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メトロ (パリ) - Wikipedia

メトロ (パリ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

MP89系 1号線ナシオン駅
MP89系 1号線ナシオン駅

パリのメトロMétro de Paris)はパリ市内、および一部郊外へ路線を有する地下鉄である。既存の鉄道路線との乗り入れはない。パリ中心部から郊外に直通するRERについても、市内では地下路線であり、メトロと重複する路線もあるのでパリ市内においては地下鉄と扱われることもある。本稿では以下、メトロと記す。

目次

[編集] 概要

[編集] メトロ

メトロの路線図 空色はセーヌ川
メトロの路線図 空色はセーヌ川

パリのメトロには、1号線から14号線まである。RATP(パリ交通営公団: Régie Autonome des Transports Parisiens)が運営している。

1号線が最初に開通したのは1900年で、3回目のパリ万博にあわせて開通した。入り口のデザインはアールヌーヴォー建築で有名なギマールが設計した。パリ市内の中心部を西から東へ横断する1号線と、1860年のオスマン男爵によるパリ拡張以前のパリの境界線であった旧城壁跡の大通り(Grand Boulevard)に建設された北回りの2号線と南回りの6号線、この3つが主要路線である。

エクトール・ギマールのデザインによる、アール・ヌーヴォー様式のエントランス
エクトール・ギマールのデザインによる、アール・ヌーヴォー様式のエントランス

以後およそ30年で網の目のように発展し、14路線が作られたが、この時作られた旧14号線は後に13号線に編入され、以後長いこと13路線が存在した。これらの各駅はすべて戦前に作られたが(郊外に延伸した部分の駅を除く)、駅構内自体は改装を繰り返しており、アールヌーヴォーのほかアールデコなど各時代を代表する建築デザインや、ある特定のテーマのデザインを取り入れた駅があちこちに存在する。

3号線と7号線にはそれぞれ3bis号線、7bis号線と呼ばれる独立的な支線が存在する。これらはメトロの路線図でも色が分けて書かれているとおり、支線の中の折り返し運行である。また7号線と13号線は分岐しており、10号線と7bis号線は一方通行区間が存在する。3bis号線の生まれた経緯は、もともと Porte des Lilas(ポルト=デ=リラ)までの路線だったものが、戦後になって Porte de Bagnolet(ポルト=ドゥ=バニョレー)および Gallieni(ギャリエニ)の方が重要な街となったため、Gallieni方面へ延伸しながら路線の行き先を変更し、今までの路線は切り離して分離運行することになったためである。7bis号線は、7号線のPorte de la Villette方面とともに北方面の分岐だったがPorte de la Villette方面との輸送量の差が大きく運行の効率が悪かったため、Pré Saint-Gervais方面を切り放して独立路線にした経緯がある。この3bisと7bisを繋げ一つの路線に統合する計画は1921年に頓挫したが、2006年に復活して推進されている。詳細は本稿の廃駅項目を参照せよ。

14号線リヨン駅ホーム
14号線リヨン駅ホーム

1998年に現在の14号線が開通した。この14号線はメテオール(METro Est-Ouest Rapide、東西高速地下鉄。「流星」の意味もある)と呼ばれ、自動制御で無人運転されており、ホームドアがつくなど駅舎も大変モダンなデザインである。2003年秋に北西方面が Gare Saint-Lazare(ギャール=サンラザール、パリサンラザール駅)まで延伸した。現在南方面が Tolbiac(トルビアック)、さらに Maison Blanche(メゾン=ブランシュ)方面へ延伸するため工事中である。

6号線ケ=ドゥ=ラ=ギャール駅へ向かうMP73系
6号線ケ=ドゥ=ラ=ギャール駅へ向かうMP73系

メトロに地下鉄の訳語が当てられているように、大部分が地下を走るが、本来は都市交通の意味であり、地下鉄に限定するものではない。6号線の多くの部分や2号線の一部、また橋を渡る際の5号線や、郊外の橋を渡る1号線や8号線などは、地上に出る部分もある。中でも6号線の高架の部分は観光ルートでもあり、Bir-Hakeim(ビル-アケム)付近ではエッフェル塔が絶好のポジションで眺められるので、その車窓は観光客に人気が高い。

