フランツ・フェルディナンド (バンド)
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フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)はスコットランド、グラスゴー出身のロックバンド。
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[編集] 概要
90年代のブリットポップ期の再来ともいわれる2000年代UKバンド・ブームの代表格。 どこか古風な英国歌謡を思わせる口ずさみやすいポップ・メロディを、変則的なギターサウンドにのせて演奏するのが特徴の彼らは、本国イギリスのみならずアメリカ合衆国・日本でも高い人気を誇る。
バンド名の由来は、第一次世界大戦のキッカケとなったサラエボ事件で暗殺されたフランツ・フェルディナント大公からで、響きの良さから選んだと言うことらしい。なお、その由来からすれば、本来は「フランツ・フェルディナント」と表記すべきかもしれないが、日本の音楽業界では「フランツ・フェルディナンド」の表記で定着しているため、本稿もそれに従う(英語の発音に従えば「フランツ・ファーディナンド」)。
[編集] メンバー
- アレクサンダー・カプラノス (アレックス) Alexander Kapranos (Alex)-ボーカル、ギター、キーボード ‐ バンドにおけるソング・ライティングを手掛ける。
- ニコラス・マッカーシー (ニック) Nicholas McCarthy (Nick)-ギター、キーボード、バックボーカル ‐ コーラスだがほとんどツインボーカルとかわらないほどの役割を担う。演奏時には、ギターを胸元よりも高い位置で弾く独特の奏法になるのが特徴。
- ロバート・ハーディ (ボブ) Robert Hardy (Bob)-ベース ‐ 普段もライブも目立たないが、実は裏バンマス的存在。バンド結成の中心人物。
- ポール・トムソン (ポール) Paul Thomson (Paul)-ドラム、ギター ‐ 彼のグルーヴィなドラミングはバンドが掲げる「踊れるロック」の柱。『マチネ』『アウトサイダース』では彼のドラミングが特に発揮されている。
[編集] 来歴
2001年、グラスゴーにある大学にて知り合ったアレックスとボブが中心となり、“女の子が踊れるような音楽を作る”という理想のもと、バンドを結成。
2003年に発表したシングル「ダーツ・オヴ・プレジャー」、「テイク・ミー・アウト」が大きな話題を呼び、『NME』誌を中心にメディアが挙って彼らを取り上げ、大型新人として注目を集める存在になる。
2004年、デビュー・アルバム『フランツ・フェルディナンド』をリリース。ダンスとポップの垣根を越える、高い完成度を誇る本作によって、彼らの人気はイギリスのみならずヨーロッパ、そしてアメリカへと凄まじい勢いで波及。セールスは350万枚を超え、グラミー賞にノミネートされたのをはじめ各音楽賞を独占し、全世界的な成功を手に入れた。
同年にはフジロック・フェスティバルで初来日を果たす。その際は昼間14時台でグリーン・ステージを満員にさせるという盛況ぶりだった。
2005年9月、2ndアルバム『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』をリリース。サウンドはより太くなり、ロックバンドとしての姿を見せつけたこのアルバムも前作同様の大ヒットを記録。先行シングルの『ドゥ・ユー・ウォント・トゥ』はソニーのCMソングに起用された。
2006年のフジロック・フェスティバルでは、フジ史上、デビューしてから最短のスピードでグリーン・ステージのトリを務め、人気の凄まじさを見せつけた。
現在は次回作のアルバムを製作中だが、その内容はファーストアルバムのようなダンス・ポップになるとのこと。
[編集] アルバム
- Franz Ferdinand(2004年6月02日)
- You Could Have It So Much Better(2005年9月28日)
[編集] V.A.コンピレーション盤
- 『セルジュ・ゲンズブールに捧ぐ (Monsieur Gainsbourg Revisited)』トラック1、セルジュ・ゲンズブールのカヴァー、「(Song for)Sorry Angel(日本語題『エンジェルの死』)」にジェーン・バーキンとともに参加。日本では2006年11月1日にユニバーサル・ミュージックよりリリース。
[編集] トリビア
- フロントを務めるアレックスとニックの二人についてはゲイ疑惑が囁かれている。それを臭わせる妖しげな歌詞(特に1stのMichael)の楽曲もあり、オアシスのリアム・ギャラガーはそれをネタにした発言をしている。
- デビュー間もない頃、前座にブロック・パーティーを抜擢してライブを行った。結果的には彼らのブレイクの手助けになったといえる。
- 『ウォーク・アウェイ』をライブで演奏する際、ドラムのポールもギターを担当し、アレックス、ニックとともにトリプルギターの編成になる。その場合、ドラムはサポートのアンドリューが勤めることが多い。
- セカンドアルバム発売後の世界ツアーでは、『アウトサイダース』演奏時に他のバンドの面々をステージ上に登場させ、大勢でドラム乱打を共演するというパフォーマンスを披露した。トリで出演したフジロック06では、クリブス、ズートンズ、アジアン・カンフー・ジェネレーションらを招きドラムの乱れ打ちを演じた。
- フランツの曲には、友人知人、好きな人や女の子についてを唄っているという共通のテーマが存在している。
- 野宮真貴は、彼らについて、「ギターフレーズが往年のトーキング・ヘッズを髣髴とさせる。」とコメントしている。メンバーはトーキング・ヘッズのファンである。また、「シンプルだけどとても計算された音楽」とも述べている。
- 音楽評論に精通しているクリス・ペプラーは、「曲作りには確信犯的なセンスと抜群のアレンジ能力をもっており、それが上質なポップへと結実している」と語り、「今まで会ってきたミュージシャンのなかでも、フランツは一番ナイスガイで好感度はピカイチ。」と、その人柄を絶賛している。
[編集] 外部リンク