三部作
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三部作(さんぶさく、trilogy)とは、三つにそれぞれ分かれていながら、同じ一つの主題を持つ作品群のこと。
古代ギリシア演劇で3編の悲劇を中心として上演されていたことを嚆矢とし、小説や絵画、音楽などにも使用される。
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[編集] 概要
三部作の伝統は古代ギリシア演劇の時代から存在し、悲劇三部作+サテュロス劇の形式を取った。
その後、作者が当初から三部作を意識して作ったもの、本来 1 つの作品を 3 つに分割したもの、結果的に続編あわせて 3 部になったもの、他人(評論家、出版社等)が勝手にそう呼んでいるものなど、商業的な思惑も有り様々に使用されている。
現在では、映画、漫画、クラシック音楽、ポピュラー音楽、その他メインカルチャーとサブカルチャー双方の分野において広く実施例が見られている。特に世界観などの設定の説明が必要なSF、ファンタジーの分野に意図した三部作が多い。
近年の作品では、長年にわたり意図された三部作と思われていたが、作品が人気を博したことなどから 4 作目以降が作られる例もある。たとえば、アーシュラ・K・ル=グウィンの『ゲド戦記』は 3 巻が書かれてから 4 巻目が刊行されるまでの 18 年間は三部作と考えられていた。日本でも、金子修介監督による「ガメラシリーズ」が平成ガメラ三部作と呼ばれていたが、6 年後に 4 作目の平成ガメラ映画が作られた(ただし4作目は全く別の世界観を用いているため、3作目までを金子によるガメラ三部作とも考えられる)。『銀河ヒッチハイク・ガイド』では「三部作の 4 番目」が作られている。以下に三部作の実例が列挙されているが、特に商業作品では、現在三部作と呼ばれる作品が将来も三部作であり続ける保証はない。
[編集] 実例
[編集] 劇・詩
- アイスキュロス
- オレステイア三部作 - 「アガメムノン」「供養する女たち」「慈しみの女神たち」
- テーバイ三部作 - 「ラーイオス」「オイディプス」「テーバイ攻めの七将」
- プロメテイア三部作 - 「火を運ぶプロメテウス」「縛られたプロメテウス」「解放されたプロメテウス」
- ソポクレス
- テーバイ三部作「オイディプス王」「アンティゴネー」「コロノスのオイディプス」
- エレクトラ三部作
- ダンテ
- 神曲 - 「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」
- ウィリアム・シェイクスピア
- ヘンリー六世三部作
- アーノルド・ウェスカー
- ウェスカー三部作 - 「大麦入りのチキンスープ」「根っこ」「僕はエルサレムのことを話しているのだ」
- ボーマルシェ
[編集] 音楽
[編集] 小説
- 「前期三部作」は「中期三部作」と呼ばれる場合もある。この場合の中期とは、漱石の文筆活動における中期という意味合いであり、それ以前にさらに前期三部作があるわけではない。
- 村上春樹
- 羊三部作(「僕と鼠もの」三部作) - 『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』
- 山崎豊子
- 神林長平
- 火星三部作 - 『あなたの魂に安らぎあれ』、『帝王の殻』、『膚の下』
- アレクサンドル・デュマ
- ヘンリー・ミラー
- 薔薇色の十字架三部作 - 『セクサス』、『プレクサス』、『ネクサス』
- ポール・オースター
- ニューヨーク三部作 - 『シティ・オブ・グラス』、『幽霊たち』、『鍵のかかった部屋』
[編集] ドラマ
- フジテレビドラマ
- TBSドラマ
- 野島伸司三部作 - 『高校教師』、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』、『未成年』
- 夏純愛三部作 - 『世界の中心で、愛をさけぶ』、『いま、会いにゆきます』、『タイヨウのうた』
- テレビ朝日ドラマ
- メタルヒーローシリーズ
- 宇宙刑事三部作 - 『宇宙刑事ギャバン』、『宇宙刑事シャリバン』、『宇宙刑事シャイダー』
- レスキューポリス三部作 - 『特警ウインスペクター』、『特救指令ソルブレイン』、『特捜エクシードラフト』
[編集] 映画
- 大林宣彦監督
- 黒木和雄監督
- 戦争レクイエム三部作 - 『TOMORROW 明日』、『美しい夏キリシマ』、『父と暮せば』
- サタジット・レイ監督
- Apu三部作 - 『大地のうた』、『大河のうた』、『大樹のうた』
- ミケランジェロ・アントニオーニ監督
- 愛の不毛三部作 - 『情事』、『夜』、『太陽はひとりぼっち』
- イングマール・ベルイマン監督
- 神の沈黙三部作 - 『鏡の中にある如く』、『冬の光』、『沈黙』
- ルキノ・ヴィスコンティ監督
- ドイツ(ゲルマニア)三部作 - 『地獄に堕ちた勇者ども』、『ベニスに死す』、『ルートヴィヒ』