フランス国鉄は全国的に左側通行だが、メトロは道路と同じ右側通行である。

電気方式は第三軌条で750V。軌間(レール幅)は1435mm。現在、合計で297の駅がある。

[編集] RER

パリにはメトロのほかに、郊外へと伸びる高速地下鉄RERも存在する。路線は現在AからEまでの5路線がある。Aのすべて、Bの Chatelet-Les Halles(シャトレ-レ=アール)以南は RATP が運営し、Bの Gare du Nord(ギャール=デュ=ノール、パリ北駅)以北およびC, D, Eは SNCF(フランス国鉄)が運営している。

RERは高速運転されており、駅間も長く、パリ市内を長距離移動するのに適している。パリ市内ではメトロと共通運賃で、同じ切符で自由に乗降できるが、RERは郊外路線へ直結しており、これら郊外へ行くにはあらかじめ有効な切符を乗車前に買わないといけない。乗越精算制度は一切ないため、乗り過ごすと無賃乗車扱いとなって罰金が課される。同様にメトロの一部の路線も郊外まで通じており、一部の駅で下車する場合は、改札を通る前にあらかじめ当該運賃ゾーンに相当する切符を購入しておく必要がある。

詳しくはRERを参照。

[編集] トラム

メトロとは別に、パリ市内および郊外を結ぶ交通機関としてトラムがある。

現在1号線(北部郊外)、2号線(南西部郊外)、3号線(パリ市内最南部)、4号線(パリ郊外オルネー・スーボワ市)が運行している。3号線は2006年12月、4号線は同11月に開通した。

料金体系はバスに準じており、メトロと共通の切符(または10枚売りカルネ)が使えるが、切符は一回の乗降ごとに無効となり、メトロから1枚の切符で乗り継ぐことは出来ない。カルト・オランジュや NAVI GO などの定期券類があれば制限無く乗ることが可能だが、2号線と4号線はそれぞれゾーン3と5に相当するので、それら定期券の有効ゾーンには注意が必要である。

詳しくはトラム (パリ)を参照。

[編集] 路線

2008年現在、以下の16路線(支線2路線を含む)が存在する。

  路線名 区間 開業年 キロ程 駅数
  1号線 La Défense - Grande ArcheChâteau de Vincennes 1900年 16.6km 25
  2号線 Porte DauphineNation 1900年 12.3km 25
  3号線 Pont de Levallois - Bécon 〜 Gallieni 1904年 11.7km 25
  3bis線 Gambetta 〜 Porte des Lilas 1971年 1.3km 4
  4号線 Porte de Clignancourt 〜 Porte d'Orléans 1908年 10.6km 26
  5号線 Bobigny - Pablo Picasso 〜 Place d'Italie 1906年 14.6km 22
  6号線 Charles de Gaulle - ÉtoileNation 1909年 13.6km 28
  7号線 La Courneuve - 8 Mai 1945 〜 Villejuif - Louis Aragon / Mairie d'Ivry 1910年 22.4km 38
  7bis線 Louis Blanc 〜 Pré Saint-Gervais 1967年 3.1km 8
  8号線 Balard 〜 Créteil - Préfecture 1913年 22.1km 37
  9号線 Pont de Sèvres 〜 Mairie de Montreuil 1922年 19.6km 37
  10号線 Boulogne - Pont de Saint-Cloud 〜 Gare d'Austerlitz 1923年 11.7km 23
  11号線 Châtelet 〜 Mairie des Lilas 1935年 6.3km 13
  12号線 Porte de la Chapelle 〜 Mairie d'Issy 1910年 13.9km 28
  13号線 Gabriel Péri - Asnières - Gennevilliers / Saint-Denis - Université 〜 Châtillon - Montrouge 1911年 22.5km 30
  14号線 Saint-Lazare 〜 Olympiades 1998年 9.0km 9

[編集] 運賃

全線1.5ユーロ(約240円)均一(この価額の切符は ticket T と称される)。

RERのパリ市内、メトロとバス、トラムなどは均一運賃で乗換可能。 RERの郊外区間(シャルル・ド・ゴール空港ヴェルサイユなど)は距離に応じて運賃が設定されている。 前述のように、購入した切符の区間を乗り越した場合には、差額を事後に払う日本の精算のような制度がなく、罰金を課せられるので注意が必要。 メトロの一部路線は郊外に伸びているが市内均一運賃で乗車できる駅もあるため、隣接するRERの駅と運賃が違うことがある。

