モールの定理
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主に建築構造設計で使われる、荷重をかけられたときの、梁のたわみを求めるために使われる定理。弾性荷重を計算し、梁の特性を決定する弾性理論の簡略版である。1750年に公表されたが、19世紀にエッフェル塔と観覧車が開発されるまで、大規模な応用はなされなかった。これらの成功した事例に基づき、この定理は、工学における要石となり、第二次産業革命を可能にした。
板曲げ理論や、有限要素法のような付加的な解析方法が開発れされたが、モールの定理のわかりやすさにより、特に構造工学、機械工学などの科学の分野で、重要な道具であり続けている。
英語圏では、"Mohr's Theorem"というよりも"Euler-Bernoulli beam equation"と呼ばれる。
[編集] 導かれた梁の例
en:Euler-Bernoulli_beam_equationより
下記の例において、記号は以下の通り :
- R は、せん断力。
- M は、曲げモーメント。
- Q は、梁のたわみ角。
- u は、たわみ(変異量)。
- E は、ヤング係数。
- I は、断面二次モーメント(もしくは、慣性モーメント)
モールの定理あ、線形であるので、下の礼は、加算したり減算したりすることができ、より複雑な場合に適用できる。たとえば、単純梁に等分布荷重がかかったときのせん断力、モーメント、たわみと、中心荷重の単純梁のせん断力、モーメント、たわみにたすことにより、複合した力のかかった梁のせん断力、モーメント、たわみを求めることができる。
中央荷重の単純梁 | ||
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せん断力 | ||
モーメント | ||
たわみ角 | ||
たわみ |
等分布荷重の単純梁 | ||
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せん断力 | ||
モーメント | ||
たわみ角 | ||
たわみ |
等分布荷重の両端固定梁 | ||
---|---|---|
せん断力 | ||
モーメント | ||
たわみ角 | QA = QB = QC = 0 | |
たわみ |
一端荷重の片持ち梁 | ||
---|---|---|
せん断力 | R(x) = − F | RB = − F |
モーメント | M(x) = − Fx | MB = − FL |
たわみ角 | ||
たわみ |
等分布荷重の片持ち梁 | ||
---|---|---|
せん断力 | R(x) = − wx | RB = − wL |
モーメント | ||
たわみ角 | QB = 0 |
|
たわみ |
等分布荷重の一端ピン支持片持ち梁 | ||
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せん断力 | ||
モーメント | ||
たわみ角 | ||
たわみ |