- レオス・カラックス監督
- ゴッドファーザー
- スター・ウォーズ
- バック・トゥ・ザ・フューチャー
- トリコロール
- 『トリコロール/青の愛』、『トリコロール/白の愛』、『トリコロール/赤の愛』
- マトリックス
- ロード・オブ・ザ・リング
- インファナル・アフェア
- 『インファナル・アフェア』、『インファナル・アフェアII/無間序曲』、『インファナル・アフェアIII/終極無間』
- パイレーツ・オブ・カリビアン
[編集] アニメ
- 機動戦士ガンダム
- 『機動戦士ガンダム』、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士篇』、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇』
- 機動戦士Ζガンダム
- 『機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者-』、『機動戦士ΖガンダムII-恋人たち-』、『機動戦士ΖガンダムIII-星の鼓動は愛-』
- トランスフォーマー
[編集] ゲーム
- 英雄伝説 ガガーブトリロジー
- ガンパレード・オーケストラ
- 『白の章 ~青森ペンギン伝説~』、『緑の章 ~狼と彼の少年~』、『青の章 ~光の海から手紙を送ります~』
- .hack//G.U.
- 『.hack//G.U. 再誕』、『.hack//G.U. 君想フ声』、『.hack//G.U. 歩くような速さで』
- ドラゴンクエストシリーズ
- ロト三部作 - 『ドラゴンクエスト』・『ドラゴンクエストII』・『ドラゴンクエストIII』
- 天空三部作 - 『ドラゴンクエストIV』・『ドラゴンクエストV』・『ドラゴンクエストVI』
- ドルアーガの塔 (ゲームブック)
- 『悪魔に魅せられし者』、『魔宮の勇者たち』、『魔界の滅亡』
- ブローダーバンド「バンゲリング帝国三部作」
- 鬼武者
- ジャック×ダクスター
- 『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』、『ジャック×ダクスター2』、『Jak 3』
- ※『Jak 3』は日本では発売されていない。
- 『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』、『ジャック×ダクスター2』、『Jak 3』
[編集] 漫画
[編集] 架空の三部作
作品中に登場した、実在しない三部作作品について記す。
- THE CUTTER三部作(ゲーム『ときめきメモリアル Girl's Side』に登場した架空の映画) - 『THE CUTTER』・『THE CUTTER RETURN』・『THE CUTTER FOREVER』
[編集] 想定外の事例
想定されてなかった結果として、三部作になったものや四部作になったものが存在する。
下記の実例は、代表例や製作者自信が明かしているものなど。
[編集] 1作(もしくは2作)で終わるはずだったもの
人気作品などに多く見られる。
人気があったために三部作になった場合は、下記の4作目や5作目が作られたものへと続く場合がある。
以下は、実例。
- バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ
- 元々は、1作のみで終わるはずであったが、TV放映時に出した「続く」という冗談のフレーズから続編が作られることとなった。
- 男の道三部作
- 『逆境ナイン』開始時点では続編構想はなかった。
[編集] 3部作のはずが1作(もしくは2作)で終わってしまったもの・構想のみで作られなかったもの
不人気だけでなく、原作者の死亡やスタッフの移動・完結前のネタバレなど多くの理由が存在する。
以下は、実例。
- スター・ウォーズ
- 新三部作と旧三部作という三部作が完成しているが、映画自体の構想として旧三部作の続編となるはずの三部作が撮られるはずであった。
- 実際にこの三部作が実現していれば、新三部作・旧三部作と実現しなかった三部作とで巨大な三部作という構成もできていた。
[編集] 4作目や5作目が作られたもの
一度は三部作で完結した作品。
人気作品などによくみられる。
以下は、実例。
- インディ・ジョーンズ
- 3作目から長い時を置いて4作目が作られた。
- 銀河ヒッチハイクガイド
- 「3部作の4作目」という触れ込みで4作目が作られ、さらに5作目も作られた。
- エイリアン4
- ファウンデーションシリーズ
- アイザック・アシモフのSF小説。短・中編の形で発表された作品が3分冊で纏められたが、続編を求めるファンや編集者の声に抗しきれず30年振りに第4作『ファウンデーションの彼方へ』を発表、以後死去までの約10年間に続編やロボット工学三原則シリーズとの統合作が発表された。さらにアシモフの死後に3人の著名なSF作家による新三部作が執筆されている。