ウシエビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
?ウシエビ | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||
Penaeus monodon Fabricius, 1798 | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Black tiger prawn Giant tiger prawn |
ウシエビ(牛海老)Penaeus monodon は、エビ目(十脚目)・クルマエビ科に属するエビの一種。クルマエビより南方系で、より大型になる種類である。重要な食用種でもあり、ブラックタイガーという別名でよく知られている。
[編集] 特徴
成体の体長は30cmほどで、クルマエビ科でも最大の部類に入る。最大で体長36cm・体重600gという記録もある。クルマエビに似るが、全身が黒っぽい。また、クルマエビの頭胸甲中央には前後に溝が走るが、ウシエビは頭胸甲の前半部だけに限られる。
西太平洋とインド洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布するが、ハワイでも記録がある。さらにスエズ運河を越えた地中海、パナマ運河を越えた大西洋西岸でも分布を広げつつある。日本では東京湾以南に分布するが、分布域の北限にあたり個体数が少なく、日本産・天然もののウシエビが市場に流通することはまずない。
浅い海の砂泥底に生息するが、汽水域、さらには淡水域にも適応する。食性は雑食性で、藻類や貝類、多毛類などを食べる。
[編集] 利用
大型で成長も早いため、東南アジアを中心とした各地でさかんに養殖され、日本に輸入される。日本のエビの輸入量の4割前後を占める重要種で、主な輸入元はインドネシア、インド、ベトナムである。
クルマエビに比べると生の状態では黒っぽいが、熱を通すと一様にピンク色になる。やや身が柔らかいが味はクルマエビと大差なく、様々な料理に使われる。
[編集] 参考文献
- 三宅貞祥「原色日本大型甲殻類図鑑 I」 保育社 ISBN 4-586-30062-0
- 武田正倫ほか「新装版 詳細図鑑 さかなの見分け方」講談社 ISBN 4-06-211280-9