大砂塵
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大砂塵 Johnny Guitar |
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監督 | ニコラス・レイ |
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製作 | ハーバート・J・イエーツ |
脚本 | フィリップ・ヨーダン |
出演者 | ジョーン・クロフォード スターリング・ヘイドン |
音楽 | ヴィクター・ヤング |
主題歌 | ペギー・リー |
撮影 | ハリー・ストラドリング |
公開 | 1954年5月 1954年10月 |
上映時間 | 110分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
allcinema | |
IMDb | |
『大砂塵』(だいさじん、原題=Johnny Guitar)は、1954年製作のアメリカ西部劇。制作会社は西部劇を専門にしていたリパブリック・ピクチャーズである。原題のジョニー・ギターとは放浪する主人公(スターリング・ヘイドン)の名前だが、彼を巡る二人の女性が実質的な主人公であり、女性同士の決闘が公開当時話題となった。また、ペギー・リーが歌った主題歌も世界的なヒット曲となっている。
目次 |
[編集] スタッフ
- 監督=ニコラス・レイ
- 原作=ロイ・チャンスラー
- 脚本=フィリップ・ヨーダン
- 脚本(記載なし)=ニコラス・レイ、ベン・マドウ
- 撮影=ハリー・ストラドリング
- 音楽=ヴィクター・ヤング
- 主題歌=ペギー・リー
[編集] キャスト
- ジョーン・クロフォード:ヴィエンナ
- スターリング・ヘイドン:ジョニー・ギター
- マーセデス・マッキャンブリッジ:エマ・スモール
- スコット・ブレイディ:ダンシング・キッド
- ワード・ボンド:ジョン
- ベン・クーパー:ターキー
- アーネスト・ボーグナイン:バート
- ジョン・キャラダイン:オールド・トム
[編集] あらすじ
まだ鉄道も通っていない鉱山の町に流れ者のジョニー・ギターが現われ、昔の恋人だった酒場の主人ヴィエンナの元に身を寄せる。ヴィエンナはこの町に鉄道を通そうとする野心や無法者のダンシング・キッド一味との関係が町の人々から嫌われ、ダンシング・キッドに恋心を寄せていたエマは町長たちをたきつけてヴィエンナを追放しようとする、一触即発の状態にあった。ダンシング・キッド一味が銀行強盗を働いてその場にヴィエンナとジョニー・ギターが居合わせたことから、町の人々は暴徒と化してヴィエンナの酒場を破壊する。
[編集] スタッフ、キャストについて
- 監督のニコラス・レイは、この作品でプロデューサーも兼務しているが、クレジットには記載されていない。レイはこの作品の頃から、自身で会社を作り作品づくりをしたいと考えていたが、ハリウッドで信用を得ることは困難を極め、結局挫折することになった。
- ジョーン・クロフォードは戦前のアメリカ映画を代表するスターだが、この頃は引退に近い状態だった。久々の出演作であることと、自分がもはや忘れられた存在であることに焦りを感じた彼女は、脚本の変更を要求し、クライマックスはマーセデス・マッキャンブリッジとの女性同士の決闘に変えられた。
- マーセデス・マッキャンブリッジは、ジェームス・ディーン主演の『ジャイアンツ』で貫禄ある牧場主を演じるなど1950年代~1960年代のアメリカ映画で活躍した他、ウィリアム・フリードキン監督『エクソシスト』では悪魔役の声優にも挑戦している。
- 脚本はフィリップ・ヨーダン名義になっているが、撮影用の脚本を書いたのは原作者のロイ・チャンスラーではないかと言われている。ヨーダンは、上記したようにクロフォードが脚本に不満を抱き撮影をボイコットしたために急遽アリゾナ州のロケ現場に呼び出されて、女性同士の決闘に脚本を書き換える役割を果たした。なお、IMDbその他にはベン・マドウの名前が脚本家として記載されているが、これは当時赤狩りのブラックリストに記載されハリウッドで職につけないシナリオライターに別の脚本家が名義を貸すという救済措置がたびたび行われ(有名なところでは『ローマの休日』におけるダルトン・トランボとイアン・マクラレン・ハンターの例がある。名義貸しをする側をフロントと呼んでいた)、ベン・マドウの場合はヨーダンが頻繁にフロントに立ったことから、『大砂塵』の場合もその一例としたものと思われるが、上島春彦氏の『ハリウッド・ブラックリストライター列伝』によると、ヨーダンもマドウも『大砂塵』に関する限り、こうした形での関与を否定しているという。
- デニス・ホッパーのデビュー作でもある。
[編集] 影響
- この映画がフランスで公開された後、カイエ・デュ・シネマの同人たちがこの映画を熱狂的に支持した。彼らのうちから後に映画監督としてデビューしたエリック・ロメールやジャン=リュック・ゴダールが映画の中でたびたび『大砂塵』のシーンを引用したり、タイトルを口にしたりしている。ゴダールは他にフリッツ・ラング監督の『無頼の谷』を50年代西部劇の代表作に挙げているが、こちらもマレーネ・ディートリッヒが無法者のボスを演じる女性西部劇である。
- ビートルズに参加する以前のリンゴ・スターがドラマーをつとめていたリヴァプールの人気バンド「ロリー・ストーム&ハリケーンズ」のボーカルは、ジョニー・ギターという芸名だった。芸名こそギターだが、DVD『ビートルズ・アンソロジー』で紹介されている同バンドの写真で、彼がギターを手にしているものは一枚もない。
- ペギー葉山の芸名はペギー・リーに由来している。また小林旭主演でヒットした『渡り鳥シリーズ』で、主人公のトレードマークがギターなのは『大砂塵』の影響だといわれている(キャラクターは『シェーン』の影響)。なお、1960年に封切られシリーズ中最も西部劇のムードが濃い『大草原の渡り鳥』において、小林旭は『大砂塵』のスターリング・ヘイドンとほぼ同じデザインのフリンジ・ウェスタンジャケットを着て登場している。