からの印象が希薄になってしまったことも要因の一つであることは否定できない(なお、中村は現在でも彼女自身のホームページのプロフィール等で頑なに訂正せずに『ショパンコンクール日本人初入賞』と言い続けている為、彼女のアンチや希代子のファンから批判され続けている)。

さらに1970年代以後、日本の経済成長と共に外国の著名な演奏家の来日ラッシュが起こり、日本の聴衆の関心は外国の一流の音楽家に集中していった。

『自分は過去の人間だから』と音源の復刻に消極的だった希代子だが、1996年山野楽器から記念CDが発売されたことで再び認知されはじめ、2005年1月に音楽評論家萩谷由喜子が『田中希代子―夜明けのピアニスト』を出版。これがロングセラーとなり、希代子が倒れて丁度10年目である翌2006年2月22日、キングレコードから没後10年特別企画で発売された2枚組みCDが大きな反響を呼んだ。翌2007年にも同じくキングレコードが次々と音源を復刻。門下生をはじめ、希代子の記録を後世に遺そうとする人々の努力によって、国内での評価と認知度は徐々にではあるが、確実に回復しつつある。

[編集] 人物像・演奏スタイル

幼い頃のあだ名は「タアチン」。

子どもの頃から運動神経は抜群で、特に縄跳びが得意だった。

少女時代は恥ずかしがりやで、クラスメイト達にピアノの披露をせがまれると、「そこで死んだふりしてて」と言って目を閉じてもらったうえで披露したという。

希代子が尊敬していたピアニストはクララ・ハスキル

パリでの師であるレヴィは、希代子の演奏に感動し、初めて演奏を聴いた第一声は『トレビアン!』だったという。また、安川に宛てた手紙で、彼女の演奏を『深みがあり、幽玄である。降参だ』と賞賛している。また、中村紘子は希代子の演奏を力強く情熱的な演奏だったと回想している。

彼女は、演奏法については、特にこれといって奏法にはこだわらず、人によって指の長さや太さ、重み等全てが違うということに着目し、『どのような弾き方か』ではなく、『どのような音で表現するか』に重きを置くという独自の演奏スタイルを貫いた。『ある程度の基礎は必要だが、結局はそれ以上のことを自分が見つけて行くことが重要』とも述べている。

[編集] 弟子への教え

極限まで耳を澄まし、自分の出した音を確認しながら弾く」ということ。

レッスンは、希代子が実演が不可能な為、口頭のみで行われたこともあり、その深い内容を理解し把握するには大変な集中力を要求されたという。

「小さい子は見ない」という希代子が例外的に9歳の頃から時折レッスンをつけていたという愛弟子・田部京子によると、「先生は、お弾きにならないにもかかわらず、楽譜に指づかいをサーッと流れるように書いてくださるのですが、それは普通ではとても思いつかないようなものでした。でも、その通りに弾いていくうちに、やがて研究し尽くされたベストな指づかいであることが実感されてくるのです。」さらには、ある音から次の音へ移る間、前の音が消えてしまうぐらい遅いテンポで弾く練習をしたことも忘れがたいと言う。

[編集] 門下生

  • 井出久美子
  • 岩野めぐみ
  • 小賀野久美
  • 河地恵理子
  • 菊池洋子
  • 小山恵
  • 坂野伊都子
  • 佐久間ちさ
  • 佐藤裕子
  • 志賀雅子
  • 柴裕子
  • 鈴木謙一郎
  • 田部京子
  • 田村明子
  • 戸田洋子
  • 永田郁代
  • 林田賢
  • 福田伸光
  • 増田優子
  • 三界晶子
  • 吉澤京子
  • 吉野康弘
  • 米倉邦子
  • 米持隆之
  • 渡辺啓美


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