クラシック音楽の曲名の俗称の一覧
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クラシック音楽の曲名の俗称の一覧は、クラシック音楽の曲名の日本語における俗称・略称の一覧である。
昔から「楽隊」と呼ばれるオーケストラ団員や、合唱関係者(プロのみならず学生などのアマチュアも含む)をはじめとした演奏家、音大生、レコードマニアなどクラシックファンや音楽関係者の間で用いられてきた経緯があり、本来は「通ぶる」ための符牒であったが、現在は広く流通しているものも多い。ただ、これらの俗称を好まない者も少なくない他、中には、品のない同音異義語を故意に想起させるもの、使用するとかえって専門家から軽蔑されてしまうようなもの、地域または集団で意味の差があるものも含まれるので、注意が必要である。
目次 |
[編集] ア行
- アイネク - アイネ・クライネ・ナハトムジーク (モーツァルト)
- 青ダニ - 美しく青きドナウ (<青きダニーブ) (ヨハン・シュトラウス2世)
- 青管(あおかん)-青少年のための管弦楽入門(ベンジャミン・ブリテン)
- アルペン - アルプス交響曲 (リヒャルト・シュトラウス)
- イタ奇 - イタリア奇想曲 (チャイコフスキー)
- 一組 - 吹奏楽のための第1組曲 (ホルスト)
- いっぱち、いちはち - 序曲1812年 (チャイコフスキー)
- ヴェルレク - レクイエム (ヴェルディ)
- 運命 - 交響曲第5番 (ベートーヴェン)
- 運力(うんりき)、運チ(うんち) - 歌劇「運命の力」序曲(ヴェルディ)
- (英雄、エロイカ) - 交響曲第3番 (ベートーヴェン)
- オケコン - 管弦楽のための協奏曲 (バルトーク)(<オーケストラ・コンチェルト) ※他の作曲家の管弦楽のための協奏曲は「○○のオケコン」と呼ぶ。
[編集] カ行
- 革命 - 交響曲第5番 (ショスタコーヴィチ) 、革命のエチュード(練習曲第12番 (ショパン))
- カナワル - 悲しきワルツ(シベリウス)
- カノン - カノンとジーグ(パッヘルベル)
- ガン付、333、オルガン - 交響曲第3番「オルガン付き」 (サン=サーンス)
- 巨人、ジャイアンツ - 交響曲第1番「巨人」(マーラー)
- くるみ割り - くるみ割り人形 (チャイコフスキー)
- 軍ポロ - 軍隊ポロネーズ (ショパン)
- 弦セレ - 弦楽セレナーデ (チャイコフスキー)
- 幻想 - 幻想交響曲(ベルリオーズ)
- 弦チェレ - 弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽 (バルトーク)
- 厳バリ - 厳格な変奏曲(メンデルスゾーン)
- 幻ポロ - 幻想ポロネーズ (ショパン)
- コシファン - コシ・ファン・トゥッテ (モーツァルト)
[編集] サ行
- 散髪屋 - 歌劇「セビリアの理髪師」序曲 (ロッシーニ)
- ザンク - 交響曲第39番 (モーツァルト)
- シベコン - ヴァイオリン協奏曲 (シベリウス)
- シベ2 - 交響曲第2番 (シベリウス)
- 新世界 - 交響曲第9番 (ドヴォルザーク)
- 水車屋 - 美しき水車小屋の娘 (シューベルト)
- スコトラ、スコッチ - 交響曲第3番 (メンデルスゾーン)
- スペ奇 - スペイン奇想曲(リムスキー=コルサコフ)
[編集] タ行
- 第九 - 交響曲第9番 (ベートーヴェン)
- 大祝(だいしゅく) - 大学祝典序曲 (ブラームス)
- タイタン - 交響曲第1番「巨人」(マーラー)
- ダッチマン - さまよえるオランダ人(ワーグナー)
- ダフクロ - ダフニスとクロエ (ラヴェル)
- チャイ1 - 交響曲第1番 (チャイコフスキー)
- チャイ2、ウクライナ、殺し屋 - 交響曲第2番 (チャイコフスキー)
- チャイ3、ポーランド - 交響曲第3番 (チャイコフスキー)
- チャイ4 - 交響曲第4番 (チャイコフスキー)
- チャイ5 - 交響曲第5番 (チャイコフスキー)
- チャイコン - ヴァイオリン協奏曲 (チャイコフスキー)、ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)
- チャイセレ - 弦楽セレナーデ (チャイコフスキー)
- ツァラ、ツァラトゥストラ - ツァラトゥストラはこう語った(ツァラトゥストラはかく語りき) (リヒャルト・シュトラウス)
- ティル - ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら (リヒャルト・シュトラウス)
- 弟子、まほ弟子、までし - 交響的スケルツォ「魔法使いの弟子」 (デュカス)
- (田園) - 交響曲第6番 (ベートーヴェン)
- トルコ行進曲 - ピアノソナタ第11番 第3楽章 (モーツァルト)
- ドボ○ - ドヴォルザークの交響曲第○番
- ドボ8(「どぼはち」あるいは「どぼっぱち」) - 交響曲第8番 (ドヴォルザーク)
- ドボコン - チェロ協奏曲 (ドヴォルザーク)
- ドボセレ - 弦楽セレナーデ (ドヴォルザーク)
- 虎刈り - トゥランガリーラ交響曲(メシアン)
- どろかさ - 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲 (ロッシーニ)
[編集] ナ行
[編集] ハ行
- ハイバリ、ハイ変 - ハイドンの主題による変奏曲 (ブラームス)
- 白鳥湖(はくちょうこ)、白鳥 - 白鳥の湖 (チャイコフスキー)