[編集] 運行

  • 線区内の途中折り返しはなく、起点から終点まで通して運行。ただし、始発・終電では全線ではなく一部運行の路線がある。分岐している7号線と13号線は2種類の運行区間が存在する。
  • 快速、急行運転はなく、すべての列車は各駅に停車する。12号線のRennes(レンヌ)と13号線のLiège(リエージュ)は長らく夜20時以降と土曜休日は休業するため通過したがRennesは2004年9月6日から、Liègeは2006年12月4日から通常の営業時間に戻されている。工事などで一定期間のみ通過扱いとなる駅がある場合がある。これらは車内の路線図や、駅のポスターなどで告知されている。
  • 始発は朝5時ごろ、最終は深夜1時ごろ。また、週末や祝日には1時間延長運行される。

[編集] 設備、車輌

  • 路線総延長221.6km、駅数292、他線との接続駅55。駅間距離は平均およそ300m。
  • 路線数16(3bisと7bisを独立に数えた場合)。ホームや路線の他線との共有はない。
  • 編成輌数は路線ごとに一定していて、1号線などの最も混雑するところでは6輌。3bis号線などの少ないところでは3輌。
  • 軌間は1435mmの標準軌。車体はフランス国鉄などのものより狭く短い。
  • 右側通行。地上の道路交通に一致させたためで、左側通行の国鉄、RERとは逆になっている。
  • 電気方式第三軌条方式、直流750V。
  • 1号線、4号線、6号線、11号線、14号線は鉄車輪の外側にゴムタイヤをもつ「MPxx」系が、他は通常の鉄車輪の「MFxx」系が運用されている。
運用開始別に色分けした路線図(1900年から1949年)1900年-1910年、1910年-1914年、1914年-1930年、1930年-1939年、1939年-1949年
運用開始別に色分けした路線図(1900年から1949年)1900年-1910年1910年-1914年1914年-1930年1930年-1939年1939年-1949年

[編集] 歴史と経緯

[編集] 北南線

メトロは最初2つの会社によって運営されていた。現在の1、2、6号線を核として運営する CMP(Compagnie du chemin de fer métropolitain de Paris、現在の RATP の前身で訳すと「パリ都市鉄道会社」)とは別に、南北を結ぶ二つの路線、現在の13号線の北半分と12号線を営業する Socièté du chemin de fer électrique souterrain Nord-Sud de Paris、訳すと「パリ北南地下電気鉄道会社(以下、北南線)」という会社があった。北南線時代は12、13号線はそれぞれA、Bと呼ばれていた。これらの駅構内はCMPの駅と似てはいるものの、異なるデザインが採用された。北南線の名残は今でも12、13号線の駅構内の広告枠のタイルの一部にそのロゴが残っている。また駅の入り口のデザインでも見分けることが出来る。

北南線の2つの路線は架線(架空電車線)を用いていたが、後に CMP と同じく第三軌条に改修された。また、旧14号線も南北線が工事を始めた路線でCと呼ばれた(CMPに合並されてから開通された)。

[編集] 戦争の影響

第一次世界大戦では、営業削減のほか、敵対するドイツを連想させる一部の駅名が変更になった。すなわちベルリンBerlinリエージュLiègeに、リュ=ダルマーニュ Rue d'Allemagne(ドイツ通り)はジョレスJaurès(フランスの政治家の名)になった。しかし営業を停止した駅はなかった。

第二次世界大戦では大幅に営業の削減が行われた。営業削減はフランスがドイツの宣戦布告を受ける1939年9月4日の2日前、9月2日より開始された。この時いくつかの駅が営業を停止したが、そのうち Saint Martin, Arsenale, Croix Rouge, Champ de Mars の4駅は、現在に至るまで廃駅となっている。

パリがナチス・ドイツに占領されてからは、11号線が営業を停止し、その駅構内は軍需工場として使われた。

[編集] 1等車と車掌の廃止

メトロは1等車がつい最近まであったが廃止された。それに伴い車掌も廃止となった。1等車への乗車を管理する駅員用の小屋がホーム内にあったが、これも廃止となり、現在は撤去されているかあるいは電気系統の設備として使われている。一部の駅ではこの小屋跡をショーディスプレイとして用いている。

[編集] 廃駅

カッコ内の数字は路線の番号。

[編集] 完全に通過する廃駅

  • アルスナル Arsenale (5)
  • サン・マルタン Saint Martin (8,9)
  • シャン・ド・マルス Champ de Mars (8)
  • クロワ・ルージュ Croix Rouge (10)

