ジャガンナート
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ジャガンナートまたはジャガンナータ(जगन्नाथ、Jagannāth[a]:「世界の主」の意)は、クリシュナ神と融合したインドの土着神、破壊神。もともとオリッサ地方の土着神だったが、後にヒンドゥー教神話へ習合しヴィシュヌ神の化身と見なされるようになった。
オリッサ州の海辺の町、プリーにあるジャガンナート寺院の本尊として祀られていることでも有名である。この地はヒンドゥー教における四大聖地の一つに数えられている。
[編集] 祭礼
年に1度のラタ・ヤーットラー(山車の行進)の機会には、ジャガンナート像を載せた山車(ラタ)が寺院から出されて寺院前の大通りを練り歩く。高さ数メートルにも及ぶ巨大な山車にひかれて死ぬと極楽往生ができるとかつて信じられていたため、実際に行進する車輪の前に身を投げ出す信者が後を絶たなかったという。そのためイギリス植民地政府によってこの「飛びこみ自殺」の禁止令が出された(大阪・吹田市の国立民族学博物館にはこの山車の巨大なレプリカが展示されている)。
また このラタ・ヤーットラーが京都の祇園祭の原型になったとも言われている。
[編集] 他言語圏での解釈
英語ではjuggernaut(ジャガーノート)と表記されるが、転じて「恐ろしい犠牲を強いる絶対的な力や存在」を意味する単語ともなっている。