ジョン・ウェットン
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ジョン・ウェットン(John Kenneth Wetton, 1949年6月11日 - )は、イギリス出身のミュージシャン(ヴォーカリスト、ベーシスト)。プログレッシブ・ロックの世界のみならず、様々なジャンルにて活躍してきた。
モーガル・スラッシュ、ファミリー、キング・クリムゾン、ロキシー・ミュージック、ユーライア・ヒープ、ブライアン・フェリー・バンド、U.K.、ウィッシュボーン・アッシュ、エイジア、ウェットン・マンザネラ等の幅広いジャンルのバンドに在籍し、1970~80年代のロックシーンを盛り上げた。強烈に歪んだベースと憂いのあるダンディな歌声、ルックスで全盛期はカリスマ的な人気を築いた。実はマルチプレイヤーでもあり、ギターやキーボードだけでなくフィドルまで演奏した事がある。特にプログレッシブ・ロックでの活躍は有名であり、とりわけキング・クリムゾンとU.K.における活躍が有名である。キング・クリムゾン時代は『太陽と戦慄』(1973年)や『レッド』(1974年)等の名盤を残した。また、ユーライア・ヒープに在籍したときも、『幻想への回帰 (原題 : RETURN TO FANTASY)』、『ハイ・アンド・マイティ (原題 : HIGH AND MIGHTY)』の2枚のスタジオアルバムにおいて、ベースだけでなくボーカルも担当し、才能を遺憾なく発揮した。これほどまで頻繁に動き回るミュージシャンも珍しく、「ベースを抱えた渡り鳥」と揶揄されていた事もある。
1980年代前半、プログレッシブ・ロック界の著名なプレイヤーで結成されたスーパーグループ、エイジアでは全キャリア中最も成功を収める。デビュー・アルバム『詠時感〜時へのロマン』(1982年)は全米1位を記録した。エイジアでは一時解雇されるが復帰。1991年に脱退するまでは中心人物として活動した。脱退後は主にソロ・アーティストとして活動する一方、プログレッシブ・ロック系のアーティストのトリビュートアルバムに参加したり、スティーヴ・ハケットを中心とした大物ぞろいのバンドでツアーをしたりした(この縁でイアン・マクドナルドともツアーをした)。
現在は2006年に再結成されたエイジア(結成当初のオリジナルメンバーで構成)に参加。精力的にツアーを行っていたが、2007夏に行われた定期検診で心臓の冠動脈に異常が見つかり、同年8月10日にバイパス手術を受けた。回復は順調で、2008年からツアーは再開される。また、オリジナルメンバーでのアルバム制作(PHOENIX)も実施され、2008年4月に発売予定である。エイジアでの作曲面のパートナージェフ・ダウンズとはICONというユニットを別に組んでおり、こちらの活動も活発である。
[編集] ソロ・ディスコグラフィ
アルバム
- Caught in the Crossfire, 1980, E'G/Polydor Records
- King's Road, 1972-1980, 1987, E'G/Virgin Records
- One World (with Phil Manzanera), 1987, Geffen Records
- Battle Lines, 1994, Eclipse Records
- Chasing the Dragon (Live), 1995, Eclipse Records
- Akustika (Live), 1996, Blueprint Records
- Arkangel, 1997, Eagle Records
- Chasing the Deer (film soundtrack), 1998, Blueprint Records
- Hazy Money Live in New York, 1998, Blueprint Records
- Live in Tokyo, 1998, Blueprint Records
- Monkey Business (with Richard Palmer-James), 1998, Blueprint Records
- Sub Rosa Live in Japan, 1998, Blueprint Records
- Nomansland Live in Poland, 1999, Giant Electric Pea Records
- Welcome to Heaven, 2000, Avalon Records
- Sinister, 2001, Giant Electric Pea Records
- Live in Argentina, 2002, Blueprint Records
- Live in Stockholm 1998, 2003, Blueprint Records
- Rock of Faith, 2003, Giant Electric Pea Records
- Live in Osaka, 2003, Blueprint Records
- From the Underworld, 2003, Classic Rock Legends
- One Way or Another (with Ken Hensley), 2003, Classic Rock Legends
- Amata, 2004, Metal Mind Records
- Icon (with Geoff Downes), 2005, Frontiers Records/UMe Digital (US)
- Acoustic TV Broadcast (with Geoff Downes), 2006, Frontiers Records
- Icon II: Rubicon (with Geoff Downes), 2006, Frontiers Records (US)
EPs
- Heat of the Moment '05 (with Geoff Downes), 2005, Frontiers Records