戦争の影響の項で書いたように、第2次世界大戦開戦に伴う営業削減によって、Saint Martin, Arsenale, Croix Rouge, Champ de Mars は、駅間が近かったり、また Champ de Mars [1]は駅の目の前が軍事学校であって保安上などの理由で、現在に至るまで廃駅となっている。

これらの廃駅には現在では別の設備が備え付けられている。Croix Rouge と Champ de Mars には排気のための巨大換気扇、また Arsenale にはメトロ配電技術士の練習用の配電設備が備え付けられ、また Saint Martin のホームには主に冬季にホームレスを一時収容するための施設が作られている。

ほかに10号線の Cluny-La Sorbonne も1939年に上記の駅とともに廃止されたが、1988年2月17日にRERのB線に Saint Michel-Notre Dame が開業し、既設のC線の Saint Michel-Notre Dame と乗換駅になると乗り換えの便利を図るため再開業している(RERのSaint Michel-Notre Dameと通路でつながれている)。また、営業時間が制限されていた Rennes と Liège も1939年に廃止され、1968年に再開業した駅である(Rennesは5月20日、Liègeは9月16日再開業)。

  1. ^ 現在使われているChamp de Mars公園北端でセーヌ河畔のRER-C線Champ de Mars - Tour Eiffel駅ではなく、Champ de Mars公園南端で軍事学校正面口目の前に入口が存在した。ホームは学校建物の真下にあり、また入口の位置も軍事学校と公園に挟まれ一般居住区や商業区ではないため、閉鎖したものと思われる。この入口は保守点検用として施錠された上で現在も存在する。またすぐ隣には地下駐車場入口もあるが、実際の駐車場の位置はChamp de Mars公園敷地の地下にあたる。現在営業中のエコール・ミリテールÉcole Militaire(軍事学校)駅は学校の斜め向かいで敷地から若干ずれて居住区に面しており、万が一爆弾テロや火災が起きたとしても軍事学校敷地内に影響が出ることはほとんど無い。

[編集] 一部廃ホームなどがあり、別の用途で使われている駅

  • ポルト・マイヨー Porte Maillot (1)
1934年まで1号線のターミナルとして使われたが、ホームの移転により廃止された。1992年に RATP の業務用空間として転用され「Espace Maillot」と呼ばれている。現在のホームから西のほうにある。
  • ヴィクトル・ユーゴー Victor Hugo (2)
もとのホームが急曲線に位置していて安全上問題があるとみなされ、東へホームを移転し、もとのホームは廃止された。一部は倉庫として使われている。
  • ガンベッタ Gambetta / マルタン・ナドー Martin Nadaud (3)
もともと Gambetta と Martin Nadaud は別々の駅だったが、1969年8月23日に3bis号線を分離するときに既存の Gambetta と Martin Nadaud を統合しその中間に新しい Gambetta駅ホームが開業することになった(両駅の駅間距離は235mいに過ぎなかった)。Martin Nadaud のホームは現在 Gambetta の通路として使われている。また、Gambettaの元のホームは現在3bis号線のホームとして使われている。
  • ヴィリエ Villiers (3)
1905年の3号線延伸の時、2号線との立体交差のためルートが一部変更され、ループ型の引上げ線が放棄された。モンソー公園の真下に位置するこのループ線は現在はRATPの訓練用空間として専用されている。
  • ポルト・デ・リラ「シネマ」 Porte des Lilas (3bis) "Cinéma"
ここは現在では映画撮影用に使われており、「シネマ」の別名がある。映画やテレビドラマ、コマーシャルなどで出てくるメトロの風景は、大抵この廃ホームで撮影されている。代表例に『アメリ』(作品内ではアベスAbbess駅として使用)など。また2005年末に日本でも放映されたマイクロソフトのCMにも登場する。撮影などのイベントが行われていない時は回送電車の留置線として使われている。実はこのホームも Haxo(後述)と同じく、3bis号線と7bis号線を繋ぐ連絡線上に位置している。
  • レ・アール Les Halles (4)
1977年にRERが開業すると乗り換えの便利を図るためホームが東へ数十メートル移設された。
  • ガール・デュ・ノール「USFRT」Gare du Nord (5)"USFRT"
この廃ホームは5号線の終着駅だったときのもので、1942年に5号線が Porte de Pantin まで延伸だれたときに駅が別位置に新設され廃止された。現在はメトロ運転手見習いのための運転練習所となっている。また、2、4、5号線の連絡線にも繋がっている。
  • アンヴァリッド Invalides (8)
この廃ホームは、旧・14号線のターミナルで、1976年に13号線と旧・14号線が繋がれるときに廃止され、1970年代に RATP の業務用空間として転用され "Espace Invalides"と呼ばれている。
  • ポルト・ド・ヴェルサイユ Porte de Versailles (12)
ここも Gard du Nord と同じく延伸によるものである。この駅はもともと12号線の終着駅だったが、Mairie d'Issy まで延伸されるときにもとの留置線をホームに、もとのホームを留置線に入れ替わられた。これはパリ国際展示場が作られた際、ホームからのアクセスを良くするためでもある。
  • オランピアード Olympiades (14)
予算や工事中に起きた事故などの問題で遅れて開業したが、開業するまではホームなどが簡易車両基地として使われた。詳細は14号線の記事を参照せよ。