- バタフライ - 蝶々夫人(プッチーニ)
- 花ワル - くるみ割り人形より「花のワルツ」 (チャイコフスキー)
- 春祭(はるさい) - 春の祭典 (ストラヴィンスキー)
- ハン5 - ハンガリー舞曲第5番 (ブラームス)
- ピーター - ピーターと狼(プロコフィエフ)
- ひげじょ - 悲劇的序曲(ブラームス)
- 英雄(ひでお)、英雄の生涯(ひでおのいきがい) - 英雄の生涯(リヒャルト・シュトラウス)
- フィガロ - フィガロの結婚 (モーツァルト)
- ブラ1 - 交響曲第1番 (ブラームス)
- ブラ2 - 交響曲第2番 (ブラームス)
- ブラ3 - 交響曲第3番 (ブラームス)
- ブラ4(ぶらよん、ぶらし) - 交響曲第4番 (ブラームス)
- ブラコン - ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス) ※同作曲家のピアノ協奏曲(1番または2番)を指すこともある。
- ブランデン - ブランデンブルク協奏曲 (ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)
- フルートハープ - フルートとハープのための協奏曲 (モーツァルト)
- 平均律 - 平均律クラヴィーア曲集 (ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)
- ベト1、ベー1 - 交響曲第1番 (ベートーヴェン)
- ベト2、ベー2 - 交響曲第2番 (ベートーヴェン)
- ベト3、ベー3 - 交響曲第3番 (ベートーヴェン)
- ベト4、ベー4 - 交響曲第4番 (ベートーヴェン)
- ベト5、ベー5 - 交響曲第5番 (ベートーヴェン)
- ベト6、ベー6 - 交響曲第6番 (ベートーヴェン)
- ベト7、ベー7 - 交響曲第7番 (ベートーヴェン)
- ベト8、ベー8 - 交響曲第8番 (ベートーヴェン)
- ベトコン - ヴァイオリン協奏曲 (ベートーヴェン)
- ペレメリ - ペレアスとメリザンド (フォーレ)
- ヘングレ - ヘンゼルとグレーテル (オペラ) (フンパーディンク)
- 牧神(ぼくしん) - 牧神の午後への前奏曲 (ドビュッシー)
[編集] マ行
- マジンガー、マイジン、マイスター - ニュルンベルクのマイスタージンガー (ワーグナー)
- マスベル - マスクとベルガマスク(フォーレ)
- マノン - マノン・レスコー(プッチーニ)但し、マスネのマノンをさす場合もあるので注意が必要である。
- マラ○ - 交響曲第○番(マーラー)
- ミサソレ - ミサ・ソレムニス (ベートーヴェン)
- メンコン - ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン)
- モツレク - レクイエム (モーツァルト)
[編集] ヤ行
- 40番 - 交響曲第40番 (モーツァルト)
[編集] ラ行
- ラフ2 - ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ)、交響曲第2番 (ラフマニノフ)
- リング - ニーベルングの指環(ワーグナー)
- レプレ - 前奏曲 (リスト)(<レ・プレリュード)
- ロメジュリ、ロミジュリ - ロメオとジュリエット (チャイコフスキー)、ロメオとジュリエット (プロコフィエフ)
- ラコッツィ - ファウストの劫罰より「ハンガリー行進曲」(<「ラコッツィ行進曲」の引用)(ベルリオーズ)
[編集] 関連する用語の俗称、略称
- カラベル - 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ゲネプロ(またはゲーペー(GP)) - 本番前の総仕上げ練習(ドイツ語のゲネラル・プローべGeneral Probe)
- 弦カルまたはSQ - 弦楽四重奏曲(<弦楽カルテット)
- ショスタコ(またはタコ) - ショスタコーヴィチ
- チャイコ - チャイコフスキー
- プロコ - プロコフィエフ
- クナ - ハンス・クナッパーツブッシュ
- フルヴェン - ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
- スヴェトラ - エフゲニー・スヴェトラーノフ
- スクロヴァ - スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
- チェリ - セルジュ・チェリビダッケ
- ロジェヴェン - ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
- コバケン - 小林研一郎(指揮者)
- メンチャイ - ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン)とヴァイオリン協奏曲 (チャイコフスキー)
- Sym、シンフォ - 交響曲(<シンフォニー)
- PfCon、Pコン、ピーコン - ピアノ協奏曲(<ピアノコンチェルト)
- VnCon、バイコン - ヴァイオリン協奏曲(<ヴァイオリンコンチェルト)
- VcCon、チェロコン - チェロ協奏曲(<チェロコンチェルト)
[編集] その他
この他にも様々な言葉を倒置させる、またツェーマン、デーマン - 1万円、2万円(ドイツ音名のC(ツェー)を1とし、以後音名に沿って数える。楽隊のギャラの隠語)など楽隊特有の符牒は多く、一部はクラシック音楽の枠を超えてその他の分野のミュージシャンや芸能関係者などの間にも流通している。