ドーパミン受容体
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ドーパミン受容体(-じゅようたい、Dopamine receptor)は主に中枢神経系にあるGタンパク質結合受容体の一種であり、神経伝達物質であるドーパミンと結合する。
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[編集] 型分類
[編集] ドーパミンD1様受容体ファミリー (興奮性)
ドーパミンD1様受容体の活性化はGタンパク質のGαsと共役し、それによってアデニル酸シクラーゼが活性化され細胞内のcAMP濃度が上昇する。Aキナーゼの活性によってDARPP32がリン酸化される。その後の機序はまだ不明の点が多いが、ニューロンは活動電位を生じ易くなると考えられている。
- ドーパミンD1受容体
- ドーパミンD5受容体 D1受容体に比べると脳での発現量は少ない。
[編集] ドーパミンD2様受容体ファミリー(抑制性)
D2様受容体の活性化は G蛋白質の Gαiと共役し、Gαiがホスホジエステラーゼの活性を高め、ホスホジエステラーゼによってcAMPが分解される。その後の機序にはまだ不明の点が多いが最終的にニューロンの発火を抑制すると考えられている。
- ドーパミンD2受容体 選択的スプライシングによって短いタイプと長いタイプのアイソフォームが作られる。
- ドーパミンD3受容体 : D3受容体の発現はカレハ島(island of Calleja)や側坐核に最も顕著である[1]。
- ドーパミンD4受容体:この遺伝子が犬などの気質に関連すると研究される。
- [1]参考外部リンク
統合失調症の陽性症状を改善するのはドーパミンD2受容体拮抗作用をもつ抗精神病薬であるとされている。
[編集] 参考文献
- ^ Ridray S, Griffon N, Mignon V, Souil E, Carboni S, Diaz J, Schwartz JC, Sokoloff P (1998 May). “Coexpression of dopamine D1 and D3 receptors in islands of Calleja and shell of nucleus accumbens of the rat: opposite and synergistic functional interactions.”. Eur J Neurosci 10 (5): 1676-86. PMID 9751140.