[編集] 工事未完のまま地上への出口がない駅

通称スタシオン・ファントムStation Fantôme(幽霊駅)。工事未完のまま開業計画が頓挫した幽霊駅と呼ばれるものがある。Haxo と Porte Molitor-Murat の2駅がそれで、線路では本線と繋がっており、プラットホームはあるものの、そこから降りて地上へ向かうための出口が作られていない。当然営業路線ではなく、現在は留置線などとして使われている。

15号線の路線図
15号線の路線図
  • アクソ Haxo (3bis-7bis連絡線)
RATP が1993年に新車「MF88」系の発表会を開催した場所でもあるこのHaxoはもともと短い路線である3bis号線(計画当時は3号線)と7bis号線(当時は7号線)をつなげて一つにしようと作られた Porte des Lilas~Place des Fetesの連絡線、通称 La voie des Fetes上に位置しているが(他にPorte des Lilas~Pre Saint-Gervais 連絡線、通称 La voie navetteもある)、計画に収益が見込めないとの理由で1921年にすばやく取り消され放棄された。以降La voie Navetteが1950年代に一時的に独立路線として営業した以外には、これらの連絡線が営業線として使われることはなかった。しかしその後3bis、7bis号線が独立されるなどの環境の変化により、2006年に発表された総合地方計画であるSDRIF[1]によってこの計画が再採用された。両路線を統合して15号線とするこの計画は、1段階事業としてこれらの連絡線とこの駅を営業線にすることを、2段階事業として7bisの始点を現在のルイ・ブランLouis-Blanc駅から一駅隣で、ターミナル駅のひとつであるガール・ド・レストGare de l'Est(東駅)への連絡口を持つシャトー・ランドンChâteau-Landon駅へ延伸するのことの二つを根幹にし、2013年までの開業をめざしている。(詳細は、フランス語版のfr:Fusion des lignes 3bis et 7bis du métro de Parisfr:Haxo_(métro_parisien)を参照)
  • ポルト・モリトール=ミュラ Porte Molitor-Murat (9-10連絡線)
Porte Molitor-Murat は近くにあるサッカー競技場である "Parc des Princes" へのアクセスを主な目的として9号線のPorte de Saint-Cloud~10号線の Porte d'Auteuil を繋ぐ連絡線(連絡線は複線で、片側は車庫を経由して、片側が直接両駅を繋ぐ)上に作られたが、やはりこれも計画変更によって放棄された。

[編集] 延伸に備えて構造物を作っておいたが計画が変更され放棄された駅

こちらも上の幽霊駅と同じく工事未完のまま放棄された駅と言えるが、こちらは駅を入れさせるための箱型構造物が作られているだけで、線路もホームも作られていない。

  • ラ・デファンス=ミシュレ La Défense - Michelet (1)
  • エリゼ=ラ・デファンス Élysées La Défense (1)
1号線のラ・デファンスへの延伸に対備して駅をつくるための地下構造物を先に作っておきたが、川の下へのトンネルを作る工事費が高くて高架での延伸に切り替われこれらの地下構造物は放棄された。Élysées La Défense駅はエリゼ=ラ・デファンスという建物の地下4階とつながれている。なお現在のルートはこれらの駅より百メートルぐらい北北東のところを通る。
  • 南オルリ Orly-Sud (7)
OrlyVALを工事するとき、7号線のヴィルジュイフ方面をここまで延伸する計画があって駅の構造物を作っておいたがこちらもやはり取り消しになり構造物は放棄された。また、7号線のヴィルジュイフ方面を14号線に編入してから南オルリまで延伸する案が再び出てはいるが実見可能性は低い。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部サイト


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